なんとなくクリスタル

40年後のなんとなく、クリスタル|田中康夫

40年後のなんとなく、クリスタル|田中康夫

文・田中康夫(作家・元長野県知事) 「10年後に期待したい」。芥川賞選考会で“慈愛に満ちた引導”を渡された翌日の1981年1月20日に、文藝賞受賞作『なんとなく、クリスタル』は書店に並びます。 「後世畏るべしというほかあるまい」。過分な評価を下さったのは文藝賞選考委員の江藤淳さん。ご自宅にお邪魔した同年3月末、「私が褒めたから、反発も大きかったんだよ」と微苦笑されました。 「1980年6月 東京」と洋数字で冒頭に記した「小説に付けられた274個の注は、『なんとなく』と『

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黄昏のハイウェイ

黄昏のハイウェイ

[ボズ・スキャッグス / You Can Have Me Anytime 歌詞と訳詞] Here We Are, In A Room Full Of Strangers And An Open Door ぼくらはここにいて 人の群れに囲まれて そしてドアは静かに開いている Here We Are, Away From All Danger But That Open Door Is Calling Out Again ぼくらはここにいて なんの恐れもなく 安らかに でも あ

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なんとなく、クリスタル

なんとなく、クリスタル

小説がヒットし、その世界観に見合う洋楽をふんだんに使い映画化、サントラ盤はレコードで発売されたが(未CD化)、楽曲権利のせいで、その後ビデオ化された様子もなく、当然DVDにもなってない、となるとますます観たくなるが、もはや劇場上映も不可能なのかもしれない、実質封印作品か、いつか観る機会があるだろうか? 主人公がスタジオミュージシャンの設定なので、映画化にあたり、実際のミュージシャンにオファーしたらしいが、そのうちの1人が坂本龍一である、それは断り、次にきた映画出演オファーが

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063.JJと『なんクリ』

063.JJと『なんクリ』

女性誌「JJ」が、本年12月23日発行の2021年2月号をもって月刊誌としての発行を終了し不定期刊行になると、光文社はHPで発表しました。この事実上の休刊理由は、「ターゲットとなる20代を取り巻く環境、ライフスタイルが大きく様変わりした」からだそうです。 先週の首都圏の終電の繰上げニュースに引き続き、この発表もまたひとつの時代が終わったと、私には感慨深いものがありました。 1975年に創刊され、1978年に月刊化されたJJは、女子大生のバイブルと評されていましたが、197

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日記1019

日記1019

昨夜はスポーツおもしろ場面集みたいなのをYouTubeで見漁った。ゲラゲラ笑いながら寝た。 今朝は久々の最悪デー。朝から体が石になって、布団は苔だった。一歩も動かず、寝たり起きたりで気づけば夕方。 地方の無職を主人公にした『なんとなく、クリスタル』のパロディ小説を書いてみようかと思った。タイトルは「なんとなく、クソシテネル」でいこうと思うのですが、どうでしょう。

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トレンド記事ってなんだろう

トレンド記事ってなんだろう

最近、トレンド記事という言葉が気になっています。 トレンドって、ある程度の期間がないと傾向とか流行りとかわからないじゃないですか。株とかFXとかのトレンドも。 ファッションの流行りの色とかのトレンドは、資本主義の購買意欲を高めるファッション業界の勝手な決め事なので、流行ってるというよりも、今年はこれをこんな感じだから、この色で行こうぜって、流行らせてるだけですけど。 トレンドニュースも、そんな感じで、トレンドニュースを出している大手のサイトの独断と偏見なのでしょうか。

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5/27(1-16,8-18) 韓国語とドイツ語に不寛容だった地点から

5/27(1-16,8-18) 韓国語とドイツ語に不寛容だった地点から

ここ最近、Twitterの話題占有率1位はTHE NOVEMBERS『At The Begining』だった。 最後にライブを見たのが『zeitgeist』の頃なのでもう5年も前だ。当時はロックバンドのライブを見に行くことが少なく、ジャカジャカやって身体を震わせることしか知らなかった。リキッドで見たTHE NOVEMBERSのライブは、歓声を上げる人や身体を揺らす人もいたけど、直立したまま音を浴びることに神経を集中させる人の方が多かった。 外に出てしばらくは耳鳴りが止まない

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○今日は 田中康夫 先生のお誕生日です!
Happy Birthday!0412

○今日は 田中康夫 先生のお誕生日です! Happy Birthday!0412

田中康夫○33年後のなんクリと挫折は毒婦W嬢にあり ■不祥事で留年し旧日本興業銀行への就職が叶わなかった 80年(鉄申)の05月31日(木辰)のDNA「牽」の干合支合日に、 膨大な数量の註を記したがために、ぎりぎり脱稿し、 国立駅前の郵便局から、書留速達で「当日消印有効」の証しを得て、 出版社(河出書房新社)に送られた作品が、 留年後の就職をフジテレビと旧モービル石油と迷ったあげく、 後者を選んだうえでの11月01日(山寅)の入社内定式を経て、 11月07日(木申)のDNA「

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33年後のなんとなく、クリスタル

33年後のなんとなく、クリスタル

2015年の読書記録。 田中康夫『33年後のなんとなく、クリスタル』(河出書房新社)を読んだ。先だって、『なんとなく、クリスタル』(新潮文庫)も読んでみた。前に読んだのは高校の図書館ででした。読むのも33年ぶりってことか。主人公の名前(由利)位しか記憶になかったよ。かなりまっさらな気持ちで読んだ。 でも、読んでおいて正解。もとクリの登場人物たちの今が、ヤスオの来し方と絡みながら描かれるのがいまクリ。 一旦は行政の長となり、国政にもうって出ていたヤスオが抱えて来たポリシーみた

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『33年後のなんとなくクリスタル』とカント

『33年後のなんとなくクリスタル』とカント

田中康夫の『33年後のなんとなくクリスタル』の後半で70年代後半~80年代中期の音楽を語っているところでマチュアド・ソサエティ(成熟した大人の社会)という言葉に出くわし、過去分詞の形容詞化はちょっと重いかな、と思っているとハッとカントの「啓蒙とは何か」がそれこそ記憶の円盤が急回転し頭にもたげる。(あとで注釈を見ると田中氏もmaturedとmatureの違いに言及していた。) この小論文はカントが『伯林月報』という雑誌の題と同名の問いに答えた論考であり、フーコーがその後詳細に

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