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祝出場 青鳥特別支援学校

今年の夏も暑い。
こんな暑い中に、高校野球の試合をやるのは、いかがなものかと思うけど、
今年の夏は特に熱いのだ。
なぜなら、都立青鳥特別支援学校が、単独で出場するからなのだ。
昨年は、選手の数が足りなくて、近隣の都立校と組んでの出場だったが、今年は野球部員が増えて、単独で出場できるようになったからだ。
指導する先生は、長女の高等部の時の先生である。

36年前に長女が入学した特別支援学校高等部は、返還された米軍基地の敷地内のアメリカンスクールの校舎と、プレハブ校舎。
(やっつけ仕事ですね。)
肢体不自由の生徒がアメリカンスクールの校舎を使用し、知的障害の方はプレハブ校舎。
夏は暑くて、冬は寒い。
敷地内はやたら広くて、体育館へ移動するのに、数分かかる。
団塊ジュニアの生徒は、人数が多くてクラスも多い。
先生たちは、体育か音楽か美術の先生ばかり。(要するに受験科目でない)

その学校に、36年前に新卒で赴任してきた久保田先生は、辞令が出たのが特別支援学校だったもので、ものすごく落ち込んでいた。
なぜなら、普通校の野球部を指導して甲子園へ行くのが夢だったからだと、正直に話してくれた。

しかし、生徒たちに慕われて、マラソンクラブやソフトボールの指導など、手を抜くことはなかった。
走るところはいくらでもあるという立地を生かしたマラソンクラブ。
先生の指導のおかげで、ふらふら走りだった長女はなんと、駒沢競技場で200メートル競走に出るという快挙を成し遂げるまでになった。

その後、久保田先生はあちこちの赴任先の特別支援学校でもソフトボールやティーボールなどを指導し、ついに昨年、青鳥特別支援学校混合チームが高校野球の予選に出場したのだ。
そして、今年、単独出場を果たした。

障害のある生徒に硬球は危険だからやめた方がいいという声も多かった。
それよりも、障害があるけど、野球が大好きなんだという生徒がたくさんいて、試合をしたい。野球を楽しみたいという気持ちの生徒を、バックアップする親がたくさんいた。

そして、今年、とうとう、野球が大好きだという障害のある生徒たちの夢がかない、そして、野球を指導したいという先生の夢がかなった。
対戦相手は都立東村山西。
結果は0対66
東村山西はしっかりと、まじめに試合をした。
青鳥はしっかりと、楽しく野球をした。

最近の部活などで、忘れられていた「スポーツを楽しむ」気持ち。
特別支援校と、都立の普通高校が対等に試合した。
もうそれだけで、涙が出ます。
久保田先生、ありがとう。
36年間、いつも、長女の心の中に先生がいました。
これからも、ずっと、生徒たちを見守ってください。


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