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相手本位の本質とは

「物事に気づくということは、比較から生じる」とこれまでも何度か触れてまいりました。

正しい状態を知る人が、正しくない状態の変化に気づくことができます。

環境の面だけでなく、思考の在り方に対しても、正しい考え方を持つことによって、正しくない思考の状態に気づくことが可能となります。

もっと言えば、本来であれば「こうありたい」という理想の在り方を持っておくことによって、その理想からかけ離れている今の状態を俯瞰して、見つめ返すことが可能となります。

そして、その俯瞰する目は「今のままではいけない」と自己否定をして成長するために、自分に対して用いることが一番大切ですが、相手に対して用いることも可能です。

考え方、言葉を変えれば「思考」や「価値観」については、正しい考え方とか誤った考え方という表現よりは、次元をもって言い表す方が適当と学びました。

・ 次元の高い思考・価値観は
「世のため・人のため」、つまり「相手本位」であり、

・ 反対に次元の低い思考・価値観は
「自分のため・自分勝手」、つまり「自分本位」であるということです。

日本語というのは難しいもので、「本意」という単語もあります。

相手本位と相手本意という単語の意味合いは違う、なんてことを述べている方もいらっしゃるようですが、私見としては、こんなのは単なる言葉遊びだと思っています。

そもそも、「本意」の意味は、本来の望みや本当の考えのこと。そうなると「相手本意」という単語の意味は「相手に対する自分の本心」。結局、相手でなくて自分ですよね。

ところが、「本位」の意味は、考えや判断、そして行動をするときの基本となるもの、基準になるもののこと。 そうなると「相手本位」とは、相手を基準として考えることであり、「自分本位」とは自分を基準として考えることであり、前述した思考・価値観の次元の定義とぴったりマッチします。

だから、相手本意とか自分本意なんて言葉は単なる間違いなのだと思っています。

話が逸れてしまいましたね。

ただ、相手を基準として考えるといったって、自分の気持ちでさえ曖昧な人もいらっしゃいますし、気持ちが乱れている時は分からなくなることさえある中で、ましてや他人がどう考えているかなんてことは分かりようがありません。

まずは相手に向き合う姿勢から始まるのだと思っています。

ひと言でいうと、「相手に関心を持つこと」。

相手を好きになること。好きな相手のことを考えることと同じです。

そうすると、思考の行き着く先としては、「好きな相手からもっと好かれたい」とか「好きな相手には嫌われたくない」という状態にどうやって持っていくか、ということではないでしょうか。

そういった際にでも、やはり相手の気持ちは正直分かりませんから、どこから行動のヒントを得るかというと、「自分がされて嬉しいこと」と「自分がされたら嫌なこと」という自分の中にある「正しい状態」との比較になります。

今から自分が相手にしようとしていることは、相手から自分にされたら嬉しいことなのか、それとも嫌なことなのか。

上記のような「相手に対する想像力の発揮」というのは、つまるところ「相手に向き合っている自分自身の姿勢と向き合うこと」にもつながっています。

相手と自分の気持ちを重ね合わせて思考し、なおかつ相手への想いを抱いて接することが、向き合う相手とのより良い関係性を築くための相手本位の本質なのだと考えています。

相手本位とは、「自分に接する者を、少しでも幸福にしようとする努力」とも言えます。

今日も読んでくださいまして、ありがとうございます。

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