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ハピネステクノロジ

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"What ICT can do to make our life happier" 幸せの国、住みやすい国、働きやすい国として各種国際指標でトップを維持するデンマークは、電子政…
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#デンマーク

デンマークのハピネステクノロジ

デンマークのハピネステクノロジ

デンマークに住むようになってから、学会や論文執筆とはまた別に、オンラインメディアや雑誌にエッセイを書く機会に恵まれてきました。そんなエッセイの内容は、デンマークでの自分の日常や仕事経験を通じて感じたことや見つけたこと、学んだことなどが中心です。エッセイは、単なる思考実験的なものであったりすることも多いのだけれども、多くがインタビューをしたり、フィールドサーチをしたり、分析をしたりして書き上げている

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北欧のスマートシティのポッドキャスト

北欧のスマートシティのポッドキャスト

はじめに2022年12月、「北欧のスマートシティ」(学芸出版)を、上梓しました。北欧のデジタルは、デジタル主導ではなく、社会に溶け込んでいること、そして幸せな生活づくりに貢献している。ということが、メインメッセージです。テクノロジーの話は、もちろん中心に伝えているのですが、どのようにテクノロジーが役立っているのかを示すために、北欧がどんな社会なのかも伝える、そんな構成になっています。

その本を読

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デンマークの生成AIに対する対応

デンマークの生成AIに対する対応

はじめにデンマークは、国際的なIT指標でも名前の上がることの多い先進的なデジタル国家であり、AIを活用するデジタル・データインフラが整備されている数少ない国だ。インフラを整備した後に進められるのは、いうまでもないことだろうが、インフラの活用であり、要素技術の応用だろう。AI(人工知能)に関する論調もその特徴を反映しており、数年前よりAIの話題が見られるようになり、ChatGPTに代表される生成AI

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デンマークのAI Innovation Houseに行ってきた

デンマークのAI Innovation Houseに行ってきた

先日、機会を得て、デンマークのヴァイレ市(Vejle)に設立された、AIとデジタル関連のインキュベーション組織に行ってきた。AI Innovation HouseのCOO、ミカエラ・アナセン(Michaela Andersen )さんが案内役だ。

AI Innovation Houseとは?3年ほど前にAIやITテクノロジーに特化したインキュベーション組織として作られ、最先端の技術の展示やイベン

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北欧はメンタルヘルスにどう取り組んでいるか

北欧はメンタルヘルスにどう取り組んでいるか

もともと北欧は、冬の長さや暗さもあいまって、メンタルヘルスには、人一倍気を遣っていたんだろうと思う。私が北欧と関わり始めた20年ぐらい前から冬鬱の話や自殺数が多い話は普通に語られていたが、もっと広くメンタルヘルスについて語られるようになったのは、デンマークが経済好景気に突入した2005年以降だったかもしれない。メディアがこぞって「デンマークでは、多くの人が仕事によるストレスを感じている」などと報道

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鬱になってからじゃ遅いから - ストレス対策アプリ「Sumondo」

鬱になってからじゃ遅いから - ストレス対策アプリ「Sumondo」

文責:安岡美佳
2019年2月19日

心身ともに健康であることは、幸せな毎日を送るには重要なファクターの一つだ。多くのグローバル企業や団体が提供する幸せ指数の項目に「健康」に関する項目は、ほぼ必ず入っている。デンマークの幸せ指数は例年高く健康指数も上位にいるのだが、近年デンマークでは「ストレス」を感じる人が増えているとの報道が散見されるようになってきた。デンマークのストレス対策を掲げる団体ストレ

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デンマークのオンライン・ドクター

デンマークのオンライン・ドクター

文責:松永和成、安岡美佳
2019年6月2日
デンマーク発: ハピネステクノロジ vol.4

はじめに オンライン診療と官民連携
多くの先進諸国同様、高齢社会を迎えているデンマークでは、医療の質を担保しつつ最適な医療サービスを国民に届ける一つの方法として、オンライン診察の導入の議論がここ数年見れらている。
オンライン診察は医療費削減の一手段として位置付けられ、2018年1月に発表された医療戦略に

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未来のお小遣い事情

未来のお小遣い事情

執筆:安岡美佳
2019年3月12日
デンマーク発: ハピネステクノロジ vol.6

デンマークのキャッシュレス傾向は目覚ましい。隣国であるスウェーデンやノルウェーと比べるとちょっと後塵を拝している感も否めないが、欧州全体で見ると北欧諸国はダントツ頭一つ飛び抜けたキャッシュレス社会になっている。もともと80年代よりカード利用が進み現金利用が減少傾向であったのだが、それでも小規模店舗やストリートで

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コペンハーゲンテックフェスティバルで、人とテクノロジーの関わり方を考える

コペンハーゲンテックフェスティバルで、人とテクノロジーの関わり方を考える

執筆:堀内美佑、安岡美佳
2018年12月11日
デンマーク発: ハピネステクノロジ vol.1

人を幸せにするテクノロジー
幸せの国、住みやすい国、働きやすい国として各種国際指標でトップを維持するデンマークは、電子政府指標などでも上位に出てくることの多い国だ。
人を幸せにするテクノロジ「ハピネステクノロジ」第一回目は、多くの生活に密着した技術が紹介されるハピネステクノロジーの見本市とも言える「

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オフィスの空気と健康、生産効率の親密な関係

オフィスの空気と健康、生産効率の親密な関係

文責:蒔田 智則
2019年6月13日
デンマーク発: ハピネステクノロジ vol.5

私たちは1日の大半を室内で過ごしている現代社会において、人は1日の約90パーセントを何らかの「室内環境」で過ごしていると言われている。90パーセントである。つまり1日の大半は室内環境で過ごしていることだ。確かに私の普段の生活を考えてみると、純粋に外にいるのは通勤や子供の送り迎えの約1時間と昼ごはんを食べる際の

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急成長のスタートアップ企業による食料廃棄解決アプリ「Too Good To Go」

急成長のスタートアップ企業による食料廃棄解決アプリ「Too Good To Go」

執筆:小林 萌、安岡美佳
2019年2月1日
デンマーク発: ハピネステクノロジ vol.2

はじめに
デンマークには近年、人をハッピーにするアプリがたくさん生まれてきている。その中の一つがToo Good To Goだ。Too Good To Goとは、食料廃棄を防ぐために作られたお店とカスタマーを繋ぐプラットフォームアプリである。2015年11月にデンマーク、コペンハーゲンからスタートしたス

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