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【散文詩小説】時代遅れの寵児⑥相克

こうありたいと思う
自分でいたいから、
そうあるべきだと思う
自分を演じる。

多分きっとあいつなら、
多分きっとそうするはず。

いつだって俺は、
こうありたいと思う、
あいつになっている。

なろうとする。

なりすます。

あいつは、理想 
あいつは、幻想 
あいつは、虚栄

どれも、本物じゃない。

本当は、臆病
本当は、適当
本当は、能天気

なのに、何故か、
あいつになりたがる。


そりゃ、疲れるよ。
そりゃ、苦しいよ。
そりゃ、息切れるよ。

ずっと、その繰り返し。

いつまで、続けるんだ。
そろそろ、素直になりなよ。
いい加減、本音で生きろよ。

そう思うようになるまで、
俺は、かなりの時間を
費やしてしまったけど、
まだ、間に合うかな?

まだ、諦められないんだよ。
だから、間に合わせるよ。
納得行くところまで、
足掻いてみるよ。

先ずは、今一度、
振り返ってみようよ。

足りないものを
補ってみようよ。

(つづく)











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