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映画感想ブログ「とまどいと偏見」

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2018年に劇場で観た映画の感想です。
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#邦画

【PODCAST】映画雑談 その65前編 「今どきの女の子は…なんて雑なカテゴライズは許さない!殺す!『グリーンバレット』」

【PODCAST】映画雑談 その65前編 「今どきの女の子は…なんて雑なカテゴライズは許さない!殺す!『グリーンバレット』」

『映画雑談』です。今回取り上げるのは、『ベイビー・わるきゅーれ』、『ある用務員』などの阪元祐悟監督の最新作『最強殺し屋伝説国岡』のスピンオフ作品『グリーン・バレット』です。今、日本で生きる若者のリアルな心情を描かせたら最強なんじゃないかという坂元監督が6人のミスマガ受賞者の女の子を殺し屋に仕立て上げるモキュメンタリーです。相変わらず裏切らない面白さです。まずは前編。

※『映画/雑談』では今年も皆

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ハード・コア

ハード・コア

社会の底辺ではみ出しながら生きる人達をずっと描いて来た狩撫麻礼さんの原作を、そこで生きる人達の哀しさとかかわいさとかバカさ加減を絵一発で(キャッチーに)見せる事が出来る漫画家いましろたかしさんが描いた「ハード・コア」。僕は2000年に上下巻でエンターブレインから出た版を買って読んだんですが、両先生の漫画をそれまでいくつか読んでいた印象から比べると、その軽さというかゆるさに魅力を感じてたんじゃないか

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「来る」

「来る」

ホラー映画に対しての"怖い"か"怖くない"か論。この映画も「ホラーなのに怖くない。」という声が多いんですが、そういえば、そもそも、僕がホラー映画を観る条件に"怖い"かどうかはあんまり関係なかったなということに気付きました。「告白」、「渇き」の中島哲也監督による(正しく)ホラー映画「来る」の感想です。

個人的にホラーは大好きで数もそれなりに観てるんですが、好きだと思うホラー映画の要素の中に必ずしも

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斬、

斬、

2016年の「シン・ゴジラ」、去年の「沈黙-サイレンス-」と役者として観ていた(更に今年は朝ドラにも出てましたね。)のであんまり久しぶりな感じがしてなかったんですが、監督作としては2015年の「野火」以来ということで。「野火」のメッセージ性を踏まえながらも、「野火」以前の塚本節も感じさせる小品といった感じの塚本晋也監督初の時代劇「斬、」の感想です。

えー、塚本映画の特徴として、"人が人じゃなくな

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きみの鳥はうたえる

きみの鳥はうたえる

ビートルズの"and your bird can sing"の和訳がタイトルになっている「きみの鳥はうたえる」、原作の佐藤奏志さんは既に1990年に亡くなっているんですが(自殺とのこと。)、ここのところ立て続けに映画化されていて、28年も前に亡くなっている作家の作品が「なぜ、今?」と思っていたんですけど、「そこのみて光輝く」、「オーバー・フェンス」、そして、今回の「きみの鳥はうたえる」の3本を観て

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カメラを止めるな!

カメラを止めるな!

2018年の日本映画の中で、今のところ最も話題になっているゾンビ系青春コメディ映画(いや、こう言っちゃうと、それはそれでまた違うな。)「カメラを止めるな!」の感想です。

ということで、もう映画体験としては、正に今、この話題になってる真っ最中に観るのがベストだとは思うんですが、その話題になり方がですね、ちょっと僕が知ってる中でもありえない様な拡がり方をしていまして。まず、映画の規模とバズり方の熱狂

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万引き家族

万引き家族

カンヌ、パルムドールを受賞した「万引き家族」です。様々な社会問題(貧困やそれに伴う格差であったり、そういう人たちがどうやって暮らしていけばいいのかっていうことなど)を扱っているということや、それに対する倫理的な考え方の議論などいろいろありますが、あの、まずは映画として単純にもの凄く面白かったんですよね。ありえない設定に説得力を持たせる演出、自然ともちょっと違う演技の凄み、子供たちの普通っぽさ、時間

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枝葉のこと

枝葉のこと

オープニング、朴訥とした男が立っていて、何かを見ている。(いきなりの顔のアップでその男が置かれている状況が分からない。)唐突に歩き出して(その歩き方が確固たる目的を持ってる様にも、考えなしにも見えるので行方が気になっていると、)道の反対側で何か落し物をした人がいて、それを拾って渡してあげる。落し物をした人がお礼を言っているが、男は特に何の反応もせずに(同じ様に無感情に見える歩き方で)戻って来て、そ

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