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ぴんじろう。
2023年1月14日 16:27
俺の再就職活動における最大の功労者は、妻だ。と言っても、当時はまだ彼女だった。彼女とは、再就職を始める少し前から付き合いはじめていたが、その頃から、転職の意思は伝えていた。再就職活動が四ヶ月かかった理由には、そんな彼女の存在も影響していたと思う。彼女のサポートは、ほぼ、彼女にとっての自分事になっていた。提出資料作りから、就職情報誌の購入に加え、面接対策ま
2023年1月9日 22:33
四ヶ月もかかったのか、四ヶ月で済んだのか…。兎にも角にも、再就職活動にその時間を費やした。視点を少し変えれば、長い社会人人生においては1、2年程休んでもバチは当たらないだろうし、もう少し広い視野で社会を見渡す事もできたかも…と、思うとやや残念に思う。だが、そもそもが「休むため」ではなく、「這い上がるため」の時間なのだから、そんな発想は浮かぶ訳がなかったし、そんな悠長な
2022年12月27日 19:51
同じ船に乗る。同じ方角に向いて、同じ目的地を目指す。それが出来なくなっら、船を降りるしかない…。5年間勤めた会社を辞めた。先の事を決めるよりも、先に辞めることを選んだ。想像以上にあっさりとした幕切だった。そっと肩を叩く人。激励する人。涙ぐむ人。それぞれいろんなパターンで見送ってくれた。でも、引き留める人はいなかった。「出世する迄顔出すな」上司は
2022年12月9日 01:46
こうありたいと思う自分でいたいから、そうあるべきだと思う自分を演じる。多分きっとあいつなら、多分きっとそうするはず。いつだって俺は、こうありたいと思う、あいつになっている。なろうとする。なりすます。あいつは、理想 あいつは、幻想 あいつは、虚栄どれも、本物じゃない。本当は、臆病本当は、適当本当は、能天気なのに、何故か、あいつになりたがる。そ
2022年11月30日 21:43
昭和11年11月15日、俺の親父は、この世に生まれた。幼い頃に両親をなくし、兄弟丸ごと、親戚に引き取られた。中学卒業後に上京。丁稚奉公から始まり、自分で靴屋を始めた。…が、鳴かず飛ばず。母との結婚を機に、店をたたみ、靴工場の職人として会社勤めになる。…が、給料は安い。風呂なしアパート、六畳ひと間で暮らす日々。朝、一杯のインスタントコーヒーで目を覚ます
2022年11月24日 02:11
「日東駒専」個人の実力以前に、入り口からランク分けされる学生にとって、氷河期の就活がどれだけ苦戦するか、想像に難くない。無論、大学受験の比ではなかった。面接や採用枠はもちろん、書類選考で篩にかけられる。そう、試験すら受けれないのだ。それでも、世間知らずの前向きさで、どうにかこうにか内定をもらった会社は、同族経営の中小企業。上司は、社長の息子。一期一会をい
2022年11月20日 18:29
1勝6敗…団塊Jr.が蔓延る受験戦争。俺は、一年浪人の末に、なんとか1つ合格通知を手にれた。工場の職人の末っ子で、風呂なしアパートで育った。そんな家庭に金なんてない。奨学金で進学した俺は、4年間バイト三昧の日々。大学へはほとんど行かず、代返とコピーで単位を取る。ギリギリの成績で卒業するといった有様だったが、学業以外の勉強は充実した。バイト先は、食べ放題の焼
2022年11月18日 10:01
「あなたが一番輝いていたのはいつですか?」もし、そう聞かれたら、俺は「いつ」と、答えるだろうか?7歳上の姉と、3歳上の兄に続いて、工場で働く職人の末っ子として生まれた。風呂なしアパートの狭い部屋で家族五人暮らし。親子で銭湯に通ひ、兄弟三人、並んで眠る。一人の時間なんてない。姉の会話の中で、兄のペースに併せて暮らす。いつも身の丈にあってない。気がつけば
2022年11月14日 19:17
もう半世紀を越えた。立ち止まりを余儀なくされて、6年が過ぎた。ひと昔前なら、あと10年頑張れば悠々自適な日々が待っているのだろうけど、そんな時代遅れな生き方が通用する時代じゃない。何故なのか?何故、踏み外したのか?かつて「蔑んだ側」に、今、俺は立ち止まっている。かつて「そっち側」と読んでいた場所に、俺はいる。何故、俺は立ち止まってしまったのか?いや、知っている。実