口の中でモゴモゴ言っているような横山氏のブラームス(2018年3月)

杉並公会堂はきちっとした音楽ホールでした。日本にはよいホールがたくさんあるのですねえ。
お客様の層が地元風。中央線沿線風もチラチラ。地味な格好のわりにうるさそう。錦糸町とは反対かな。

-----------
待望の協奏曲のひとつを聴きました。
ブラームスのピアノ協奏曲ニ短調作品15。物々しい太鼓連打と共に始まるもの。
席の位置の関係で、コンバス群の音が先に聴こえてさらに物々しくなりましたが。
モーツァルトのト短調交響曲が前座。光が差す中を埃が舞って黴臭く息苦しい感じ。最後までモアモアしたヴェールが取れず、申し訳ないけれど腑抜けて聴こえました。モーツァルトイヤーに聴いて以来。早く終わってほしい、と思いました。第一、組み合わせの説得力があまり聞こえてきません。休憩後から来ればよかったかしら、とも。
指揮者はロマンスグレーの長髪で宝塚みたい。ピアニストは柳家喬太郎師匠似、衣装が独特でちょっと引退した若乃花にも見えます。しかし、ピアニストにとってそんなにも「疲れる」大作なのかしら。ユジャ・ワンはアンコールにプロコフィエフを弾いてましたが。今晩はオケがドボルザークのト長調交響曲のワルツを。
何も言うまい、この曲がどんな演奏でも名曲であることがよおくわかりました。ブラームスの曲の緊張感は、どんな演奏でも聴き手を徐々に集中させることが、よおくわかりました。一度はライブで聴いてみたいと願っていた曲が聴けてなにより。

画像1

検索したら、下記。余分なことは知らずに聴いていました。動画で目撃した演奏はどれも物々しいだけ。CDもブフビンダーを買ってあまり聴かず。とにかくハフの演奏を聴くまで素晴らしい曲と感じたことがありませんでした。ハフのおかげでブラームスと出会い、とうとうライブにまで足を運びました。ハフの繊細丁寧清冽颯爽な演奏とは比較にならない雑な濁った演奏でも、良い曲は好い、と。横山某は口の中でモゴモゴとはっきりしない落語家みたい。指揮はのっぺりした起伏陰影のない印象、たしかにホルンはもっと頑張ってほしかったですか。

----「ピアノ助奏つきの交響曲」との評価はあるものの、後年のピアノ協奏曲第2番に比べれば、ピアニストの腕を見せる技巧的なパッセージも多め。レパートリーにしているピアニストも多いがブラームス自身がかなり卓越したピアニストであったため、技術的には難しい部類。特に第1楽章の『ブラームスのトリル』と呼ばれる、右手の親指と薬指でオクターヴ、小指で一つ上の音を続けて演奏するトリルが有名。この部分は特に薬指と小指を酷使するため、左右の手で交互にオクターヴを弾くピアニストもいる。オーケストラについては、ブラームスの楽器の好み、とりわけホルンやティンパニのパート演奏が難しいために悪名高い(レパートリーの多いカラヤンでさえ録音を残していない)----。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?