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東京郊外で、老障介護真っ最中。私、75歳。長女51歳。知的障害、自閉スペクトラム症。て…

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東京郊外で、老障介護真っ最中。私、75歳。長女51歳。知的障害、自閉スペクトラム症。てんかん。躁病。生活介護通所施設利用中。母は長女が通所している間に、映画や海外ドラマを見たり、編み物や刺繍をして、自分を保って暮らしています。

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躁病の家族と暮らすということ

鬱病の闘病記や、鬱病の家族の手記や漫画などは目にする機会が多いが、躁病の家族の記録や手記は、少ないように思う。 「楡家の人びと」や「夜と霧の隅で」などの作者、北…

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2年前
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私は絶望して失望してちょっと希望

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毎朝、生活介護の通所に通う知的障害の長女を、最寄りのバス停まで送っていきます。 バス停の斜め向かいあたりに、体育館と公園があります。 その公園の入り口には、お迎え…

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太田愛は、いわずとしれたドラマ「相棒」の脚本家たちの一人である。 彼女の脚本の回は、とても人気がある。 特命係という、まあ、警視庁の中のお荷物というか、あってもな…

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トニー・レオンやら、錦戸亮やら

悲情城市、恋する惑星、インファナル・アフェアなどなどと、ずっとずっと、トニー・レオンを見てきた。 「悲情城市」の、声を出すことができないトニー・レオンの無言の表…

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靴の裏に桜の花びらがくっついてくる

私の家の前は、延々と続く桜並木です。 ですから、この季節は毎日がお花見です。 歩くときは、つい、上を向いてしまいます。 昨日今日は、ふわふわの桜の花びらが、雪のよ…

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カッチンカチン、お地蔵さんみたい

先日、知的障害のある長女ほかろん、「シヨートステイA」の面談に行きました。 2月くらいから、NとAの二つのショートステイの申し込み手続きを始めていたのです。 「ショ…

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あつあつのゆでたまごはおいしい

今日は、ショートステイAの面談の予約の日です。 知的障害のある長女ほかろんは、とても緊張が強い人なので、面談の予約の話は、前の日とかには言えません。 緊張しすぎて…

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3週間前
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躁病の家族と暮らすということ

躁病の家族と暮らすということ

鬱病の闘病記や、鬱病の家族の手記や漫画などは目にする機会が多いが、躁病の家族の記録や手記は、少ないように思う。
「楡家の人びと」や「夜と霧の隅で」などの作者、北杜夫さんは躁うつ病で、そのことを娘さんの斎藤由香さんが、「パパは楽しい躁うつ病」と言う本で書いているのは知られているが、それ以外はあまり聞かない。
 海外ドラマでは、「ER」や「ホームランド」など、映画では、「世界にひとつのプレイブック」

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めんどくさいな。行きたくないな。

めんどくさいな。行きたくないな。

ああ、めんどくさい。
このままのんびり一人でゴロゴロの沼にはまっていたいよ。
だって、気持ちいいんだもの。
いいなあ、一人でゆっくり。

しかし、えいやっと起き上がって、長女を迎えに行く支度をするのです。
五月五日、午後2時。
水泳カウンセリングの先生が、横浜のご自宅から区民センターまで、送ってきてくれるので、お迎えに行くのです。
長女ほかろんは、三泊四日の水泳の先生のご自宅の合宿に参加していたの

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一番必要なのはケアする母の休息です

一番必要なのはケアする母の休息です

心がのびのびする朝です。
なぜって、私は今一人。
障害のある長女は、水泳カウンセリングの先生のお宅の合宿参加中。
つまりは、母親のレスパイト休暇中。
肺の奥まで酸素が入る感じ。

やはり、必要なのは、ケアする母の休息なのです。
何のかんの、制度だの、福祉の在り方だの、社会の障害受容だの、まあ、いつもはグダグダ言ってますが。
やはり、一番必要で大切なのは、ケアする母親の休息です。

いやいや、決して

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韓国の貧困と虐待

韓国の貧困と虐待

韓国映画は、今、ものすごく勢いがある。
韓国エンタメ界は、日本の数年先を歩いている。
映画製作の歴史を見れば、日本の映画界の方が、先に出発し、韓国の先を歩いていた。
日本には数年いや、数十年遅れで、出発した韓国の映画製作だが、古臭い伝統とか、しきたりとか関係なく、新しいやり方で、とにかく見せる映画を作ってきたし、それは、世界規模レベルのエンタメにジャストフィットしていた。

「聖なる復讐者」は、パ

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三泊四日の休日がやってきました!!!

三泊四日の休日がやってきました!!!

出かけました。
昨日、知的障害でやたらこだわりが強く、声がでかい長女ほかろん、
水泳カウンセリングの先生のお宅で開かれる、春の合宿に出発しました。
例年のごとく、ピックアップ先までは、緊張もあって、電車の中でも、駅でも、大きな声で、母親をどうでもいいことで責め続け、最後には自分なりに納得したようで、静かになりました。

電車の中での大声には、こちら、目をつぶって自分の世界に入り込み、相手をしないの

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けむしのくつしたはいてるう

けむしのくつしたはいてるう

今日のプールの帰り、電車の中で、長女ほかろんが叫びました。
「ああっ、けむしのくつしたはいてるう。」
暖かくなってきて、(暑くなった)虫が出るようになってきたから、靴下に毛虫が付いているのかと思って、
「ぎょっ。」としたけど、まあいつものやつね。

前にいた親子連れが、終点駅が近くなったので、2歳くらいのこどもをベビーカーに座らせたところ、その子の靴下の模様が、なんと
「はらぺこあおむし」だったの

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ほどよく香るわたしのジャスミン

ほどよく香るわたしのジャスミン

私が植えたジャスミンが、空き家となっているお隣との境のフェンスにつるを伸ばして、さらに、上へ上へとお隣のベランダの柱をよじ登り、ついにお隣のベランダを占拠してしまいました。

