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夏休みというプレゼント

障害のある長女ほかろんが、水泳カウンセリングの先生のおうちの、のんびりお泊り会に行ってもはや4日目。
今日帰ってくるのでお迎えに行きます。

毎年、5月の連休と、8月のお盆休みに開催される、お泊り合宿。
自閉症や知的障害などの人たちを、先生ご夫妻が、もりだくさんのプログラムで楽しく過ごさせてくれます。

そして、今日は、私の76歳の誕生日です。
だいたい、毎年、私の誕生日のころに、夏合宿が開かれるので、これはほかろんと、先生ご夫妻からの、誕生日プレゼントだと思ってます。

ありがとう。
先生ご夫妻。
そしてほかろん。

お母さんは楽しい三泊四日の夏休みを過ごしました。
ゆるゆると、心と体をほぐしました。
そして、76歳になりました。

70歳のころは、75歳くらいまでかなあ。
「この現状を維持できるのは」と思っていました。
現状というのは、老障介護の二人暮らしのことです。
知的障害だけならともかく、ほかろんは躁病でもあるのです。
躁転すると、これはもうなかなか、大変なことになるのです。
現状維持するには、ほかろんの精神状態の安定と、母親の体力、気力が必要です。

そういうわけで、私の体力、気力は、もって75歳位までかなあと思っていたのです。
しかし、恐るべき。
「最近の75歳」は、私が考えていたというより、私が今まで、見たり聞いたりしていた75歳とは、全く違っていたのです。
自分のことではあるのですが、これは、びっくりです。

栄養状態、衛生環境、教育、医療の発達、多岐にわたる情報などによって、令和の75歳は、昭和の75歳とは全く違っています。
そのような、時代の進歩の恩恵を受け、75歳の壁を通り抜け、なんと、今日から76歳です。

多分大丈夫でしょう。
食べ物の好き嫌いなし。お酒もたばこもギャンブルにも縁がなく。
楽しみといえば、数独と映画と読書と週に一度の市営プール。
質素でつつましい生活。
まあ、何があるかわからないけど。
起きたら起きたときに対処する。
いかなる困難苦難を超えて、月光仮面は今日も行く。

ほかろんを育てるために、知り合った数々の人びと。
自分ができないことは、「助けて」と言えるようになったし。
自分は「弱い」とわかっているし。
ほかろんを育てる上で、知りえた障害者福祉の知識と、高齢者介護の仕事で知りえた介護保険の知識と、自分のライフワークとして勉強してきた臨床心理学の知識と。

勝ち負けも、上も下も、強いも弱いも、どうでもいいと思っている私の生活は、人の目を気にすることなく、これからも、続いていくでしょう。

多分、大丈夫。
これからの一年間も、ほかろんと暮らしていこう。
ほかろんとの暮らしは楽しいことがいっぱい。
困ったことが起きたら、その時はSOSを出します。

♪いつだって大丈夫
この世界はダンスホール
君がいるから愛を知ることがまた出来る
「大好き」を歌える
          Mrs. GREEN APPLE

などと歌いながら、ほかろんをお迎えに行く準備をしています。

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