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東京郊外で、老障介護真っ最中。私、75歳。長女51歳。知的障害、自閉スペクトラム症。て…

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東京郊外で、老障介護真っ最中。私、75歳。長女51歳。知的障害、自閉スペクトラム症。てんかん。躁病。生活介護通所施設利用中。母は長女が通所している間に、映画や海外ドラマを見たり、編み物や刺繍をして、自分を保って暮らしています。

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    知的障害、てんかん、双極性障害、自閉スペクトラム症の長女を育てながら、大学院で学び、障害者福祉課での各種委員をしながら、行政への働きかけをしています。

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    今まで沢山の本を読んできました。忘れられない本はお友達のような存在です。

記事一覧

最高の誉め言葉をほかろんから

「おかあさんと、おかいものにいくと、たのしいんだもん。」 まんまるな顔のほかろんが、ニコニコしながら言いました。 昨日の夜です。 その時は、 「ふうん、そうなの。」…

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6日前
127

夏休みというプレゼント

障害のある長女ほかろんが、水泳カウンセリングの先生のおうちの、のんびりお泊り会に行ってもはや4日目。 今日帰ってくるのでお迎えに行きます。 毎年、5月の連休と、…

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12日前
133

夏休みといえば天然コケッコー

私は今夏休み中。 障害のある長女ほかろんが、障害のある人を対象とした水泳カウンセリングの、のんびりお泊り会に行っているので、おひとり様満喫中。 夏休みというと、…

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13日前
87

今日は一日外へ出ない日

昨日から、知的障害、躁病の長女ほかろんが、水泳カウンセリングの先生のおうちに、夏合宿、のんびりお泊り会に行っている。 のんびりお泊り会のスケジュール表を見ると、…

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2週間前
122

「あの、ジョー・ペシ」

ある時は凄みのきいたイタリアンマフィア。 ある時は、子どもにやっつけられてしまう泥棒さん。 沢山の映画で、いろいろな役を演じて、主役を盛り立てる役者さん。 それが…

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2週間前
59

こころはればれ おかねはない

知的障害の長女が通所に出かけたあと、ベランダに洗濯物を干す。 今日も、悔しいくらい晴れている。 私の心は、空よりも、もっともっと、はればれとしている。 ああ、気持…

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2週間前
138

弱さは力。弱い人は人の力を引き出す。

もうすぐ、私の76歳の誕生日だ。 歳を重ねてよかったことの一つに、弱くなったことがある。 気力も弱くなったし、体力も弱くなった。 強くないので、弱音もはけるし、仕…

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3週間前
165

川の向こうの人びとの夢を見る

歳を重ねるということは、とても素敵なことだ。 なぜなら、若いころの傲慢さは、少しずつ薄くなっていくし、自分の器がどれくらいなものなのかもわかってくる。 そして、も…

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3週間前
136

ほかろん七夕の願いが叶う

長女ほかろんが通う生活介護では、季節の行事を行っています。 7月といえば、七夕。 七夕といえば、短冊に書いた願い事。 ほかろんに聞きました。 「短冊には、なんて書い…

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3週間前
113

ほかろんの夏休み 酷暑ぎらぎら

はっぴいえんどの「日傘クルクル 僕は退屈」なんて、のんきな「夏なんです」の歌なんて歌っていられないほどの、暑い夏です。 生きているのがやっとです。 若くて元気な人…

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3週間前
122

川を渡って向こうの岸へ

私の長女は、知的障害、てんかん、躁病である。 長女が生まれるまえには、意識しなかったことがたくさんある。 そのひとつが、支援者側と、当事者側との間にカウンターのよ…

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1か月前
101

つぶさないようにもってかえってきたの

暑い日が続いていますが、知的障害のあるほかろんは、毎日生活介護の通所に通っています。 先日、息を切らせて、帰ってきたほかろん。 「おかあさんにみせたいものがあるの…

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1か月前
96

障害者が配慮をしてあげているのです

合理的配慮という言葉に、なんだか、嘘くささを感じてきました。 私が上水流涼子だったら、 「合理的にありえない。貴山、なんとかしてよ。」と叫んでいるでしょう。 その…

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1か月前
133

聴覚障害のボーイズグループ

今年デビューした韓国のボーイズグループ「Big Ocean」のメンバーは、全員聴覚障害があります。 You Tubeや、Tik Tokで、完璧なダンスをし、歌っている彼らの姿を見ること…

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1か月前
103

祝出場 青鳥特別支援学校

今年の夏も暑い。 こんな暑い中に、高校野球の試合をやるのは、いかがなものかと思うけど、 今年の夏は特に熱いのだ。 なぜなら、都立青鳥特別支援学校が、単独で出場する…