そして、いま、鮮やかに、ピンクの蕾をゆらゆら揺るがせ、そして白い花を咲かせ始めました。
そうすると、あの、香りが漂い始めます。
私が旅番組で見て憧れた、モロッコのカスバを包むジャスミンの香り。

朝、二階の窓を開けると、飛び

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私は絶望して失望してちょっと希望

私は絶望して失望してちょっと希望

障害のある長女を育てて、はや51年。
長女51歳。
さぞや、母親としてしっかり生きているのだろうと思う人もいるようですが、実は、まだまだ、(もしかして、もう)ふらふらです。

絶望の淵からは、全く抜け出すことができず、毎日、失望の連続です。
なぜなら、長女は、毎日変化し続けており、その都度、障害の現れ方が違っているので、「昨日と同じ」ではないからです。

朝の起こし方も毎日違います。
相手の出方を

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お隣の空き家 ジャスミン屋敷になる

お隣の空き家 ジャスミン屋敷になる

それはいつだったか。
そう、もう、20年以上は前くらい。
テレビの旅番組で、モロッコのカスバの特集をしていた。
そして流れた一つのフレーズに心が止まった。

「ジャスミンの香りに溢れた街。」

ジャスミンの香り溢れる光景に、心惹かれた。

私もジャスミンの香り溢れる庭にしよう。
と思い立った。
そこで、鉢植えのジャスミンの花が終わりに近づいてきたので、庭に植えることにした。
場所は、台所口から出て

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もうすぐお母さんの休日やってきます

もうすぐお母さんの休日やってきます

毎年開催される、水泳カウンセリング研究所の合宿。
水泳の先生のご自宅に、数人お泊りする恒例行事。
五月の連休と、お盆休みの年2回。
障害のある長女も楽しみにしています。
それよりもっと、お母さんが楽しみにしている恒例行事です。

今年は、合宿のお知らせが届くのが遅くて、ハラハラしましたが、お手紙がやっと届きました。
先生もだんだん歳を重ねて、大変になってきていると思うので、どうなることやら、まさか

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特別支援学校のスクールバス

特別支援学校のスクールバス

毎朝、生活介護の通所に通う知的障害の長女を、最寄りのバス停まで送っていきます。
バス停の斜め向かいあたりに、体育館と公園があります。
その公園の入り口には、お迎えの幼稚園バスが止まって、本当に小さな小さな子が、お母さんとさよならして、バスに乗って幼稚園に向かうのでした。
その様子を、長女と一緒にいつも眺めていました。

えらいねえ、あんなに小さな子が、お母さんと別れて、幼稚園にいくんだね。
でも小

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未明の砦 太田愛

未明の砦 太田愛

太田愛は、いわずとしれたドラマ「相棒」の脚本家たちの一人である。
彼女の脚本の回は、とても人気がある。
特命係という、まあ、警視庁の中のお荷物というか、あってもなくてもいいような部署なんだけれど、でも、本当は、頭脳の中心みたいな曖昧な存在を描くことができる、力のあるライターである。
今までも、長編小説を多々書いてきているが、どれも、読みごたえがある作品となっている。

そして、「未明の砦」である。

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トニー・レオンやら、錦戸亮やら

トニー・レオンやら、錦戸亮やら

悲情城市、恋する惑星、インファナル・アフェアなどなどと、ずっとずっと、トニー・レオンを見てきた。
「悲情城市」の、声を出すことができないトニー・レオンの無言の表情。
歴史に翻弄され、声を上げても声が届かない無念の台湾の置かれた状況。

「恋する惑星」の警官663号。
クリストファー・ドイルのエッジのきいたカメラに、少し困惑気味の顔をむける。
窓から見える飛び立つ飛行機。

複雑な家庭環境に生まれ、

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靴の裏に桜の花びらがくっついてくる

靴の裏に桜の花びらがくっついてくる

私の家の前は、延々と続く桜並木です。
ですから、この季節は毎日がお花見です。
歩くときは、つい、上を向いてしまいます。
昨日今日は、ふわふわの桜の花びらが、雪のように舞い降りてきて、ああ、もう、メルヘンの世界にいるようです。
先週の嵐のような風の日は、激しい桜吹雪でした。
遠山の金さんが出てきそう。
桜が散りだすと同時に、葉が出てくるので、今は、薄ピンクと黄緑が半分半分くらいで、とてもきれいです。

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カッチンカチン、お地蔵さんみたい

カッチンカチン、お地蔵さんみたい

先日、知的障害のある長女ほかろん、「シヨートステイA」の面談に行きました。
2月くらいから、NとAの二つのショートステイの申し込み手続きを始めていたのです。
「ショートステイN」の方は面談も終わり、契約までこぎつけました。まだ、お試し「日中ショートステイ」があるけど。
そしていよいよ、残るもう一つの「ショートステイA」の面談です。

ああ、ここに至るまで、2カ月以上かかりました。
この間、母は、パ

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あつあつのゆでたまごはおいしい

あつあつのゆでたまごはおいしい

今日は、ショートステイAの面談の予約の日です。
知的障害のある長女ほかろんは、とても緊張が強い人なので、面談の予約の話は、前の日とかには言えません。
緊張しすぎてパニックおこしてしまうかもしれませんから。

なので、今日の朝、連絡帳を書くときに伝えました。
「きょう面談があるので、1時半に迎えに行きます。」
「どこ?」
「Aです。外周清掃で行く市民球場の向かいです。」
「しらないところ。」
「そう

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