北欧研究所(Japanordic)

北欧研究所(Japanordic)は、デンマーク・スウェーデン・ノルウェー・フィンラン…

北欧研究所(Japanordic)

北欧研究所(Japanordic)は、デンマーク・スウェーデン・ノルウェー・フィンランド・アイスランド・グリーンランド・フェロー諸島など北欧諸国に特化した研究調査、ビジネス支援、コンサルティング機関です。 https://www.japanordic.com/

マガジン

  • 北欧研究所エッセイ

    北欧研究所所員が、業務を通じて考えたこと知ったことをエッセイとしてお話しします。

  • 北欧の地方創生

    北欧の地方創生の事例や分析記事を集めました。

  • 北欧のハピネステクノロジ

    "What ICT can do to make our life happier" 幸せの国、住みやすい国、働きやすい国として各種国際指標でトップを維持するデンマークは、電子政府指標などでも上位に出てくることの多い国だ。電子政府政策進展の恩恵を受け、デンマークでは行政手続きに止まらず、医療、福祉、教育、金融などのあらゆる分野においてデジタル化が進み、デジタルの恩恵が国民生活の隅々にまで行き届いている。デンマークは、先端技術が次々と生まれる国というわけではないものの、国内外の先端技術をうまく活用した生活を良くする工夫が次々と生まれる、「人を幸せにする技術」の国なのである。

  • 北欧の義務教育~事例紹介

    人生100年時代と言われ、コロナ渦で仕事や学習することになった私たちは、これまでの常識から新たな常識へ変化しなければならないことを実感しています。 「義務教育」と呼ばれる子供時代の学びにおいても、多くの知識を蓄えることから、その知識を他者と共に新たなアイディアに変え、実行するスキルを身に着けることを目指すようになったといえるでしょう。では、その必要な知識やスキルを、どのように育てていけば良いのでしょうか?新たな学習方法として、アクティブラーニングやICTを用いた学習が注目を集めています。北欧諸国は、これらの学習法が義務教育から行われ、注目を集めてきました。その実態はどのようなものなのか、教育者たちの声を含めた事例紹介を行います。

  • デンマークのアクティブラーニング 2021年度版

    デンマークには、アクティブラーニングの世界的先達であり、現在もアクティブラーニングの実践を行う2大学、ロスキレ大学、オールボー大学があります。コロナ禍では、世界中の学校の閉鎖や授業の休講が相次ぎ、「学び」が中断されたことは記憶に新しいとおもいます。その中断は2020年春の時点ではしょうがないことだったと言われるかもしれません。 また、近年「学び直し」という言葉が脚光を浴びています。学ぶという行為はいつでも重要なことではありますが、おそらく「学び直し」ではなく一生「学び続ける」という姿勢が、今の時代にはより重要なのではないでしょうか。 学ぶという行為は、人に一生ついて回ります。だからこそ、アクティブラーニング(自分で主体的に学ぶ)という考えは重要です。コロナ禍の影響からの新しい発見も含め、改めてアクティブラーニングについて、そしてグループワークについて考えていきます。

最近の記事

なぜ、デンマークの官僚は「午後3時退庁」ができるのか?【第1章 はじめに】

北欧研究所の植村です。私は、2023年9月から2024年6月まで、北欧研究所のインターンシップ生として、個人研究に携わりました。テーマは「日本とデンマークの官僚社会における労働環境の違いとその要因」です。 研究論文を章ごとに分けて、Noteにて公開いたします。他章の記事に関しましては、本記事の最後に記載されているリンクより、ご覧いただくことができます。最後まで、ご一読いただけると幸いです。 なお、ヘッダー写真につきましては、筆者がデンマーク留学中に撮影した写真を使用してい

    • デンマークの外国語教育とその必要性―移民との共生の視点から―【第六章:議論、第七章:おわりに】

      北欧研究所の石本です。私は、2023年6月から2024年6月までの北欧研究所でのインターンシップ期間に、個人研究論文を執筆いたしました。章ごとにnoteの記事を分けており、本記事は、「第六・七章:議論、第七章:おわりに」となります。尚、その他の章は記事の最後に記載のリンクよりご覧いただくことができます。最後まで、ご一読いただければ幸いです。 文責:石本千智 6. 議論本論文を通して、批判的多文化主義のアプローチからデンマークの外国語教育をどのように評価できるのか、また、この

      • デンマークの外国語教育とその必要性―移民との共生の視点から―【第五章:アンケート調査結果と考察】

        北欧研究所の石本です。私は、2023年6月から2024年6月までの北欧研究所でのインターンシップ期間に、個人研究論文を執筆いたしました。章ごとにnoteの記事を分けており、本記事は、「第五章:アンケート調査結果と考察」となります。尚、その他の章は記事の最後に記載のリンクよりご覧いただくことができます。最後まで、ご一読いただければ幸いです。 文責:石本千智 5. アンケート調査結果と考察5.1 回答者背景 本アンケートの回答者の背景に関して、デンマークを含めた23か国の出身

