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それぞれの生と死

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周囲のさまざまな生きざま、死にざまについて書きます。
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#コミュニケーション

「私が死ぬこと、誰にも言わんといてな!!」

「私が死ぬこと、誰にも言わんといてな!!」

(声をふりしぼって)明るい声で、
お友達と電話をしていた姑。

電話を切ったあと、
ベッドの上から私に言いました。

「私が死ぬこと、誰にも言わんといてな!!」

4月末、
7ヶ月間の在宅緩和ケアの後、姑は静かに息を引きとりました。

亡くなったことを知らない
遠方に住んでいる姑のお友達から、
高級そうなブドウが箱一杯に送られてきました。

今度こそは言わないといけません。
高齢のお体に触らなけれ

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亡くなる日にかけてきた電話

亡くなる日にかけてきた電話

一昨年の桜が咲くころの出来事です。

私は午前2時過ぎにスマホの着信音で目が覚めました。
その電話は当時入院中の義母の弟嫁、B子さんからでした。

B子さんは同じ町内に住んでいました。
ご主人は(私の姑の弟)すでに他界、子供はいません。
腹違いの二人の妹とは仲が悪く、結局近所の(遠い)親戚の私が何かと手伝っていました。

16、7年ほど前にB子さんは乳がんを発症し、手術を受けました。

ところが「

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結婚4回!孫娘に打ち明けた昔話

結婚4回!孫娘に打ち明けた昔話

私の両親は共働きでした。
幼稚園児の頃から家で待ってくれているのは、同居していた父方の祖父でした。(私が通っていた幼稚園はお迎え不要で、集団で帰宅していました)

祖父は毎日玄関まで出てきてくれました。

「お~帰ってきたか。美味しい菓子があるよ。」

祖父の部屋に入ると、煎茶と和菓子を用意してくれていました。
当時私は、ほぼ毎日和菓子を食べていました。
今でもケーキよりも「あんこ」派です。

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