冬、狩りの季節
秋も深まってくると、狩猟が解禁され始めます。
フランス語、または日本語ではジビエと呼ばれますが、イタリア語では ”Cacciagione カッチャジョーネ” と呼ばれます。
彼ら自身は狩りにはいきませんでしたが、友人がたまに獲物をもってやってきていました。
よくあったのはイノシシ、シカ、山バトですね。
これを煮込みやグリルでセコンドとして提供するわけなんですが、やはり肉屋で売られているものとは一味違います。
ジビエは地域、食べ物によってその肉の味が変わるという話がありますが、
それがよくわかりました。
イノシシなど四足動物はともかく、鳥獣類はまずのどから胃にかけて食べ物が残っていることが多く、木の実や草など様々です。
状態の良しあしにもよりますが、毎回同じ味ではなかったことは確かです。
私も人生で一度しか口にしたことはありませんが、ジビエの王様と呼ばれるヤマシギがやってきたこともありました。
これ一羽しかいませんでしたから、スタッフで分けて食べます。
この店でもめったにないことなのか、家族みんなで大はしゃぎで、内臓や脳みそまでしっかり、おいしくいただきました。
ぜひもう一度お目にかかりたいものです。
実はイタリアは法律の問題で、フランスほどジビエが盛んではありません。
狩りに出かける人はそれなりにいるのですが、レストランで出されることはあまり多くありません。
当時発見したジビエ料理で、今でも記憶に残っているものをもうひとつご紹介。
Scottiglia という、キャンティ地方の料理ではないのですが、煮込み料理があります。
ウンブリア州との境のcasentino という地域では鳥類を主に煮込みます。
ローマに近いMaremma という地域では4つ足中心になんでも、タヌキやらヤマアラシなどが入ることもある、というのは本当かウソか。
同じ州内で全く逆方向に、似たような料理がある。おもしろいですね。