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        • デンマークの外国語教育とその必要性―移民との共生の視点から―【第四章:方法論】

          北欧研究所の石本です。私は、2023年6月から2024年6月までの北欧研究所でのインターンシップ期間に、個人研究論文を執筆いたしました。章ごとにnoteの記事を分けており、本記事は、「第四章:方法論」となります。尚、その他の章は記事の最後に記載のリンクよりご覧いただくことができます。最後まで、ご一読いただければ幸いです。 文責:石本千智 4.方法論第三章までは、批判的多文化主義のアプローチから、デンマークの外国語教育の実態を考察してきた。第四章以降では、こういった外国語教育

        なぜ、デンマークの官僚は「午後3時退庁」ができるのか?【第1章 はじめに】

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          デンマークの外国語教育とその必要性―移民との共生の視点から―【第三章:デンマークの外国語教育】

          北欧研究所の石本です。私は、2023年6月から2024年6月までの北欧研究所でのインターンシップ期間に、個人研究論文を執筆いたしました。章ごとにnoteの記事を分けており、本記事は、「第三章:デンマークの外国語教育」となります。尚、その他の章は記事の最後に記載のリンクよりご覧いただくことができます。最後まで、ご一読いただければ幸いです。 文責:石本千智 3. デンマークの外国語教育3.1 移民向け外国語教育(デンマーク語教育) 序論でも述べたように、言語とは移民が上手に社

          デンマークの外国語教育とその必要性―移民との共生の視点から―【第三章:デンマークの外国語教育】

          デンマークの外国語教育とその必要性―移民との共生の視点から―【第二章:先行研究】

          北欧研究所の石本です。私は、2023年6月から2024年6月までの北欧研究所でのインターンシップ期間に、個人研究論文を執筆いたしました。章ごとにnoteの記事を分けており、本記事は、「第二章:先行研究」となります。尚、その他の章は記事の最後に記載のリンクよりご覧いただくことができます。最後まで、ご一読いただければ幸いです。 文責:石本千智 2. 先行研究2.1 デンマークにおける近代移民の背景 デンマーク統計局(Statistics Denmark, 2024b)によれば

          デンマークの外国語教育とその必要性―移民との共生の視点から―【第二章:先行研究】

          デンマークの外国語教育とその必要性―移民との共生の視点から―【要旨・序論】

          北欧研究所の石本です。私は、2023年6月から2024年6月までの北欧研究所でのインターンシップ期間に、個人研究論文を執筆いたしました。題目は「デンマークの外国語教育とその必要性―移民との共生の視点から―」であり、論文全体の目次は以下の通りです。 章ごとにnoteの記事を分けております。本記事は、「要旨と第一章」となります。尚、その他の章は記事の最後に記載のリンクよりご覧いただくことができます。最後まで、ご一読いただければ幸いです。 文責:石本千智 要旨2023年に出入国

          デンマークの外国語教育とその必要性―移民との共生の視点から―【要旨・序論】

          日本プライマリ・ケア連合学会における発表

          文責:本多 さやか 北欧研究所のOG本多が、第15回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会2024において、「スウェーデンにおける文化的処方〜Culture on Prescriptionpプログラムに参加して〜」と題した発表を行いました。 「文化的処方」とは、個人やコミュニティのウェルビーイング向上のために、医療従事者が地域の文化活動を紹介する営みです。下記に概要を記載していますので、興味のある方はぜひポスター内容をご覧ください。 発表は、デジタルポスターを投影して、テ

          日本プライマリ・ケア連合学会における発表

          デンマークとスウェーデンの地方創生:第八章・考察

          概要北欧の地方創生の特徴として国家の役割、草の根の運動、フォワードキャスティングとバックキャスティングによるビジョンの構築、田園回帰が挙げられる。  この記事では、「デンマークとスウェーデンの地方創生」の第八章を閲覧いただける。  第八章では以上の事例から、自分なりに北欧の地方創生の特徴について考察を行いたい。 8-1. 国家の役割 一つ目は国や自治体による役割の重要性である。北欧国家は福祉国家として大きな政府を標榜し、国の政策が社会や経済において大きな役割を果たしている

