恵那川上屋

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恵那川上屋公式アカウントです。代表取締役/鎌田真悟の執筆マガジンや、お菓子の情報などを中心に発信しています。

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  • 鎌田真悟の栗人(くりうど)ジャーナル

    ㈱恵那川上屋 代表取締役 鎌田真悟が、お菓子、農業、ふるさとについて綴るマガジンです。

記事一覧

仕事をするために大切なモチベーションと私が考える『働く』ということ

みなさんは仕事で『ワクワク、ドキドキ』を感じていますか? 今回は私が考える【働くとは?】をテーマにお話させていただきたいと思います。 振り返ってみると社会人デビ…

まだ産物になりきれていない郷土の文化は各地にたくさんあります

『朴葉寿司』をご存知ですか? 酢飯の上に色々な具材をのせ、朴葉という大きな葉でくるんだお寿司で、岐阜や長野、奈良などで見かける朴葉の香りが爽やかに香る、美味しい…

恵那川上屋
1か月前
3

私が思う『食』とは?

みなさんは「食べること」はお好きですか? 私は好きです。   もちろん一流の素材、一流のシェフが創る味も素晴らしいと感動を覚えますし、幸福感を覚える新鮮な食との…

恵那川上屋
2か月前
3

生産者の新たな販売方法の模索と、共に目指す地域の活性化

今までは処分していた栗の鬼皮の成分調査を依頼したところ、ポリフェノールを始め有用な成分が含まれていることがわかりました。 これを粉化し、さらには材料化することで…

恵那川上屋
3か月前
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「産地間競争」から「産地間共創」へのシフト

「地域の農業と食文化を発展させるために感性を磨く」というテーマを掲げ、私達は学び、行動してきました。 各地域でも同様の取り組みは進み、市場内の競争から地域間競争…

恵那川上屋
4か月前
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地域イノベーションと地域観光について思うこと

新型コロナで受けたインバウンドへの打撃は、全国的にはまだ回復途上かと思いますが、地域によっては既にコロナ前を上回る賑わいを見せる地域もあると耳にしました。 本日…

恵那川上屋
5か月前
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60周年。地域のお客様に支えられてここまで来ることができました

2024年、恵那川上屋は60周年を迎えました。 栗を栽培を行い、栗のお菓子に集中してこれまで製造してきました。 60年を一つの節目として、3年前から、未来の名物を作っ…

恵那川上屋
6か月前
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規格外品は美味しいもので溢れています

恵那川上屋でご紹介している「栗の渋皮煮」に使用している品種には強くこだわりがあります。 その品種が利平です。 多くの利平栗の中から3L以上の大粒栗を選び、渋皮煮…

恵那川上屋
7か月前
3

日本の産地には世界に負けない食材で溢れている

30年程前。 モンブランというケーキを作る際、フランスで学んだ職人はフランス産を使い、国内では甘露煮をつぶして作る黄色い色見のモンブランが当たり前でした。 栗き…

恵那川上屋
8か月前
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あらゆる角度から見つめ、見いだしていく新たな可能性と価値

栗の収穫が落ち着き、生産者は来年に向けて早くも動き出しました。 畑に感謝を込めてお礼肥をした後、栗の木の剪定が始まります。 10ヘクタールほどの団地で一人黙々と…

恵那川上屋
9か月前

サブレ、クッキーの『葉の形』に込めた思い

恵那川上屋は創業から今に至るまで、たくさんの出会いを経験してまいりました。 人はもちろん、素晴らしい素材との出会い。 そして、そこから様々な品が生まれ育っていき…

恵那川上屋
10か月前

「よそ者、若者、馬鹿者」が島でチャレンジして気づいたこと

「よそ者、若者、馬鹿者」という言葉を聞いたことがあると思います。 地域活性化の成功法則として言われてきた言葉です。 この三つを備えたものが地域に訪れ、改革するイ…

恵那川上屋
11か月前
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その土地に文化が根付くことで開く花

「山ノ栞」というサブレを30年近く製造、販売してきました。 少々、もろく割れやすい生地ですが(笑)、私の自信作です。 昨年春に東海環状線の御嵩可児インター近くにある…

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地域の生産者と共に未来を創造していきたいという願い

サトウキビから黒糖へ。 黒糖、安納芋からスイーツへ。 毎年繰り返し、気づけば20年が経ちました。 種子島の西方にある馬毛島には自衛隊の施設配置案が上がり、その関係…

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「あなたはあなたらしく」というメッセージを込めて名付けたお菓子への想い

【桜梅桃李】という言葉があります。 桜は桜らしく、梅は梅らしく、桃は桃らしく、李は李らしく。 それぞれ個性の違う、美しい花を咲かせる様子を謳った言葉ですね。 転…

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恵那川上屋のミッションと、この考えに至った「気づき」

今回は恵那川上屋のミッションと、この考えに至った「気づき」についてお話いたします。 23歳になった私は、色々な個性を持つ方々と働きたいと感じ、表参道の「カフェドロ…

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仕事をするために大切なモチベーションと私が考える『働く』ということ

仕事をするために大切なモチベーションと私が考える『働く』ということ

みなさんは仕事で『ワクワク、ドキドキ』を感じていますか?

