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鼻で笑うのやめよ?ーナナメの夕暮れ(若林正恭著)を読んで

鼻で笑うのやめよ?ーナナメの夕暮れ(若林正恭著)を読んで

2024年6月もあっという間に明日で最終営業日。皆さまお仕事お疲れ様です。私は3月頃から重荷に感じていた業務にそろそろ終わりが見えてきたため、少しホッとしてます。。

6月のど真ん中の休日、友人と別れた後、表参道のスタバで本を読み終え、その足で渋谷の大盛堂書店に向かう。書棚を眺めている内にエッセイが読みたい気分になり、オードリーの若林さんの本を手に取ってみました。

あらすじ

恥ずかしくてスタバ

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周辺の文脈も理解すると知識になるーなぜ働いていると本が読めなくなるのか(三宅香帆著)を読んで

周辺の文脈も理解すると知識になるーなぜ働いていると本が読めなくなるのか(三宅香帆著)を読んで

会社の近くにある書店で、新書一位になっていた本著。社会人になってから読書をするのに力がいるようになったと感じていたこの気持ちへの解を書いてくれていると思うと手に取らずにはいられなかった。

あらすじ

「大人になってから、読書を楽しめなくなった」「仕事に追われて、趣味が楽しめない」「疲れていると、スマホを見て時間をつぶしてしまう」…そのような悩みを抱えている人は少なくないのではないか。
「仕事と趣

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明るく、熱くなりたいなら、これー本日は、お日柄もよく(原田マハ著)を読んで

明るく、熱くなりたいなら、これー本日は、お日柄もよく(原田マハ著)を読んで

「タイトルからして幸せそう、いま、幸せな気分になりたい」という思いで本著を手に取った。結果、手に取ってよかった書籍。
最近、暗い小説を読むことが多かったので、読後、純粋に多幸感に溢れる感覚になれることが久しく思う。

あらすじ

大手製菓会社のOL二ノ宮こと葉が、想いを寄せていた幼なじみ今川厚志の結婚式に最悪な気分で出席している場面から物語が始まる。その結婚式で涙が溢れるほど感動する衝撃的なスピー

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活力をくれる宝石箱みたいな本ー町田そのこ著 夜空に泳ぐチョコレートグラミーを読んで

活力をくれる宝石箱みたいな本ー町田そのこ著 夜空に泳ぐチョコレートグラミーを読んで

2023年11月に宮崎へ出かけた際、延岡駅構内で町田そのこさんの書籍が目に入り購入した。後半に入るまで主人公になかなか光が見えず、読みながら何度か涙を流した。それでも関わる人々に温かさがあり、主人公も忘れられない過去を想い、その温かさを今度は別の人に与える様子を追っていたら、帰りの移動中に読み終えていた記憶がある。

物語の仕掛けや心情の表現が綺麗で、キラキラしたものを手で掬っている感覚になる、町

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福岡移住を決める決定打になるかもービル・パーキンス著 DIE WITH ZEROを読んで

福岡移住を決める決定打になるかもービル・パーキンス著 DIE WITH ZEROを読んで

"ゼロで死ぬ"ーこのキャッチーな言葉が気になったのと、尊敬している知人が以前おすすめされていた書籍であったため、手に取った。

まえがきでアリとキリギリスの寓話を挙げ、”アリはいつ遊ぶことができるのだろう?”と疑問を提示する。そして本著のテーマを示す。

その後、人生を豊かにするための9つのルールを提示してくれる。
(備忘として、最後にルールを箇条書きする。)

一度、自分が人生でしたいことを、見

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”多様性”を軽々しく使わないー朝井リョウ著 正欲を読んでー

”多様性”を軽々しく使わないー朝井リョウ著 正欲を読んでー

朝井リョウさんの正欲を読んだので、感じたことを残す。

この本を読むまでは自分の感じる欲が、皆平等に感じている欲だと信じていたし、それ以外に対して、表向き肯定的な姿勢を見せつつも腹の底では理解できず、距離を置くスタンスでいたと思う。

自分が本能として備わっていることを無自覚で正しいものとしていたけど、それは傲慢なんだと思わされるテーマだった。

この一文は読み始める前のほとんどの人に当てはまるの

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