こんにちは、ハヤシヨウヘイです。 私がイタリアではじめて給料をもらって働いたのはカンパーニャ州のTorre del Saracino というお店でした。 ソレント寄りの町だったのですが、休日にはよくナポリへ行ったものです。 そんなわけで私自身かなり馴染みのある都市ナポリへ、今回は出張で8年ぶりにやってきました。 ナポリって ナポリ、イタリアでも5本の指に入る大都市です。 その魅力は「ナポリを見て死ね」というゲーテの有名な言葉があるほどで、今でも多くな人々が世界中から訪れま
こんにちは、ハヤシヨウヘイです。 先日フランスに留学中の友人がイタリアまで旅行に来ていました。 ベネツィアで落ち合って、少し珍しいムラーノ島まで足を運びましたので、ご紹介していきます。 ムラーノ島、どこにある? ムラーノ島とはベネツィアの数ある群島の一つ、船バスでベネツィア・サンタルチア駅から30分ほどで到着します。 ベネツィアといえばゴンドラと歌う舟漕ぎが有名ですが、一般的に移動に使われるのはトラゲットtraghetto と呼ばれる船バスなんですね 高くもありませんし
こんにちは、ハヤシヨウヘイです。 先回に続いて、これまで5年ほど暮らしていたPiacenzaピアチェンツァについてその歴史と併せて触れていきたいと思います。 ピアチェンツァ、どんな町? ピアチェンツァはエミリアロマーニャ州の西の端、西にはロンバルディア州のミラノと隣接する県です。 町自体はそこまで大きくはなく有名な町ではありませんが、大河ポー川に接しその土地の立地上、物流拠点となっており多くの物資が行きかいます。 パダーノ平野の一部、農業も盛んで、イタリア料理には欠かせな
こんにちは、ハヤシヨウヘイです。 これまでイタリア生活、料理人としての体験を主に書いてきましたが、実は私は歴史が好きで、その中でも考古学が特に好きなんです。 イタリアという国の歴史は古く、各地に遺跡や歴史的建築物が残っています。(ここは木造建築の日本と石造のイタリアの違いでしょうか) 古代ローマのお話なんか胸が熱くなりますよね。 各地に残る歴史的建築、ここリミニでも例外ではなく、いくつかの遺跡や古い教会などが存在しています。 今回はそんな建築物、歴史と併せてお話していきたい
こんにちは、ハヤシヨウヘイです。 今日は4月に引っ越してきたRiminiリミニという街を少しご紹介。 リミニってどんな町? リミニとはエミリアロマーニャ州の東の端、アドリア海に面する海岸のきれいな町です。 夏になると、国内外から多くの人が訪れるバカンス地としても有名です。 また漁業が盛んで、市民にも開放されている町中の大きな市場はとても活気があります。 世界で5番目に小さな国、サンマリノ共和国の入り口としてもよく知られていますね。 リミニ、その起源 その歴史は古く、紀
ご無沙汰しています、ハヤシヨウヘイです。 実は先日四月終わりに転職しまして、五年暮らしたPiacenzaピアチェンツァから同Emilia-Romagnaエミリアロマーニャ州のRiminiリミニという町へ引っ越しました。 エミリアロマーニャ州って? ここ五年ほど暮らしているこの州、簡単に説明しますね。 エミリアロマーニャ州とは西のエミリア地方と東のロマーニャ地方があわさって一つとなったイタリアでも中部より若干北に位置する州です。 「パスタと言えばエミリアロマーニャ州」とイタ
こんにちは、ハヤシヨウヘイです。 時間があいてしまいましたが、前回生ハムづくりの様子、今回はその他のサルミ類について。 豚一頭から作られるもの イタリアのかつての伝統的な習慣として冬に1,2頭ブタをつぶしてサルミつくりをしますが、ここスパンノッキア農園の仕事はまさしくそれです。 月曜に3頭の豚を処理、工房に持ち帰って大きくパーツごとに分割していきます。 その日に生ハムの処理をしてしまうことは前回書きましたが、火曜日からそれ以外のサルミが始まっていきます。 豚一頭は頭、ホホ
こんにちは、ハヤシヨウヘイです。 長期休暇に行った研修先のサルミ工房、一件目はシエナにあるTENUTA DI SPANNOCCHIAスパンノッキア農園です。 スパンノッキア農園 こちらのスパンノッキア農園、農園というだけあって行われているのはサルミだけではありません。 野菜やハーブなどの畑、ワインやオリーブづくり、そして豚の飼育まで行っています。 昔ながらの初めから終わりまで一通りすべて自分たちで賄う、自給自足ではありませんが、それに近い形態です。 アメリカからの研修生を