今回は私が考える【働くとは?】をテーマにお話させていただきたいと思います。

振り返ってみると社会人デビューした頃から、毎日ワクワク、ドキドキを感じて仕事をしていました。

「こうしたら作業が早くなるのではないか?」

「こうしたら相手に喜んでもらえるのではないか?」

「この仕事を自分ができるようになる為にはどうすれば効率が良いか?」

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まだ産物になりきれていない郷土の文化は各地にたくさんあります

まだ産物になりきれていない郷土の文化は各地にたくさんあります

『朴葉寿司』をご存知ですか?

酢飯の上に色々な具材をのせ、朴葉という大きな葉でくるんだお寿司で、岐阜や長野、奈良などで見かける朴葉の香りが爽やかに香る、美味しい郷土料理です。

美味しい上に朴葉には殺菌作用があると言われ、作り置きができる上、食器を汚さず食べれることもあって、田植えなどの忙しい時期、とても重宝する食事でした。

ただ、私が子供のころ、田植えの時期に叔父の家に行くと大量の朴葉寿司が

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私が思う『食』とは?

私が思う『食』とは?

みなさんは「食べること」はお好きですか?

私は好きです。

 
もちろん一流の素材、一流のシェフが創る味も素晴らしいと感動を覚えますし、幸福感を覚える新鮮な食との出会いは今でもあります。

ただ、どちらかと言えば身構えて食事をするお店よりも人情味の感じられる、肩肘張らずに食事ができるお店が好みだったりします。

多種多様なジャンル、国、食材、調理法で食を楽しんできた経験から、今もし、若い人に「食

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生産者の新たな販売方法の模索と、共に目指す地域の活性化

生産者の新たな販売方法の模索と、共に目指す地域の活性化

今までは処分していた栗の鬼皮の成分調査を依頼したところ、ポリフェノールを始め有用な成分が含まれていることがわかりました。

これを粉化し、さらには材料化することで、栗の風味をより高める為に使用したり、健康志向需要のニーズにお応えするお菓子を創り上げたりなど、今後、より有用に活用が進みそうです。

粉化は新たなブランドである「おかしな大地(恵那山ファーム)」にて、乾燥、焙煎、適温調理、真空濃縮、気

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「産地間競争」から「産地間共創」へのシフト

「産地間競争」から「産地間共創」へのシフト

「地域の農業と食文化を発展させるために感性を磨く」というテーマを掲げ、私達は学び、行動してきました。

各地域でも同様の取り組みは進み、市場内の競争から地域間競争が生まれていきました。


地域の取り組みを広げ、より良い物を目指し、切磋琢磨することは大切だと思いますが、結果、どうなってきているか考えると、高齢化の回避ができず、人口減少の脅威に対しては身動きが取れていない状況に近いのではないかと感

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地域イノベーションと地域観光について思うこと

地域イノベーションと地域観光について思うこと

新型コロナで受けたインバウンドへの打撃は、全国的にはまだ回復途上かと思いますが、地域によっては既にコロナ前を上回る賑わいを見せる地域もあると耳にしました。

本日は地域イノベーションと地域観光について、私なりの思いをお話できたらと思います。

1930年、岐阜県可児市で美濃桃山陶の一種である「志野」の陶片が発見されました。

その後、陶片を発見した荒川豊蔵氏が美濃桃山陶復興に尽力されたことで文化

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60周年。地域のお客様に支えられてここまで来ることができました

60周年。地域のお客様に支えられてここまで来ることができました

2024年、恵那川上屋は60周年を迎えました。

栗を栽培を行い、栗のお菓子に集中してこれまで製造してきました。


60年を一つの節目として、3年前から、未来の名物を作っていくというテーマで試行錯誤してきました。


1つが新サブレ工場(旅する山の栞)の立ち上げ、2つ目がおかしな大地(甘い野菜をテーマにして加工)というブランドの立ち上げです。


その他にも多くの事業を立ち上げて、「これか

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規格外品は美味しいもので溢れています

規格外品は美味しいもので溢れています

恵那川上屋でご紹介している「栗の渋皮煮」に使用している品種には強くこだわりがあります。

その品種が利平です。

多くの利平栗の中から3L以上の大粒栗を選び、渋皮煮を製造します。

なぜ利平という品種にこだわるかと言うと、超特選栗部会の女性陣にお願いして、全品種(10種ほど)の栗を同じ製法、同じ配合で渋皮煮を作っていただき試食会を行いました。


