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【エモいと思ったとこ】葬送のフリーレン2周目、第1話~第4話濃厚&濃密よ

原作未読のアニメ「葬送のフリーレン」の視聴2周目が終わりましたので、1周目以外で個人的にエモいと思ったところを綴ろうと思います。ネタバレがあるので未視聴の方はブラウザバックを推奨します。それでは、行きましょう。


1.アニメのフリーレンざっくり年表

アニメで起きたフリーレン関連の出来事をざっくりと年表にまとめました。千年余りを無理やり圧縮しているので時間の縮尺はムチャクチャです。

アニメのフリーレンのざっくり年表

2.エルフが異種族の人間を知ろうとしているからエモい

エルフはもともと増えすぎないように生殖本能を欠落させて、自然界とのバランスを取っていたのでしょうか。そんな中、魔王の指示によるエルフ狩りがあったからなのか分かりませんが、作中におけるエルフは同族と会うことが珍しくなるまでに減っています。フリーレンからすると、この世界で出会うのはほとんど異種族なので、自分と同じ感覚を共有する者がいないのなら一人の方が気楽でいいと考えるのが自然でしょう。こんな状態で千年近く過ごしてしまったら、時間感覚や関係を作ることの考え方、感情表現などが人間とズレて当然です。これが本作のエモさの源です。ヒンメルの死去を発端として、その感覚のズレに戸惑いながらも、エルフとして生まれて初めてそれを知ろうとする姿に思わず感情移入してしまうのです。

3.2周目で抽出したエモいところ

今回は第1話~第4話について綴ります。

3-1.第1話=作中で一番感動する冒頭

最終第28話で「涙の別れなんて僕たちには似合わない」と〆ておきながら、皮肉にも第1話のフリーレンが涙を流すシーンに戻ってきました。これは死別の悲しみではなくて、ヒンメルとの関係を作っておけばよかった後悔からくる涙だと2周目で分かります。初見ではうっかり前者でミスリードされてしまいました。

( 'ω' ).。oO( 人の心とかないんか?(人の心しかないんよなぁ……)

今思えば、作中一番の感動はこの冒頭だったのです。生前、ヒンメルはずっと自分のことを知ってもらおうとフリーレンの心にノックし続けていて、最後の最後にようやくそれが叶ったわけですから。土葬直後にフリーレンが鏡蓮華の指輪を眺めているシーンが挿入されていますが、2周目で初めてその意味が分かります。それが2人を強固に関係づけるモノだったからです。でも、フリーレンが人間を知ろうとする以前なら、その意味も価値も理解していないはずなので、約50年間無くさなかったのはある種奇跡ですね。

3-2.第2話=しくじり先生フリーレン

かつて、フリーレンは人間のことをすぐ死んでしまう存在としか見ていませんでした。おそらく、毎年大樹から枯れ落ちる一枚の木の葉くらいの感覚で人間のことを見ていたのだと思います。しかしこれも、ヒンメルの死去から変わりました。ハイターが死期を悟って、フリーレンにフェルンを連れて旅に出ることを促した際のことです。

ヒンメルのことで後悔した過去の経験から「(この7年間、フェルンはお前と一緒にいられる時間を削ってまでも修行していたんだから)死ぬまでになるべくたくさんの思い出を残してあげろ(さもないとフェルンに私と同じ後悔を味わわせることになるぞ!)」と、涙ながらにハイターを叱りつけました。フリーレンは関係を作った人間に対して責任を持つようになったと言いましょうか、本気で叱っているところがとても人間らしく見えましたね。フリーレンの変化を見届けたハイターは、もうフェルンを託しても大丈夫だと確信するとともに、とても安心したことでしょう。

3-3.第3話=フェルンが教えてくれた人間の感情

フリーレンがフェルンの誕生日イベントを催した時、今日じゃないと意味がないのに一向に帰ってこないフェルンに「遅い」と人間らしく時間を気にしている様子が見て取れます。その後、テーブルで「ごめん、私はフェルンのこと何も分からない」と言いました。実際のところ、フェルンはフリーレンが人間を知ろうとしていることを直接は言っていないはずです。けれども、その意図を汲んで自分のために時間を使って、悩んで、知ろうとしてくれる気持ちが人間はたまらなく嬉しいのだとストレートに伝えます。

これを受けて、フリーレンは(人間ってそういう風に捉えるんだ…… じゃあヒンメルもそう感じてくれるってことなのかな?)と、フェルンからの視線を切ってヴァルムの海を眺めている無言からその思考が伺えました。海はあの世の暗喩でもありますからね。

勇者パーティの冒険の痕跡を辿ることにしたのは、この誕生日イベントがきっかけになったのでしょう。クヴァール討伐の後、フェルンは村人の言葉を「ヒンメル様はフリーレン様を信じていたんだと思いますよ」とフリーレンに分かりやすく翻訳しました。フリーレンは(私はそうは思わなかったんだけど、私より人間のことが分かっているフェルンがいうなら多分それで間違いないんだろうね)と、嬉しさを隠さずに頭を撫でていましたね。

3-4.第4話=楽しみは一緒にいてこそ

新年祭の日の出について、フリーレンはただの日の出としか捉えていなかったので、勇者パーティの冒険では見にいきませんでした。フェルンを伴っての旅路では、その時のことを思い出して楽しめるかどうかを確認します。その結果、ただの景色だと思っていたものも一緒に行動して同じものを見る、同じ時間を共有するからこそ楽しむことができるのだと気がつきます。ここで第1話がフラッシュバックしてきます。エーラ流星を再び見るためにとっておきの場所を勇者パーティに案内してヒンメルが喜んでいたことから、フリーレンは一緒に楽しむことを感覚的に理解できたはずです。

そこから場面が変わりまして…… 約30年ぶりに再会したアイゼンは、人間の時間感覚を知って気遣うことができるようになったフリーレンの変わりようにびっくりしながら、こっそりフェルンに「いい師匠だ」と伝えます。大魔法使いフランメの手記発見から勇者パーティの冒険を辿る旅に出立する直前「そうだね、たった10年の冒険だよ」と呟くように言ったそのセリフからは(今となってはたった10年しか一緒に楽しむことができなかった、いつまでもしていたかった冒険だよ)っていう特別感と寂寥せきりょう感を含んだニュアンスが感じられました。これは第5話の王都凱旋の夜、「みんなとの冒険も私の人生の100分の1にも満たない」の声色とは全然違って聞こえます。

第1話~第4話は本作でも群を抜いて人間関係の濃いところが味わえるので、その上澄みを書こうとしただけでかなりの長さになってしまいました。本来は28話分を一気に書ききる予定だったんですけれど、これでは読むのに長くなりすぎるだろうと判断して小分けすることにしました。第5話以降の感想は、これとは別のnoteに順次アップロードする予定です。

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