サガン『ブラームスはお好き』を読む。離婚歴はあるが女性として自立している39歳のポールが、恋人の中年男ロジェの浮気を機に、裕福で美男な14歳下のシモンの求愛に応じる。だがポールもロジェも孤独感に苛まれる。フランスらしい揺れる心の描き方は秀逸。凡庸と言われようとサガンはいい。
この結末にもどかしさを感じてしまうのは、わたしが未熟なロマンチストだという証拠だろうか。余計なお世話と知りながらも、あなたはこれで幸福なのかとポールを問い詰めたくなるのだ。 #ブラームスはお好き #サガン