その中で圧倒的に一番美味しかったのが利平でした。

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日本の産地には世界に負けない食材で溢れている

日本の産地には世界に負けない食材で溢れている

30年程前。

モンブランというケーキを作る際、フランスで学んだ職人はフランス産を使い、国内では甘露煮をつぶして作る黄色い色見のモンブランが当たり前でした。

栗きんとんは栗と砂糖だけで炊き上げて製造します。

これを使ってモンブランができないかと模索していました。

「和栗モンブラン」をストレートに出していくには自信がなく、フランス産ペーストと和栗を合わせて「栗山」というモンブランを出しまし

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あらゆる角度から見つめ、見いだしていく新たな可能性と価値

あらゆる角度から見つめ、見いだしていく新たな可能性と価値

栗の収穫が落ち着き、生産者は来年に向けて早くも動き出しました。

畑に感謝を込めてお礼肥をした後、栗の木の剪定が始まります。

10ヘクタールほどの団地で一人黙々と剪定をしていると「無音」の時間を経験できます。

静まり返った畑の中で鳥の声や、風の音を感じ取り、「無心」になって創造しながら、作業をしています。

時折現れる生産者仲間が、

「おい、どうや、今年は早く終われそうか」

などと話しか

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サブレ、クッキーの『葉の形』に込めた思い

サブレ、クッキーの『葉の形』に込めた思い

恵那川上屋は創業から今に至るまで、たくさんの出会いを経験してまいりました。

人はもちろん、素晴らしい素材との出会い。
そして、そこから様々な品が生まれ育っていきました。

「おかしな大地」も出会いの中から生まれたブランドであり、急成長しています。

今、注目しているのが「ご当地サブレ」です。

「旅する山の栞」工場を立ち上げ、プレスして焼く設備を導入し、「ジャムジャーニー」の製造も始まりました

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「よそ者、若者、馬鹿者」が島でチャレンジして気づいたこと

「よそ者、若者、馬鹿者」が島でチャレンジして気づいたこと

「よそ者、若者、馬鹿者」という言葉を聞いたことがあると思います。
地域活性化の成功法則として言われてきた言葉です。

この三つを備えたものが地域に訪れ、改革するイメージで、ふるさと応援隊みたいな人が各地にいます。

私の経験でお話ししますと、三つ備えた精鋭でも、なかなかうまくいかなくて諦めて帰っていくケースもよく見てきました。

種子島に渡ったとき、「誰もあなたを受け入れないでしょう」と何人にも

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その土地に文化が根付くことで開く花

その土地に文化が根付くことで開く花

「山ノ栞」というサブレを30年近く製造、販売してきました。
少々、もろく割れやすい生地ですが(笑)、私の自信作です。

昨年春に東海環状線の御嵩可児インター近くにある恵那川上屋咲久舎店の裏に、サブレのライン工場を建設し、稼働が始まりました。

このサブレ(山ノ栞)は製造工程で割れることは稀なのですが、店に搬入する度に数枚割れてしまいます。

悩みに悩んだ挙句、味を優先するために配合は変えず、今も

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地域の生産者と共に未来を創造していきたいという願い

地域の生産者と共に未来を創造していきたいという願い

サトウキビから黒糖へ。
黒糖、安納芋からスイーツへ。

毎年繰り返し、気づけば20年が経ちました。

種子島の西方にある馬毛島には自衛隊の施設配置案が上がり、その関係者の宿泊や整備などでたくさんの人が訪れ、今、島は賑わいを見せています。

コロナで不安だった島の状況を見てきた中ですので、賑わいを見せることに喜ばしく感じる点もありますが、様々な問題も関わる事柄ですので、手放しで喜ぶことはできません。

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「あなたはあなたらしく」というメッセージを込めて名付けたお菓子への想い

「あなたはあなたらしく」というメッセージを込めて名付けたお菓子への想い

【桜梅桃李】という言葉があります。

桜は桜らしく、梅は梅らしく、桃は桃らしく、李は李らしく。

それぞれ個性の違う、美しい花を咲かせる様子を謳った言葉ですね。

転じて言うのであれば「あなたはあなたらしく」。

「そのままでいい」ではなく、『そのままがいい』。

そのような意味合いだと感じております。

おかしな大地と恵那川上屋を連携させた、個性を持ったお店を作りたいという思いで、名古屋の覚王山

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恵那川上屋のミッションと、この考えに至った「気づき」

恵那川上屋のミッションと、この考えに至った「気づき」

今回は恵那川上屋のミッションと、この考えに至った「気づき」についてお話いたします。

23歳になった私は、色々な個性を持つ方々と働きたいと感じ、表参道の「カフェドロペ」に就職しました。

当時注目を集めていたカフェで働く方々は私の想像通り、豊かな個性を持っている方々であったと共に、「役者の卵」、「花開かないドラマー」など、私の想像以上に多くの夢と輝きを持つ人たちが集まっていました。

そんな人々に

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