一料理人、イタリアでサルミつくり③~サルミ編

こんにちは、ハヤシヨウヘイです。
時間があいてしまいましたが、前回生ハムづくりの様子、今回はその他のサルミ類について。

豚一頭から作られるもの


イタリアのかつての伝統的な習慣として冬に1,2頭ブタをつぶしてサルミつくりをしますが、ここスパンノッキア農園の仕事はまさしくそれです。
月曜に3頭の豚を処理、工房に持ち帰って大きくパーツごとに分割していきます。
その日に生ハムの処理をしてしまうことは前回書きましたが、火曜日からそれ以外のサルミが始まっていきます。

豚一頭は頭、ホホ、首、背肉、バラ、腹、肩(前足)、モモ(後ろ足)、骨、血、端肉に分けられます。
週ごとに多少前後しますが、およそ10種類ほどの製品に加工されます。
加工方法が似ているものごとに分けて説明していきますね。

①プロシュット、スパッラ(モモ、肩)

これは前回書いた通り、塩を擦り込み、洗い流して乾燥させ、脂で包んで熟成させる。1年から2年もかかり、日本人にも有名ですね。

②カポコッロ、ロンボ(首、背)

日本語では肩ロース、ロースと呼ばれる部位です。
一本の肉として余計な部分を取り除いて、筒状に成型します。
その後、塩とスパイスを擦り込み、専用の紙を使って包み縛り上げていきます。およそ半年ほどで完成します。

上段左カポコッロ、右ゴレッタ、下段奥パンチェッタ

③パンチェッタ、ゴレッタ(腹、ホホ)

主に脂の多いこの2つの部分、多めのスパイスでむき出しの肉の部分を覆っていきます。
ほかの部分よりの薄いため、多少早く4か月ほどから出荷されれます。

④サラミ、フィノッキオーナ(端肉含めたすべて)

これまた有名なサラミ、週の最後にそれまでに出たすべての端肉を含めたすべての肉をまとめてミンチにします。
週によってはつかわない、肩肉やほかの部位を使いながら脂と赤身の割合だけは一定です。
親指ほどの太さのものからよく見る直径3㎝ほどのもの、直径10㎝を超えるもの(トスカーナではフェンネルシードを入れたフィノッキオーナが有名)まで大きさはさまざまで、かつ熟成期間も異なります。

冷蔵庫の中の様子、初日はヒーターをつけて表面を乾燥させていきます

⑤ソプレッサータ(骨、頭など)

頭や骨、皮などを崩れるまで煮込んでほぐした身を紙筒に詰め、ゆっくり汁抜きしながら冷やし固めます。
「圧されたもの」という意味があるこのサルミ、似て冷やし固めたら出来上がりなので、ある意味では最も早く完成します。
イタリアの至ることろでみられるもので、他州ではチッチョラータ(脂みたいな意味)などと呼ばれることもあります。

この大きさになると自重で重しかかる

⑥サングイナッチョ(血や脂、内臓)

この地域ではBURISTOとも呼ばれる血のサラミ、フランスのブーダンノワールに似ています。
新鮮な血と内臓が手に入る工房でしか作ることができず、スパンノッキアでは屠殺した翌日に仕込んでいました。
きれいにした内臓に血と角切りした脂を入れ、しっかり口を閉じて煮込んでいきます。
中の血が固まったところで取り出し、つるして乾燥熟成させていきます。
濃厚でありながら、血を強く感じるわけでもなく、意外さに驚きました。

胃から腸まで使えるものはすべて使います。

⑦ラルド、ラルドペスト(背脂)

分厚い背脂をハーブ、スパイスと一緒に塩水につけて熟成させていきます。
または、ミンチにしてローズマリーを合わせてクリーム状にしたものも作ります。

⑧ストゥルット、チッチォリ(豚脂)

最後に残った脂は全てまとめて、ミンチにしてゆっくりと火にかけます。
液体部はストゥルット豚脂、パンなどに使われることが多いです。
揚げカスはチッチョリ、フォカッチャに乗せたり、そのまま食べたりもします。

いかがでしたでしょうか。
イタリアの伝統的なサルミつくり、一頭丸ごと使って作るとこんなにもたくさんのサルミが作れるんですね。
生活に根差したこの仕事、研修で短期間しか滞在できませんでしたが、ワクワクしながら参加しました。
将来自分でもトライしてみたいくらい、サルミつくりは好きな仕事です。


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