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I don't know why...it's automatic
なんだか神話が生まれそうな不思議な台風。“秒速5センチメートル”でのろのろと「遠隔豪雨」を降らせて、“こんなとこにいるはずもないのに”って地域で被害が出る。急速に衰えて、ほとんど形をとどめないほどになってしまったけれど、まだギリギリ台風と呼べる勢力ではあるらしい。甚大な被害にならないことを願います。
✎︎✎✎ さて、前回のnoteのつづきです。
なんとなく「流される」と書いたけれど、どうも私が
深淵をのぞく時 〜「子どもを狙う盗撮・児童ポルノの闇」
雨の日は、いつも自転車で帰る駅からの道のりをバスに乗って帰ることにしていた。私が生まれた年にできたというショッピングセンターを少しブラブラして、薄暗く雨に曇った国道を流れるヘッドライトを眺めながらバスを待っていると、背後から制服のスカートが捲られてフラッシュが光った。驚いて振り返ると、カメラをぶら下げた男が「ごめんね、ごめんね」と謝りながら走り去っていく。突然のことで事態がつかめず、「えっ?」と思
もっとみるリアルよりリアリティ
随筆をエッセイに変えた男、伊丹十三の「エンターテインメントにおいてはリアルよりリアリティの方が上」という考え方にとても感銘を受けたと、いつだったかのNHKの番組で伊集院光が語っていた。ありのままでは作り物に見えてわざとらしいと、リアルから何かを足したり引いたりして、「正しい」リアリティを演出するのだと。
村上春樹のエッセイを読んでいて、なんとなくそんな伊丹十三のエピソードを思い出し、西洋の文化を
アリオリはべるいい女
「いい女は、男に草履では会いに来させない」とか言いながら、ツッカケを履いた左足を私に向かって差し出した彼の真意は、キミが男を取られるのはツッカケでいいやと思わせるような女だからだ、ということだったのだろう。まったく糠に釘であったが。
にんにく、鷹の爪、オリーブオイルで作るシンプルなソース、アーリオ・オーリオを彼に教わって以来、ペペロンチーノばかり作っていた。これが意外に奥が深く、いつも何かが足り
青じそドレッシングの夏
お昼の12時に隣の建屋にある社員食堂を目指していく。少し並んでトレーを取り、まずは白米か麦飯を選ぶルートか、麺類やカレーに向かうルートか。週のはじめのカレーはまだ煮詰まっていなくて物足りないので、60円の麦飯を主食に何品かおかずを選ぶことにしよう。
特に理由といえる理由もないのだが、いつもなんとなく麦飯を選んでいた。主菜に小鉢やサラダまで付けて食べていると、「いつもおかず一品多いよね」なんて言わ
エッグスン・コケッコーズ
いつもよりちょっといい卵があったので、卵かけごはんが食べたくなった。パックからひとつ手に取る。小ぶりでざらっとした濃い茶色の殻を割り、たしか栄養価は変わらないんだよな、と身も蓋もないことを思いつつ出汁醤油を回しかける。卵が短時間でふんわり泡立つのは、ごはんの熱で程よく加熱されるからだろうか。
何年か前までは、朝の明けきらない時間に一番鶏の鳴き声が聞こえていた。コケコッコーというオノマトペで表され