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事業計画作成の考え方

毎年年末が近くなると、そろそろ来期の事業計画の作成の時期に入ります。

幹部だけで作成してもいいのですが、やはり各拠点には所長がおりますし、第三者が作成して後から押し付けられる目標よりも、自身が作成に参画して腹落ちしている内容を一緒に目指していただいた方がいいですから、練習を兼ねてそれぞれにも作成してもらう機会を設けています。

ところが、毎年同じことを指摘してはいるのですが、やはり年に一回しか機会のない取り組みですから、ほとんどの所長の記憶はリセットされてしまっています。

来期の年間計画を作成するにあたっては、

・ 昨年度1年間の実績の推移と、
・ 今期の直近までの実績の推移、それと併せて今期の残りの月の予測値
  を出してもらうことで今年度1年間の推移が分かります。

それら2年分の予測実績をもって、来期分の新たな一年間をどうしていくか計画を立てていただいています。

計画というのは、いわば「自らの意志」であり、未来に旗を立てることです。

目指す頂を定めることです。

ところが、忙しい所長たちは今の立ち位置、今ある現実から考え始めます。

それは、「今ある条件に思考が縛られる」ということでもあります。

スタッフが何名しかいないから。
車両は何台しかないから。

そして、出来ない要素が盛り沢山となり、目指す頂を定めるどころか、足元を見ながらトボトボと1年間歩いていくようになりますから、作成した計画を見てみると、直近の1年間とほぼ同じものが出来上がっているという状況です。

私は、これを「成り行き経営」と言う、と師匠に指摘し続けられてきました。

確かに過去の実績からは傾向は読み取れます。今年1年間は前年対比でこれくらいしか伸ばせなかったから、おそらくは次の期も同じくらいの割合でしか伸ばせないだろう。

ひとつの仮説としては成り立ちますが、傾向というのは今ある環境に何の変化も生じさせなかった場合に、そのまま成り行き的に辿り着く場所のことです。

先にも述べましたが、計画というのは「その人の思い描く未来へのイメージ」です。

とぼとぼ歩き続けた結果、辿り着いた場所が結果的に目的地だったというわけなのではなくて、まずは「どこに辿り着きたいか」という意志が先になります。

目指す場所が明確になることで、人間の脳は初めて、その目的達成のために必要な要素を探し始めようと活性化していきます。

そのために必要なスタッフはあと何名か。
そのために必要な車両はあと何台か。

現状がそうだから無理、というのではなく、今の状態から目指す場所を見定めることが出来ない自分のままでは無理、ということなのです。

リーダーの仕事は目指す場所を定めて、そこに皆を率いていくこと。

「環境は心のあらわれ」

同じように、営業所の環境は所長自身の心のあらわれです。

自分が任された環境をどうしたいか、その中でどうありたいか。

目指す場所を定めることで、そこまでの道筋が明確になり、その道を辿っていくために必要な用意をすることが可能となります。

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