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1か月前
122

ほかろん都知事選で混乱する

知的障害のある長女ほかろんは、きちんと選挙に行きます。 市議会議員とか、都議会議員などの選挙だと、知っている人が立候補していたりするので、張り切って投票していま…

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1か月前
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最高の誉め言葉をほかろんから

最高の誉め言葉をほかろんから

「おかあさんと、おかいものにいくと、たのしいんだもん。」
まんまるな顔のほかろんが、ニコニコしながら言いました。
昨日の夜です。
その時は、
「ふうん、そうなの。」と軽く受け流していたのですが、一晩眠って起きた今日の朝、
「もしかして、これは最高の誉め言葉なのではないだろうか。」と思いました。

長女ほかろんは、知的障害で、躁病もあり、毎日生活介護の通所に通っています。てんかんの方は、今は薬でコン

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夏休みというプレゼント

夏休みというプレゼント

障害のある長女ほかろんが、水泳カウンセリングの先生のおうちの、のんびりお泊り会に行ってもはや4日目。
今日帰ってくるのでお迎えに行きます。

毎年、5月の連休と、8月のお盆休みに開催される、お泊り合宿。
自閉症や知的障害などの人たちを、先生ご夫妻が、もりだくさんのプログラムで楽しく過ごさせてくれます。

そして、今日は、私の76歳の誕生日です。
だいたい、毎年、私の誕生日のころに、夏合宿が開かれる

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夏休みといえば天然コケッコー

夏休みといえば天然コケッコー

私は今夏休み中。
障害のある長女ほかろんが、障害のある人を対象とした水泳カウンセリングの、のんびりお泊り会に行っているので、おひとり様満喫中。

夏休みというと、思い出すのは、「天然コケッコー」。
くらもちふさこのマンガもいいが、実写化された映画もまたいい。

小中校合わせて、たった6人しか生徒のいない、田舎の学校に東京から転校生がやってきた。
夏帆演じるそよにとって、初めての同級生だ。
そよは、

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今日は一日外へ出ない日

今日は一日外へ出ない日

昨日から、知的障害、躁病の長女ほかろんが、水泳カウンセリングの先生のおうちに、夏合宿、のんびりお泊り会に行っている。
のんびりお泊り会のスケジュール表を見ると、就寝21時、起床9時となっている。
一日の半分は寝ていることになる。

プログラムは、バーベキューや、料理、ウォータースライダーのあるプールに行くなどと書かれていて、料理のところが、毎年「みだらし」団子と書いてある。
先生は、あのお団子をみ

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「あの、ジョー・ペシ」

「あの、ジョー・ペシ」

ある時は凄みのきいたイタリアンマフィア。
ある時は、子どもにやっつけられてしまう泥棒さん。
沢山の映画で、いろいろな役を演じて、主役を盛り立てる役者さん。
それが、ジョー・ペシ。

そのジョー・ペシの若いころ、役者さんになる前は、ボウリング場で倒れたピンを立てる仕事をしていたそうだ。
昔は、ボウリングのピンは人力で立てていた。
機械がなかったから。
裏方中の裏方である。

クリント・イーストウッド

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こころはればれ おかねはない

こころはればれ おかねはない

知的障害の長女が通所に出かけたあと、ベランダに洗濯物を干す。
今日も、悔しいくらい晴れている。
私の心は、空よりも、もっともっと、はればれとしている。
ああ、気持ちがいい。

70年以上生きてきて、怒り、悲しみ、憎み、妬み、悔しさ、苦しさなど心もちは激しく変化し、ジェットコースターのような経験をし、うつ状態になり、世界が灰色に見えていた時期を長く過ごしてきた。
それでも、今は、すっきりはればれ。

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弱さは力。弱い人は人の力を引き出す。

弱さは力。弱い人は人の力を引き出す。

もうすぐ、私の76歳の誕生日だ。
歳を重ねてよかったことの一つに、弱くなったことがある。
気力も弱くなったし、体力も弱くなった。

強くないので、弱音もはけるし、仕事もさっさとこなせない。
自分の気力体力に自信がないから、強がりは言えない。
若い人たちが、きびきびと仕事をこなしている姿を見ると、尊敬の念を抱く。
みんな偉いなあ。
本当にありがとうと思う。

何でもできると思っていた傲慢さは、すっか

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川の向こうの人びとの夢を見る

川の向こうの人びとの夢を見る

歳を重ねるということは、とても素敵なことだ。
なぜなら、若いころの傲慢さは、少しずつ薄くなっていくし、自分の器がどれくらいなものなのかもわかってくる。
そして、もっと、いいことは、自分の中に、もう一人分くらいのスペースが持てるようになり、障害のある長女を自分の中に受け入れても、ゆったりと生きていくことができることだ。

