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エッセイ

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ノンフィクション、実録エピソードです。生きづらさ、自己肯定感、悩みが中心。
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2024年5月の記事一覧

「人生の引き算」をはじめる

「人生の引き算」をはじめる

新しく何かを始めようと思うと、だいたい足し算になってしまう。ダイエットのためにジムを契約したり、英語のために英会話レッスンに申し込んだり、その先には忙しい日々が待っている。特に都会は選択肢が多いから、ぼーっとしていると、どんどん足し算された人生になってしまう。

でも、これって結局、他人の欲求でしかない。本当に瘦せなくてはいけないのか? 本当に英語を話せなくてはいけないのか? 腹落ちしていないまま

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モンスターボールを99個集めないと気が済まない

モンスターボールを99個集めないと気が済まない

自分がゲームの趣旨から逸れた遊び方をしていて、取り返しのつかないところまで来ていることは、小学三年生の私でも、気付いていた。

ゲーム「ポケットモンスター」は、今でこそ多様な遊び方ができるが、初代と次世代までは「ポケモンを集めること」と「ジムリーダーに勝って、ポケモンリーグに挑むこと」に重きを置かれてゲームが設計されていた。ポケモンの数は初代「ポケットモンスター赤緑」では181匹、次世代「ポケット

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占いに行って、少し泣く

占いに行って、少し泣く

 占いに行ってみたいと、ずっと思っていた。

 その日は午前中に代官山でマッサージの後に予定があるだけで、午後には何も予定がなかった。そこで友人からお勧めされた、渋谷にある占いのお店のことを思い出した。調べたらお値段も良心的だし、電話をしたら予約が取れた。人間はどうして、ここまで退屈に耐えられない生き物なのだろう。ほとんどの元凶は「ひま」から始まる。

 マッサージを終えて、占いのお店が入るマンシ

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ミュートのすすめ

ミュートのすすめ

今まで誰にも言わなかったことがある。かなり性格が悪いことが露呈してしまうから、黙っているつもりだったのだが、最近やたらネットで目につくようになったので、ここで書くことにする。

特定の人たちの「それって、ただの自慢ですよね?」と思うような発信についてだ。

具体的な名前は伏せるが、先日「うちの子どもは、こんなに本を読むのが好きなんです」という作家の親バカを、新聞のコラム欄で見かけた。また、「私って

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妬みは幸せのチャンス「あの人の海外駐在を、なぜ素直に喜べないのか?」

妬みは幸せのチャンス「あの人の海外駐在を、なぜ素直に喜べないのか?」

Facebookを開くたびに、少し緊張する。「どうか嫌なものが目に飛び込んできませんように」と思いながら、いつも恐る恐る開いている。

「じゃあ、そもそも見なければいいじゃないか」と思うかもしれないが、友人と連絡を取るために必要なのだ。友人の中には数名、LINEを使っていないからFacebookのメッセンジャーだけでやり取りしている人がいる。その人から連絡が来そうな時はFacebookを開くのだが

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小学5年生からの夢は、まだ叶えられていないけれど

小学5年生からの夢は、まだ叶えられていないけれど

恥ずかしくて今まで誰にも言ってこなかったけれど、私は「なりたい自分」の姿がはっきりしている。小学5年生くらいの頃から、ぼんやりと輪郭はあったと思う。あの頃から日記を欠かさずつけていたり(「ウザい。ぜんぶ爆発すればいいのに」という一言で終わった日もあるが)、小説やエッセイを書いている。しかし、まだ実現できてない。それは「専業作家」だ。

小説を書いて、印税で生きていくという意味ではない。私の書いた文

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もう、入園準備は怖くない。 #メルカリで見つけたもの

もう、入園準備は怖くない。 #メルカリで見つけたもの

保育園に入園すると、そいつはやってくる。苦手だからと今までの人生で避け続け、なんとかして直面しないように生きてきた――「裁縫」が。

街中に布地やボタンなどの裁縫用品は使う店は多い。本屋にもコーナーがあることから、世の中の需要は高いのだろう。しかし、私は悲しいくらい裁縫が苦手だ。そもそも針に糸を通すことすらできない。諦めて針をその辺に置いといて、後で足や手に刺さってしまい「くそ、裁縫め……」と余計

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