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惨めな老後をおくらないために

今社会問題化している超高齢化社会について、
どれくらい理解できているでしょうか?

高齢者の貧困率も年々上昇しています。
明日は我が身と悲観的な考えを持っている人も
相当数いるのではないかと思われます。

年金や医療費が財源を圧迫し、毎月律儀に払っている年金も
将来貰えるかも分かりません。

そんな日本の未来に希望を見出せず、
極力消費を控え貯蓄にまわすのは当然の流れと言えます。

なんとなくこのままではマズイという意識はあるものの、
では老後の対策として何をどうすれば良いのか?

本書「下流老人」を読んで、改めて老後の危機感を
持つことができました

理想の高齢期というものは、今までの努力が報われて
家族や友人などに恵まれて残りの人生を趣味や旅行に費やし、
豊かで暖かく人生の集結に向かっていく……。

というのが一般的な理想の老後というものです。

しかし、現実には相当なギャップがあり国が定める
健康で文化的な最低限度の生活
を送ることが困難な高齢者が多いことに気付かされます。

「生活保護基準相当で暮らす高齢者およびその恐れがある高齢者」
を下流老人と定義し、この問題を放置すれば社会が持続可能では
なくなってしまう重大な「社会問題」としています。

以下、本書「下流老人」を読んで参考になった箇所を紹介します。

下流老人にないもの

著者が多くの相談を受ける中で見えてくるのは、
下流老人には次の3つが「ない」ということ。

・収入が著しく少ない
・十分な貯蓄がない
・頼れる人がいない

収入が著しく少ない

下流老人の特徴として世帯収入が著しく低く、
その収入では必要最低限の暮らしが営めない。

生活水準は生活保護レベルかそれに近い状況にあります。

十分な貯蓄がない

十分な貯蓄がない場合、健康的で文化的な暮らしを
維持することは困難です。

事故や病気、介護などの生活上でのトラブルに襲われた場合、
たちどころに生活が破城してしまいます。

頼れる人がいない

理想の高齢者像とは、息子や孫たちと同居していること、
日常的にコミュニケーションを取りながら支え合って
暮らしていけるというものです。

下流老人にはこのように気軽に会話ができたり、
相談できる人が身近にいないケースが多いです。
社会的にも孤立しています。

核家族化が進んで久しい今の時代では、
助けてくれる家族がいない、経済的に困難な場合も多いです。

支援してくれる人が近くにいなければ、
自炊や生活全般を自分で行わなければいけません。

また、相談できる人がいなければ振り込め詐欺などの
犯罪被害にも遭いやすくなりますね。

下流老人の何が問題なのか?

下流老人は「あらゆるセーフティネットを失った状態
であることを指します。

この問題は社会に対してどのような悪影響を生むのでしょうか?

親世代と子供世代が共倒れする

親が生活に困った場合、子供としてはできる限り
援助したいと考えるものです。

しかし、親の面倒を見たくても経済的な理由で
それができないという問題もあります。

経済的な依存が必要な高齢者を扶養するということは
一般的な家庭モデルからみても相当な負担が必要です。

現役世代の平均給与は微減傾向にあるだけではなく、
正社員に比べて年収が劣る非正規雇用の派遣社員が
年々増加しています。

このような状況において家族が親世代を扶養する
といったモデルは限界に達しています。

価値観の崩壊

高齢者のために現役世代が共倒れになる事態になれば、
高齢者が尊敬されない、年寄りなんか邪魔、お荷物としか
見られなくなる危険性も十分にありえます。

高齢者を自分たちの生活のために排除することに
何の疑いも持たない人もでてくるかもしれません。

価値観の崩壊は様々な教育制度やシステムに影響を与え、
「健康が一番」「長生きは素晴らしい」などの価値観が
崩れ去ってしまうかもしれませんね。

生活困窮者の現状

相談に来られた方々は、異口同音にこうつぶやく「自分がこんな状態になるなんて思いもしなかった」要するに、老後の貧困は想定外の事態だというのだ。だからこそ、対応や対策が後になってしまい、より困難な状況を生み出してしまうことになる。

つまり本人がどれだけ努力したつもりでも
下流に陥るには理由があるということ

多くの人々は「自分は大丈夫だろう」という
根拠のない自信を抱きます。

この意識と現実との乖離は相当に危険であり、
だからこそ他人事ではなく本気で取り組むべきです。

下流老人の問題は一過性のものではなく社会問題として
根底から対策を立てなければ手遅れになりますね。
(すでに手遅れ感がありますが…)

非正規は正規の3分の1しかもらえない!?

