ブラックコメディ | blackはお好き?
(1)
黒と言うと、あまり縁起が良くない色のように思う人が多いかもしれない。相撲取りなら黒星●は嫌だろうし、葬式になれば喪服の黒一色になる。カラスが群がっていたら不吉だ。
しかし、👨⚖️裁判官👩⚖️の法服は黒である。その心は「どんな色にも染まらない」こと。裁判を行なう上では、検察側に対しても、弁護側に対しても公平でなければならない。
……とそんなに真面目なお話をしたいわけではない。何故かはわからないが、女性の下着の色は黒が一番好きだ(何の告白だ?)。下着だけでなく、服も黒が似合う女性が好きだ。喪服が似合う人ほど、本当に美しい人だ、という信念すらある。
カフェでブラックのコーヒーを飲みながら、ガラス越しに黒い服を着た女性たちが歩いている様子を見ることは、至福のひとときである。
(2)
僕は彼女に、僕が無類の黒好きだということを伝えていない。生理を終えたばかりの彼女は元気いっぱいだった。夜、久しぶりにそういう雰囲気になって、言われるままに、彼女のブラウスのファスナーをおろした。目の前に現れたのは、真っ赤なブラだった。
僕は思わず、「はぁ~」とため息をついた。
あまりにも大きなため息をついてしまったので、彼女にも聞こえてしまった。
「なんでため息つくん?勝負下着ビシッと決めてきたのに。闘牛のように私に向かってくると思ったのに」
「いや~、ごめん、ごめん。赤は想定外だったから」
「んじゃ、何色だと思ってたん?」
「青かピンクかなぁと」
「青とピンクだったら、どっちがうれしい?」
「ピ、ピンクかなぁ」
(3)
次回、彼女はピンクのブラを身につけて来ることだろう。「好きな色は?」と問われたならば、「ブラック!」と答えただろうが、二択できかれたら、「ピンク」だと答えざるを得なかった。自分の気持ちをちゃんと伝えられるようにならなくちゃな、と僕は思った。
きっと僕は来月も、言うがままに、彼女のブラウスのファスナーをおろし、ピンクのブラ見て「はぁ~」とため息をつくことだろう。
いずれにせよ、やることをやるだけ。やれることをやるだけだ。
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記事を読んで頂き、ありがとうございます。お気持ちにお応えられるように、つとめて参ります。今後ともよろしくお願いいたします