国際関係

国際政治経済学講義ノート(リベラリズムについての補足)

リベラリズムの講義の補足です。みなさんのレポートを読んで反省したんですが、自分の講義ではリベラルの理想主義的な側面を強調しすぎて誤解を与えてしまったようです。どうやら三つの理論的アプローチではどうもリベラリズムがいちばん人気がなかったみたいなので、リベラリズムの名誉のためにも少し補足しておきたいと思います。

グローバル政府ではなくグローバル統治

理論的には、リベラルの理想はグローバルに統合され

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知覚の扉 #1. 「多様性」を唱える人たちへ

政治学の授業で、New York Times の記事が取り上げられた。その内容は、アメリカ社会の権力の座についている人口が圧倒的な割合で白人に占められているという分析だ。具体的には、警察長、州検察官、トランプ内閣閣僚、最高裁判事、トップ企業のCEOなどのポジションが取り上げられ、総合的にはこれらの人口の80%程が白人であると推測されている。記事のメインポイントは、権力の座についている人口が人種・性

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【地政学編 アイスランド】~資源小国から再生可能エネルギー大国に大躍進! 大西洋上に浮かぶ島国の国家戦略~

はじめに

皆さんこんにちわです。
クラッドです。
本記事は【クラッドの投資で自由を掴むブログ】にて、投稿している地政学シリーズを有料版として販売しているものです。
ブログにて同様の記事を無料で公開しているため、この有料版については完璧私へのカンパというか応援といった色合いが強くなりますので、ご理解頂ける方のみ購入してもらえたらと思います。
また、noteにのみ巻末におまけとして数値データの詳細も

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ウィーン会議とメッテルニヒに学ぶ日本外交とは?

今回は「クレメンス・ヴェンツェル・ロタール・ネーポムク・フォン・メッテルニヒ=ヴィネブルク・ツー・バイルシュタイン」こと、メッテルニヒについて投稿します。

メッテルニヒは「ウィーン会議」の立役者です。オーストリアの外相としてウィーン会議の議長を務め、後にオーストリアの宰相に就任しました。

ウィーン会議を知れば現代の国際情勢も分かる

ヘンリー・キッシンジャーはハーバード大学で博士号を取る際、ウ

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リシュリュー枢機卿の裏切りと国益

今回はアルマン・ジャン・デュ・プレシーこと、フランスのリシュリュー枢機卿についてです。リシュリュー枢機卿は「三銃士」の悪役として有名です。

リシュリュー枢機卿は聖職者であり、17世紀にフランスの宰相を務めた政治家でした。リシュリュー枢機卿は確かに悪役に相応しい人物でしたが、近代の国際秩序の基盤を作った人物でもあります。

宗教対立と神聖ローマ帝国

リシュリュー枢機卿がフランスの宰相についた16

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コンブチャと国連:国連とは何か?

突然ですが、最近「コンブチャ」が流行っていますね。この「コンブチャ」と「昆布茶」は全くの別物だということをご存知でしょうか。

恥ずかしながら、私は最近知人に教えられるまで、皆が「昆布茶」を飲んでいるのだと誤解していました。 正しくは、「コンブチャ」は「紅茶キノコ」と呼ばれる発酵飲料で、昆布でもなければお茶でもありません。Wikipediaによると下記の誤解から名前が付いたようです。

The A

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補給戦-何が勝敗を決定するのか

著者はマーチン・ファン・クレフェルトというイスラエルの学者さん。日本では1980年に翻訳が出されて、原著自体は1977年と若干むかし。自分が読んだのは中公文庫から2005年に出版されたものです。

内容はタイトル通り各戦役における食料や馬の餌、または武器弾薬、ガソリン、鉄道や自動車の予備部品といった戦争を実行する上で必要な物資が実際の戦争にどのように影響を与えたのか、または与えなかったのかを考察し

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バランス・オブ・パワーとは?

国際関係学のリアリズムの観点では「バランス・オブ・パワー」という言葉が核になります。バランス・オブ・パワーとは「勢力均衡」とも言いますが、広辞苑は次のように定義しています。

勢力が互いにつりあっている状況。諸国家間相互に敵対・友好の複雑な関係を結んで牽制し合うことによって国際平和を保持しようとする国際政治の原理。

バランス・オブ・パワーの3つ意味

「バランス・オブ・パワー」という言葉には3つ

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近代の国際秩序の基礎「ウェストファリア条約」とは何か?

現在の国際秩序の根底を為しているのが「ウェストファリア条約」です。ウェストファリア条約は「国家主権」を確立したことで、現在の世界秩序の基礎を築きました。

三十年戦争

ウェストファリア条約が締結されるきっかけとなったのは、17世紀最大の戦乱となった「三十年戦争」です。1618年に「神聖ローマ帝国」(現在のドイツ)で始まったこの戦争では帝国内の人口の三分の一が犠牲になったと言われています。三十年戦

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冷戦期のイデオロギー対立とは何だったのか?

今まで第一次世界大戦、第二次世界大戦と取り上げてきましたが、今回は「冷戦」について、特に「イデオロギー」に焦点を当てて投稿します。

100年以上前に「冷戦」を予言していた人物がいます。フランスの政治思想家で外務大臣を務めたアレクシス・ド・トクヴィルです。トクヴィルは1835年に次のように記しています。

「今日、地球上に、異なる点から出発しながら同じゴールを目指して進んでいるように見える二大国民

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