同じ「年収400万」でも、厚生年金をかけている場合と
国民年金だけの場合、受給額に歴然とした差が生まれます。

派遣社員と正社員で比較した場合、老後の年金は
年間約110万円の差が生まれるとのことです

65歳から20年生きるとしたら約2200万円、
30年なら約3300万円の差が生まれることになります。

同じ年収でも厚生年金に加入しているか否かで
老後の年金支給額に相当な違いがあることが分かります。

厚生年金に加入していない場合、現役時にそれなりに
対策をしておく必要があります。

平均年収を得ている正規雇用者でもリスクが高い現状ですが、
非正規(フリーランス含む)の下流化へのリスクが
いかに高いかは推して測るべきですね。

今の僕ら20〜30世代が年金をちゃんと貰えるかは
かなり怪しいところですが…。

放置される下流老人

 すべての人に下流老人のリスクがあるなかで、「自分は大丈夫だ」と思っていないだろうか。このようなわたしたちの意識が下流老人の問題を悪化させ、より先の見えない状態へと追い込んでいく。
下流老人の問題を改善するには、わたしたち自身の考えや価値観を変える必要がある。わたしたちの言動が、無意識に下流老人を社会の隅へと追いやっていることに自覚的でなければならない。

下流老人はこれからも増えることは明らかです。
何も対策が講じられていないのは問題です。

その背景には現役世代の「無自覚」の問題があり
現実を直視して対策を考えないと手遅れになる
ことは言うまでもありませんね。

自分でできる自己防衛策

①生活保護を正しく知っておく

実際に生活保護を受けたいけどどうすればいいのか?

生活保護利用を妨げるものとして「制度の無理解」があります。

しくみを正しく理解できている人は少なく
その他社会保障制度にいたっては存在自体知られていません。

本書では制度をよく理解するのが下流化を防ぐ第一歩であり
必須の知識だと説いています。

■生活保護手続きの流れ
生活保護を利用したい場合は、まず地域の社会福祉事務所の
生活保護担当に申請を行います。

実際に保護を受けるには次のような調査が行われ
生活保護として認定される必要があります。

  • 対象者の生活状況などを把握するための実施調査(家庭訪問など)

  • 預貯金、保険、不動産などの資産調査

  • 扶養義務者による扶養の可否の調査(親族からの仕送りなどの可否)

  • 社会保障給付(年金など)や就労収入などの調査

  • 就労の可能性の調査(労働の可否)

■保護費の支給額と内容
都内23区に住む単身の無収入高齢者の場合、個人差はあるが概ね支給額は「生活扶助費」が約8万円で、「住宅扶助費」が約5万円で、合計13万円程度となる。
ただ誰もが一律に最低生活費を満額もらえるわけではない。保護対象であっても就労収入や年金などの手当、親族からの援助がある場合、最低生活費からそれら収入の合計金額を引いた差額分が支給される。

実際に支給される保護費は年齢や世帯人数、
住んでいる地域によって異なるとのこと。

生活保護は世帯単位で行われるものであり、
世帯構成員が増えればそれだけ金額も増えます。

東京と沖縄では物価や家賃相場が違うため、
住んでいる地域によっても支給額は異なります。

また、生活保護による扶助にも様々な種類があります。
生活扶助や住宅扶助のほかに、必要な医療・介護サービスを
受けるための「医療扶助」や「介護扶助」もあります。

■保護の需給要件
生活保護を受けるためには月々の収入が
最低生活費を下回っている必要があります。

最低生活費については、各地方自治体のホームページに
掲載されている「生活保護基準額表」を参照。

「資産運用」については資産と預貯金のほか、
車や宝石、利用していない不動産、
貯蓄性の高い保険(積立型の保険)などを指します。

これらを所有している場合は原則保護を受ける前に
生活費にあてることが求められるとのことです。

ただし生活で利用している土地や家屋は手放す必要はありません。

「能力の活用」は「働くことができる状態かどうか」を指します。

そのため心身が健康で、十分働けるとみなされた場合は
保護を受けられません。

働く場所がなかったりその機会に恵まれなかったり
する場合は保護費として受給できます。

医療の問題

医療費の支払いが困難な場合は
「無料低額診療所」が利用できます。

無料低額診療所」は「生活困難者のために、
無料又は低額な料金で診療を行う事業」
に位置付けられた施設でお金がなかったり
健康保険証を保持していない場合も利用可能です。

各都道府県の無料低診療所を探し、ソーシャルワーカーに
相談して早い段階で受診することが自信のためであり、
医療機関や国の負担も軽くなります。

おわりに

これからの時代下流老人の増加は疑いようがありません。
保護制度や仕組みを正しく理解、利用する知識を持っていれば
下流化という惨めな老後を過ごすことは防ぐことができそうです。

自分で老後に備えて対策をとっておくのが一番ですが
セーフティネットをうまく活用する術を身に付けたいところです。


最後までお読み頂き、ありがとうございました!

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