このようなことは、本を読んだだけだったり、学位をいくら持つことができたとしても

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ほかろん七夕の願いが叶う

ほかろん七夕の願いが叶う

長女ほかろんが通う生活介護では、季節の行事を行っています。
7月といえば、七夕。
七夕といえば、短冊に書いた願い事。
ほかろんに聞きました。
「短冊には、なんて書いたの?」
すると、
「あまぞんにいきたい。」と答えが返ってきました。

長女の通う施設では、毎月一回、市内のアマゾンの倉庫に、パンの販売に行きます。
アマゾンに行きたいという希望者は多いので、いつも、今月は誰が行くのだろうと、どきどきし

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ほかろんの夏休み 酷暑ぎらぎら

ほかろんの夏休み 酷暑ぎらぎら

はっぴいえんどの「日傘クルクル 僕は退屈」なんて、のんきな「夏なんです」の歌なんて歌っていられないほどの、暑い夏です。
生きているのがやっとです。
若くて元気な人でも、熱中症になって倒れているし、救急アラート逼迫で、救急車はなるべく、呼ばないようになんていう、市のお知らせメールが、きたりしてます。

私は、もともと、暑さが苦手で、25度過ぎると、動くこともできないほどの、夏嫌い。
そのおかげか、熱

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川を渡って向こうの岸へ

川を渡って向こうの岸へ

私の長女は、知的障害、てんかん、躁病である。
長女が生まれるまえには、意識しなかったことがたくさんある。
そのひとつが、支援者側と、当事者側との間にカウンターのようなものがあるということだ。
実際に、カウンターが存在するわけではなく、こちら側とあちら側を隔てる見えない何かがあるように感じる。
これは、たぶん、支援者側からは意識されないことかもしれない。
実際、私も長女が生まれるまでは意識したことな

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つぶさないようにもってかえってきたの

つぶさないようにもってかえってきたの

暑い日が続いていますが、知的障害のあるほかろんは、毎日生活介護の通所に通っています。
先日、息を切らせて、帰ってきたほかろん。
「おかあさんにみせたいものがあるの。
つぶさないように、だいじにだいじに、もってかえってきたの。」
と言って、Colemanのピンクのリュックをおもむろに開けると、
なんと、蔦の葉っぱが出てきました。
その葉っぱは長くて、
「まだまだあるの。」と言いながら、葉っぱを引いて

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障害者が配慮をしてあげているのです

障害者が配慮をしてあげているのです

合理的配慮という言葉に、なんだか、嘘くささを感じてきました。
私が上水流涼子だったら、
「合理的にありえない。貴山、なんとかしてよ。」と叫んでいるでしょう。

その合理的配慮が、全国民の意識にいきわたっていないのに、お上からのお達しが下り、みんな努力することになったのです。

でもね、なんとなくなんですけど、個人のレベルでは、障害者に対してさりげない配慮をしてくださる方は、たくさんいらっしゃるんで

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聴覚障害のボーイズグループ

聴覚障害のボーイズグループ

今年デビューした韓国のボーイズグループ「Big Ocean」のメンバーは、全員聴覚障害があります。
You Tubeや、Tik Tokで、完璧なダンスをし、歌っている彼らの姿を見ることができますが、「ええ、本当に障害があるの?」と思ってしまいます。
聞こえなくても、歌うことができる。
聞こえなくてもダンスはできる。
彼らの努力は素晴らしいものではありますが、それに加えて、現代の技術力を使いこなして

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祝出場 青鳥特別支援学校

祝出場 青鳥特別支援学校

今年の夏も暑い。
こんな暑い中に、高校野球の試合をやるのは、いかがなものかと思うけど、
今年の夏は特に熱いのだ。
なぜなら、都立青鳥特別支援学校が、単独で出場するからなのだ。
昨年は、選手の数が足りなくて、近隣の都立校と組んでの出場だったが、今年は野球部員が増えて、単独で出場できるようになったからだ。
指導する先生は、長女の高等部の時の先生である。

36年前に長女が入学した特別支援学校高等部は、

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ほかろん都知事選で混乱する

ほかろん都知事選で混乱する

知的障害のある長女ほかろんは、きちんと選挙に行きます。
市議会議員とか、都議会議員などの選挙だと、知っている人が立候補していたりするので、張り切って投票しています。
ほかろんは顔が広いのです。

そしてたいていの選挙では、四人とか五人とかの中から一人の人の名前を書く場合が多いです。
しかし、今年の都知事選といえば。
やったらめったら候補者が多くて、選挙会場の記入台の前には、小さい字でぎっしりと、候

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