          デンマークとスウェーデンの地方創生:第八章・考察

          デンマークとスウェーデンの地方創生:第七章・ボーンホルム島

          概要ボーンホルム島は人口4万人弱のデンマーク本土から180km離れた離島であり、仕事や教育の機会を求めたり、10%以上の高い失業率が続いたりしたことで人口の流出が続いた。そこでエネルギーの島として再生可能エネルギーの導入を促進したり、地域の豊かな自然や文化を活かした芸術家や起業家の移住を進めたりしたことで、移住者の人口が人口の流出を上回るようになり、ボーンホルムの社会に良い影響がもたらされている。 この記事では、「デンマークとスウェーデンの地方創生」の第七章を閲覧いただける

          デンマークとスウェーデンの地方創生:第七章・ボーンホルム島

          デンマークとスウェーデンの地方創生:第六章・ロラン島

          概要ロラン島はデンマークの首都コペンハーゲンから約140km離れた人口6万人弱の島であり、1980年代以降の造船業の撤退によって失業率が20%近くまで悪化し、人口流出が続いた。そこで先進的に環境エネルギー関連の企業を誘致し、市民が中心となって風力発電の設置を進めたことで、地域経済が活性化され、今ではエネルギーの島として世界中から注目を集めることになった。 この記事では、「デンマークとスウェーデンの地方創生」の第六章を閲覧いただける。 第六章では、について記述している。

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          デンマークとスウェーデンの地方創生:第五章・デンマークの地域政策

          概要戦後に生じた都市と地方の地域間格差に対して、1970年代以降に政府は工場の移転や社会福祉サービスの充実を実施した。90年代以降は各地域によるイノベーションの創出を目的として自立的な地域政策の策定を促し、国は大規模なインフラ整備や地方分権を実行した この記事では、「デンマークとスウェーデンの地方創生」の第五章を閲覧いただける。 第五章では、デンマークの地域政策について記述している。 5-1. デンマークの国土の概況 この章では、まずは国土の概況から説明する。最初に国土に

          デンマークとスウェーデンの地方創生:第五章・デンマークの地域政策

          デンマークとスウェーデンの地方創生:第四章・イェムトランド県

          概要イェムトランド県は「人口希薄地域」と呼ばれる都市から離れた中山間地域が多くを占める地域である。イェムトランドは1950年代以降、ストックホルムを中心とした南部の地域に人口が流出し、社会サービスの維持が難しくなった。そこで地域の市民が結成した協同組合を中心に、地域課題の解決を目指す取り組みが活発となり、「イェムトランドモデル」として国内外から注目を集める事例が創出された。 この記事では、「デンマークとスウェーデンの地方創生」の第四章を閲覧いただける。 第四章では、イェムト

          デンマークとスウェーデンの地方創生:第四章・イェムトランド県

          デンマークとスウェーデンの地方創生:第三章・マルメ

          概要マルメは人口約35万人のスウェーデン第三の都市であり、国の中では地方中枢都市である。マルメは1970年代以降に造船業の衰退・撤退によって高い失業率が続き、人口の1割以上が市外に流出する事態に陥った。そこで2000年代以降、使われなくなった港湾を環境や居住者のウェルビーイングを考慮した住宅街に再開発して富裕層を呼び込み、インフラ整備によってコペンハーゲンとの経済的な結びつきを強めたことで、ライフサイエンス産業の育成に成功し、雇用の改善と人口の回復・増加を果たした。 この記

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          デンマークとスウェーデンの地方創生:第三章・マルメ

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          デンマークとスウェーデンの地方創生:第二章・スウェーデンの地域政策

          概要戦後にかけて生じた北部と南部の地域間格差に対して、1960年代から80年代にかけて政府は工場の移転などを実施した。90年代以降は各地域が自立的な地域開発を進めて新産業の育成を目指す方向に政策が変化するようになった。このような各地域が自立的に開発を進められるように地方分権が進んだ。 この記事では、「デンマークとスウェーデンの地方創生」の第二章を閲覧いただける。 第二章では、スウェーデンの地域政策について記述している。 2-1. スウェーデンの国土の概況 まずはスウェーデ

          デンマークとスウェーデンの地方創生:第二章・スウェーデンの地域政策

          デンマークとスウェーデンの地方創生:第一章・概要と序論

          文責:宮下祐真 2023年6月14日 概要 デンマークとスウェーデンの地方創生は、市民が地域のあるべき姿を議論し、国家の支援を受けながら地域資源を生かした草の根の地域活性化を行っている点に特徴がある。両国の事例から日本の地方創生を考える際にも、多いに参考にすることができると考える。  そこで当レポートでは、スウェーデンとデンマークの地域政策と4地域に焦点を当てながら、両国における地方創生のあり方について調査を行った。まずはスウェーデンとデンマークの戦後からの地域政策の歴史に

          デンマークとスウェーデンの地方創生:第一章・概要と序論