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東京郊外で、老障介護真っ最中。私、75歳。長女51歳。知的障害、自閉スペクトラム症。てんかん。躁病。生活介護通所施設利用中。母は長女が通所している間に、映画や海外ドラマを見たり、編み物や刺繍をして、自分を保って暮らしています。

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    知的障害、てんかん、双極性障害、自閉スペクトラム症の長女を育てながら、大学院で学び、障害者福祉課での各種委員をしながら、行政への働きかけをしています。

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    今まで沢山の本を読んできました。忘れられない本はお友達のような存在です。

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躁病の家族と暮らすということ

鬱病の闘病記や、鬱病の家族の手記や漫画などは目にする機会が多いが、躁病の家族の記録や手記は、少ないように思う。 「楡家の人びと」や「夜と霧の隅で」などの作者、北杜夫さんは躁うつ病で、そのことを娘さんの斎藤由香さんが、「パパは楽しい躁うつ病」と言う本で書いているのは知られているが、それ以外はあまり聞かない。  海外ドラマでは、「ER」や「ホームランド」など、映画では、「世界にひとつのプレイブック」に双極性障害のある人が登場する。本人の生きづらさ、家族や周りの人たちの戸惑いや困

    • 最高の誉め言葉をほかろんから

      「おかあさんと、おかいものにいくと、たのしいんだもん。」 まんまるな顔のほかろんが、ニコニコしながら言いました。 昨日の夜です。 その時は、 「ふうん、そうなの。」と軽く受け流していたのですが、一晩眠って起きた今日の朝、 「もしかして、これは最高の誉め言葉なのではないだろうか。」と思いました。 長女ほかろんは、知的障害で、躁病もあり、毎日生活介護の通所に通っています。てんかんの方は、今は薬でコントロールしているので、発作はありません。 躁転すると、暴言、攻撃性、眠らない、多

      • 夏休みというプレゼント

        障害のある長女ほかろんが、水泳カウンセリングの先生のおうちの、のんびりお泊り会に行ってもはや4日目。 今日帰ってくるのでお迎えに行きます。 毎年、5月の連休と、8月のお盆休みに開催される、お泊り合宿。 自閉症や知的障害などの人たちを、先生ご夫妻が、もりだくさんのプログラムで楽しく過ごさせてくれます。 そして、今日は、私の76歳の誕生日です。 だいたい、毎年、私の誕生日のころに、夏合宿が開かれるので、これはほかろんと、先生ご夫妻からの、誕生日プレゼントだと思ってます。 あ

        • 夏休みといえば天然コケッコー

          私は今夏休み中。 障害のある長女ほかろんが、障害のある人を対象とした水泳カウンセリングの、のんびりお泊り会に行っているので、おひとり様満喫中。 夏休みというと、思い出すのは、「天然コケッコー」。 くらもちふさこのマンガもいいが、実写化された映画もまたいい。 小中校合わせて、たった6人しか生徒のいない、田舎の学校に東京から転校生がやってきた。 夏帆演じるそよにとって、初めての同級生だ。 そよは、面倒見の良い子で、年下の子どもたちに慕われている。 年下の子どもたちが、またみん

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          今日は一日外へ出ない日

          昨日から、知的障害、躁病の長女ほかろんが、水泳カウンセリングの先生のおうちに、夏合宿、のんびりお泊り会に行っている。 のんびりお泊り会のスケジュール表を見ると、就寝21時、起床9時となっている。 一日の半分は寝ていることになる。 プログラムは、バーベキューや、料理、ウォータースライダーのあるプールに行くなどと書かれていて、料理のところが、毎年「みだらし」団子と書いてある。 先生は、あのお団子をみだらし団子と、読んでいるのか、それとも誤字か。誤字としても毎年誤字なのは、なんで

          今日は一日外へ出ない日

          「あの、ジョー・ペシ」

          ある時は凄みのきいたイタリアンマフィア。 ある時は、子どもにやっつけられてしまう泥棒さん。 沢山の映画で、いろいろな役を演じて、主役を盛り立てる役者さん。 それが、ジョー・ペシ。 そのジョー・ペシの若いころ、役者さんになる前は、ボウリング場で倒れたピンを立てる仕事をしていたそうだ。 昔は、ボウリングのピンは人力で立てていた。 機械がなかったから。 裏方中の裏方である。 クリント・イーストウッド監督の「ジャージー・ボーイズ」に、 「あのジョー・ペシ」というセリフが出てくる。

          「あの、ジョー・ペシ」

          こころはればれ おかねはない

          知的障害の長女が通所に出かけたあと、ベランダに洗濯物を干す。 今日も、悔しいくらい晴れている。 私の心は、空よりも、もっともっと、はればれとしている。 ああ、気持ちがいい。 70年以上生きてきて、怒り、悲しみ、憎み、妬み、悔しさ、苦しさなど心もちは激しく変化し、ジェットコースターのような経験をし、うつ状態になり、世界が灰色に見えていた時期を長く過ごしてきた。 それでも、今は、すっきりはればれ。 心に重たい感情はなく、軽々としている。 自分の心が軽いのは、もしかしたら、お金

          こころはればれ おかねはない

          弱さは力。弱い人は人の力を引き出す。

          もうすぐ、私の76歳の誕生日だ。 歳を重ねてよかったことの一つに、弱くなったことがある。 気力も弱くなったし、体力も弱くなった。 強くないので、弱音もはけるし、仕事もさっさとこなせない。 自分の気力体力に自信がないから、強がりは言えない。 若い人たちが、きびきびと仕事をこなしている姿を見ると、尊敬の念を抱く。 みんな偉いなあ。 本当にありがとうと思う。 何でもできると思っていた傲慢さは、すっかりどこかへ落としてきた。 障害のある長女の、大変さがよくわかり、毎日、電車とバス

