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見えていない自分を見せてもらう

自分のことをきちんと認識していない人に限って、本来は社交辞令を含めて相手に言うようなセリフを自分に対して使用します。

「実際の年齢よりは若いねってよく言われます」

「〇〇という(かっこいい、可愛い、きれいな)芸能人に似ているってよく言われます」

それはあなたを実際に見ているこちらが判断しますよということになりますし、だいたいは「あー、まあ」としか返答できないような感じだったりします。

それから、これは仕方のないことですが就職面接などに際しては、職務経歴書にもいかに自分が優秀なマネージメントをしてきたかを書き連ねている人がいますが、不思議なのは何年それをやっていらしても特に昇格もされてもいないですし、その組織内での人間関係の問題で居心地が悪くなられて転職されているというのが実際だったりします。

他にも自分が思っている自分と、実際に相手から見えている自分は違うのだなと感じるような要素はいくつもあります。

例えばまずは声ですよね。

これは誰もが感じるところだと思いますが、録音された自分の声というのはとても違和感がありますよね。

特に自分の映像などを観た場合。

普段話して自分の口から自分の耳へと慣れ親しんで聞いている声よりも、全然親しみが持てない声が自分自身から発されている事実に対する違和感。

それから自分の見た目もそうです。

普段見る自分というのは鏡の中の自分ですから、実際とは反転した自分の姿なのですよね。

ところが周囲の人が見ている普段の自分というのは、今度は鏡の中の自分とは反対の姿です。

ですから、最近のようにリモートワークが活発になってきてzoomのようなオンラインミーティングのツールを使用する際には、実際の自分の画像を反転させて映しておかないと違和感が半端ないですよね。

何よりも私が自分の見た目に気づかされたのは、今から10年以上前になりますが、同僚の髪型を揶揄した時です。

相手は、立っている私の前に座ってかがんでいたのですが、その後頭部がかつて知ったる状態から更に後退しており、思わず「結構きていますねぇ」と言ってしまった際に、隣にいた上長からすかさず「何言ってるんだ、お前と全く変わらねえじゃねえか」と言われたことです。

その時は、全くもってそんなはずはないと本心から思っていましたので、「何言ってるんですか、私の方がまだありますよ」と結構ムキになって言葉を返していたのを覚えています。

自分の声や、姿かたちと同様に、自分の後頭部なんて普段あまり見ないのですよね。

で、冷静になって考えてみるというか、後ほど三面鏡などを使って眺めてみると、まあ指摘されたとおり大して変わらないわけです(-_-;)

まさに毛のない団栗どんぐりの背比べ。

そんなことがあってから、「ああ、自分は思っている以上に毛のない人間なのだな」と認識をあらためましたし、その後、自分が思っている以上に人から年上に見られるのだなということも認識しました。

前述した芸能人に例えていうと、少し卑下しつつ「高橋克実さんや小日向文世さんに似ていると言われます」と言うと、思っていた反応と違って「ああ、本当ですね」と肯定されることが多くなりました。

「いや、あの人たちはオレよりも10以上年上だぞ」という胸の内では否認や怒りの反発心が生じるものの、止めを刺されたのは、LINEなどのプライベートのコミュニケーションツールのアイコンにも自虐的に高橋克実さんや小日向文世さんの写真を借用しているのですが、最近ではそれを初めて見た人たちから「少し太ったよね」とか「良い笑顔だよね」とか言われて、もういいかと糸がプツンと切れました。

こうして抑うつの段階を経て、最近は「まあ、本当にそんなに変わらないように見えるのだろうな」という受容のステージに入ってしまいました。

髪も悲しみも、喪失の受容のプロセスというのは同じなようです(笑)

今のところ全然ためになる話となっておりませんので、最後に強引にまとめますと、声や姿形など、自分が認識している自分と周囲の人たちから見た自分に差があるように、自分が思っている自分の在り方と周囲の人たちとの認識には違いがあります。

だからこそ大切なのは、今の自分の状態を気づかせてくれる周囲の存在や、その意見です。

諫言や直言とまでは言わなくても、注意を受けたり、人から指摘をされたりして「それは良くないな」と素直に感じる要素がそこにあるのだとしたら、それを改善することが自身の成長や本来自分が思っている「在りたい自分の姿」への近道へとなるのだと思います。

今日も読んでくださいまして、ありがとうございます。

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