Aimez-vous Brahms? (ブラームスはお好き?)

フランソワーズ・サガンの小説のタイトルである。映画化もされているものすごく有名な作品であるが、実は、まだ読んだことがない。

さて、今日は小説談義をするつもりではなく、もっぱらブラームスの音楽について書いてみようかと。

ピアノ少年だった私は若い頃にブラームスのハンガリー舞曲集やワルツ集から数曲が好きだった以外、ブラームスにはあまりピンと来なかった。

中学生の頃、ピアノの先生に「発表会でブラームスのヘ短調のソナタはどう?かっこいいで!」、といわれたのだが、楽譜を借りて1週間ほどさらってみて、「やっぱりショパンにしたいです」と返答した。

高校生の頃(80年代初期)に小澤征爾がボストン響と大阪フェスティバルホールで公演した際にはプログラムの中にブラームスの交響曲第1番があったので予習を兼ねてバーンスタイン(だったかな?)指揮のものを聞いたぐらいであとはあまり彼の音楽に触れることはなかった。

あまりブラームスとは縁がなかったのだが、2004年の年末年始に帰省で大阪へ帰った時にNHKでベルリンフィル(ラトル指揮)のヨーロッパツアー(アテネ野外公演だったような気がする)をやっていて、それをコタツに入って半分眠気まなこで見始めたのだが、プログラムの途中でパッと目が覚めた。

初めて聞いた曲だったのだが面白い曲が始まったのだ。それはシェーンベルク編曲のオーケストラ版のブラームスのピアノ五重奏曲作品25ト短調の最終楽章だった。ジプシーの音楽。画面ではエマニュエル・パユがフルートを担当していた。第二主題は彼がリードを取っていたのを今でも鮮明に覚えている。おかしなものでこの曲の前に演奏されたバレンボイム独奏のブラームス・ピアノ協奏曲第2番のほうは全く記憶にない。

ドキュメンタリーと称しておかしな内容のものを放送したり、日本を貶めるような番組を積極的に作成する、受信料強制徴収など即刻やめていただきたいNHKではあるが、ことクラシック音楽の放送に関してはやはりいい演し物をもってくることもある。

さて、それ以降、俄然ブラームスに興味が出てきて、特に彼のさまざまな室内楽などを聞くようになった。

ブラームスについて「彼の音楽は心の内面に落ちていくような音楽だ」と形容する人もいるが、まさにその通りであると思う。若い頃の自分には彼の良さはあまりわからなかった。

2012年のシドニー国際ピアノコンクールではイタリア人ピアニストのジュリオ・ビッダウ(Giulio Biddau)が第4次予選でブラームスのヘ短調ソナタを弾き、その演奏、とくに二楽章のアダージョは心に染み入るものがあった。

これは別のコンクールであるが、21分あたりから彼の弾くこのソナタが聴ける映像を見つけた。やはりいいなぁ〜。

近頃はヘンレ出版社もデジタル版の楽譜を展開していて私もすでに色々なものをiPadで利用している。

今日からスタートの今回の長期休暇にはブラームスのヘ短調ソナタでもさらってみようかな。



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