こんにちは、ハヤシヨウヘイです。 カステッリーナ・イン・キャンティでの暮らしは一年にわたりましたが、イタリアならではの長期休暇がありました。 晩秋から冬にはお客さんが全く来ないので、11月末から2月まで驚きの、併せて3か月の超長期。 その間にも、年越し時期やバレンタインデーなどに何度か戻って営業していたのですが、日本人の私からすればそれでも驚き。 今の職場は夏冬2週間ずつしかないので、3か月はイタリアでも珍しいのですが、田舎では季節によって人が全く来なくなるので、開けてもしょ
こんにちは、ハヤシヨウヘイです。 トスカーナはカステッリーナ・イン・キャンティでは一年の時を過ごしたのですが、レストランの外では、つまり日常生活はどのようにすごしていたのか。 カステッリーナでの日常 以前に書いた通り、Albergaccioは典型的な家族経営のお店で、時期によってはプラス2,3人のスタッフが入ります。 そのため、まかないも家族の食卓のようなもので、ワインがあることも珍しくありませんでしたし、夫婦けんか、親子げんかもよく見かけました。 住み込みの私たちは車
秋も深まってくると、狩猟が解禁され始めます。 フランス語、または日本語ではジビエと呼ばれますが、イタリア語では ”Cacciagione カッチャジョーネ” と呼ばれます。 彼ら自身は狩りにはいきませんでしたが、友人がたまに獲物をもってやってきていました。 よくあったのはイノシシ、シカ、山バトですね。 これを煮込みやグリルでセコンドとして提供するわけなんですが、やはり肉屋で売られているものとは一味違います。 ジビエは地域、食べ物によってその肉の味が変わるという話がありますが
こんにちは、ハヤシヨウヘイです。 カステッリーナ・イン・キャンティにきて、トスカーナ料理を学び始めた私は、その更なる深みへとはまっていくとこになります。 現代は便利なもので、インターネットを使えば多くの郷土料理を探し出すことができます。 フィレンツェなどでも見かける有名なものから、ある一つの町でしか作られていない珍しい料理まで、多かれ少なかれ、書いている人がいるものです。 しかしここAlbergaccioで、それでも見られないような、珍しいというよりも、一部の人しか家で食べ
こんにちは、ハヤシヨウヘイです。 カステッリーナ・イン・キャンティの 'Albergaccio di castellina' で働き始めて郷土料理の奥深さや、その土地で採れたものを使うということの意味を考え始めます。 イタリアの郷土料理とは イタリア料理は、その多くがその土地その土地の郷土料理で構成されています。 山では狩猟で採れる素材、海沿いでは魚介類、北ではバターやトウモロコシのポレンタ、南ではオリーブオイルにセモリナ粉のパンといったように、土地ごとに大きく違いま
こんにちは、ハヤシヨウヘイです。 ナポリをあとにした私がいく、次なるレストランは再びトスカーナ州。 カステッリーナ・イン・キャンティという赤ワインで有名なキャンティ地方、丘陵地帯の中に位置する’Albergaccio di castellina’というお店です。 今はなくしてしまいましたが、かつてはミシュランの一つ星でもあったレストランです。 キャンティ地方・CHANTIとは キャンティ地方はトスカーナ州のフィレンツェから車で一時間半ほど、丘を登って行ったところにある土地
こんにちは、ハヤシヨウヘイです。 体験記の途中ですが、今のお仕事の話を少し。 現在、私が働いているのは昼夜合わせて100‐120名ほどのお客さんが来る中規模のレストランです。 営業ではプリモピアット(パスタやリゾット)を担当するのですが、今回は仕込みの主な仕事”パン作り”についてお話していきます。 イタリアと日本のパンの違い日本ではパンというと食パンやコッペパン、菓子パンに総菜パン、味のついた、柔らかいパンを想像することが多いと思います。 海外の方が日本にやってきたときに
こんにちは、ハヤシヨウヘイです。 早いもので一年の内の半年が経過し春となりました。 このころに新たに日本人コックが入り、私は仕込み時間もキッチンで働くようになります。 SECONDO・メインの仕事を任されるようになるのですが、ここからが本格的に仕事が始まったといえたのかもしれません。 ある意味それまでは、魚の処理をしていればいいだけだったのでしょう。 ”できる仕事の熟練度を上げていく”のが、”初めての仕事をこなす”とこに明確に変わった瞬間でした。 常に副料理長と一緒に仕事を