          弱さは力。弱い人は人の力を引き出す。

          川の向こうの人びとの夢を見る

          歳を重ねるということは、とても素敵なことだ。 なぜなら、若いころの傲慢さは、少しずつ薄くなっていくし、自分の器がどれくらいなものなのかもわかってくる。 そして、もっと、いいことは、自分の中に、もう一人分くらいのスペースが持てるようになり、障害のある長女を自分の中に受け入れても、ゆったりと生きていくことができることだ。 このようなことは、本を読んだだけだったり、学位をいくら持つことができたとしても、かなうものではない。 コツコツと毎日を自分の足で歩いて、自分の手で工夫して、自

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          ほかろん七夕の願いが叶う

          長女ほかろんが通う生活介護では、季節の行事を行っています。 7月といえば、七夕。 七夕といえば、短冊に書いた願い事。 ほかろんに聞きました。 「短冊には、なんて書いたの?」 すると、 「あまぞんにいきたい。」と答えが返ってきました。 長女の通う施設では、毎月一回、市内のアマゾンの倉庫に、パンの販売に行きます。 アマゾンに行きたいという希望者は多いので、いつも、今月は誰が行くのだろうと、どきどきしているようです。 長女にとって、アマゾンの広ーい倉庫は、なんでも詰まっている夢の

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          ほかろんの夏休み 酷暑ぎらぎら

          はっぴいえんどの「日傘クルクル 僕は退屈」なんて、のんきな「夏なんです」の歌なんて歌っていられないほどの、暑い夏です。 生きているのがやっとです。 若くて元気な人でも、熱中症になって倒れているし、救急アラート逼迫で、救急車はなるべく、呼ばないようになんていう、市のお知らせメールが、きたりしてます。 私は、もともと、暑さが苦手で、25度過ぎると、動くこともできないほどの、夏嫌い。 そのおかげか、熱中症にはならないですんでいます。 知的障害の生活介護に通っているほかろんには、

          ほかろんの夏休み 酷暑ぎらぎら

          川を渡って向こうの岸へ

          私の長女は、知的障害、てんかん、躁病である。 長女が生まれるまえには、意識しなかったことがたくさんある。 そのひとつが、支援者側と、当事者側との間にカウンターのようなものがあるということだ。 実際に、カウンターが存在するわけではなく、こちら側とあちら側を隔てる見えない何かがあるように感じる。 これは、たぶん、支援者側からは意識されないことかもしれない。 実際、私も長女が生まれるまでは意識したことなどなかった。 そして、それはもっともっと深い川のような大きな存在として、感じら

          川を渡って向こうの岸へ

          つぶさないようにもってかえってきたの

          暑い日が続いていますが、知的障害のあるほかろんは、毎日生活介護の通所に通っています。 先日、息を切らせて、帰ってきたほかろん。 「おかあさんにみせたいものがあるの。 つぶさないように、だいじにだいじに、もってかえってきたの。」 と言って、Colemanのピンクのリュックをおもむろに開けると、 なんと、蔦の葉っぱが出てきました。 その葉っぱは長くて、 「まだまだあるの。」と言いながら、葉っぱを引いていくと。長い長い蔦の枝の苔玉が出てきました。 まるで、バッグの中から、長い長い電

          つぶさないようにもってかえってきたの

          障害者が配慮をしてあげているのです

          合理的配慮という言葉に、なんだか、嘘くささを感じてきました。 私が上水流涼子だったら、 「合理的にありえない。貴山、なんとかしてよ。」と叫んでいるでしょう。 その合理的配慮が、全国民の意識にいきわたっていないのに、お上からのお達しが下り、みんな努力することになったのです。 でもね、なんとなくなんですけど、個人のレベルでは、障害者に対してさりげない配慮をしてくださる方は、たくさんいらっしゃるんですけど、大きい組織とかについては、なかなか、なんですよね。 うまく言葉にするの

          障害者が配慮をしてあげているのです

          聴覚障害のボーイズグループ

          今年デビューした韓国のボーイズグループ「Big Ocean」のメンバーは、全員聴覚障害があります。 You Tubeや、Tik Tokで、完璧なダンスをし、歌っている彼らの姿を見ることができますが、「ええ、本当に障害があるの?」と思ってしまいます。 聞こえなくても、歌うことができる。 聞こえなくてもダンスはできる。 彼らの努力は素晴らしいものではありますが、それに加えて、現代の技術力を使いこなしていることで、パフォーマンスが可能になっているそうです。 人工内耳、補聴器。 そ

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          祝出場 青鳥特別支援学校

          今年の夏も暑い。 こんな暑い中に、高校野球の試合をやるのは、いかがなものかと思うけど、 今年の夏は特に熱いのだ。 なぜなら、都立青鳥特別支援学校が、単独で出場するからなのだ。 昨年は、選手の数が足りなくて、近隣の都立校と組んでの出場だったが、今年は野球部員が増えて、単独で出場できるようになったからだ。 指導する先生は、長女の高等部の時の先生である。 36年前に長女が入学した特別支援学校高等部は、返還された米軍基地の敷地内のアメリカンスクールの校舎と、プレハブ校舎。 (やっつ

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