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福祉の仕事

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仕事中に気づいた発見や喜びを書いています。
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2023年11月の記事一覧

お昼買い物支援

お昼買い物支援

私の職場は週に一回
利用者とグループごとにお昼を買いに行く。

 
とある日、利用者Aさんと利用者Bさんとお昼を買いに行くよう言われた時
内心、何故この二人を支援担当なのだろうと思った。

 
Aさんはせっかちでお弁当を選ぶのが早いが、早めに買い物が終わると施設に戻ってから不穏になりやすい。
だから出発は遅く、戻りも遅くするのが普通だ。

一方Bさんは優柔不断でお弁当を選ぶのにめちゃくちゃ時間がか

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笑顔のピース写真

笑顔のピース写真

今年から利用開始した利用者がいる。

活動や作業の様子を写真に撮るが
なかなか笑顔の写真が撮れない。

 
ある日、笑顔で一人遊びをしていたので、今だ!と思い、私、同僚、前施設長がカメラをむけた。
すると、ピースをしてくれたが、真顔になってしまった。

カメラを下げると再び笑って一人遊びを始めたが
やはり何回カメラを向けても結果は同じだった。

 
保護者に聞いてみると、カメラに気づくとピースサイ

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約40歳年の離れた元同僚

約40歳年の離れた元同僚

私がその職員Aさんに初めて会ったのは今から10年以上前のことだ。

私は学校を卒業した後に障害者福祉施設に入職した。
社会人一年目の頃に某事業の立ち上げをし、それから責任者として働いていた。

 
私が働き出してしばらく経った頃だ。
当時、施設では看護師の求人を出していたが、なかなか見つからなかった。

 
障害者福祉施設の某事業には看護師の方がいなければいけない。
常勤でも非常勤でもいいらしい。

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研修の飴

研修の飴

研修に出掛けた。

気になる内容だったので申し込んだが
内心憂鬱だった。

 
というのも
申し込んだのは新施設長だったが、申し込みが受理されたかどうかは主催者からなかなか連絡が来ず
研修行きが確定したのはなんと前日だった。
ギリギリすぎる。

更に、研修を申し込んだ頃は心身に余裕があったが
研修の頃は仕事がたまっていた時で、上から色々言われていた時期でもあり
やる気が低下していた。

研修に行く

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なんで体を触っちゃいけないの?

なんで体を触っちゃいけないの?

利用者Aさんと利用者Bさんは仲がよい。

ませた利用者は「夫婦だね。」とからかうが
私からは兄姉のように見える。

 
手を繋いだり、キスしたり、ハグすることもなく
ただじゃれ合い、いたずらし合い、キャッキャするような関係だ。

朝の体操時、屈伸を手伝っていてもいやらしさも恋人感も伝わらない。

 
お互いがお互いを同じくらい想っているように見える。
両想いといったところだ。

 
ある日、Aさん

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無茶ぶりに応える同僚

無茶ぶりに応える同僚

同僚が言っていた。

「私は無茶ぶりに応える人なんですって。」

 
付け加えてこうも言った。

「新施設長からそう言われたんです。無茶ぶりに応える人だって。でも、それ以外の要素もほしいですね。」

 
その同僚は私より後に入職した唯一の後輩だ。
年齢的にも年下なので、私は物事を頼りやすい。

 
その同僚を私はマグロのような人だと思っている。
ジッとしていない人なのだ。

気が利いて何かしら動い

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「この施設は好きじゃない。」と言った利用者 その②

「この施設は好きじゃない。」と言った利用者 その②

パソコンで書類仕事をしていると、新施設長から話しかけられた。

内心ゲンナリした。

 
書類仕事をする前も仕事について指摘されて内心嫌な気持ちだったのに。
二人きりで事務室で仕事で気まずさがあったのに。

 
その日、私は忙しかった。
正確には毎週毎週忙しかった。

 
その日は朝一時間早めに自主出勤していたが仕事が終わらず
早く書類仕事を終わりにして、別の仕事をやらなければと集中していた。

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「この施設は好きじゃない。」と言った利用者 その①

「この施設は好きじゃない。」と言った利用者 その①

某障害者福祉施設の就労移行支援の利用者Aさんが、うちの施設を利用することになった。

 
就労移行支援とは、施設に通いながら施設外就労…障害者枠の就労等を目指す事業で
利用者はそこに二年間しか在籍できない(場合によっては三年まで在籍可)。
二年を過ぎると、就労継続A型やB型の事業に移行するのが通常である。

 
前の職場にも就労移行支援事業があったが
これがなかなかに厄介だった。

就労移行支援を

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仕事量と限界値

月曜日の朝一、新しい仕事を頼まれた。

あぁまた仕事が増えたと思った。
まだ別の仕事も終わっていないのに。

 
月曜日から職員の急な休みや遅刻が相次ぐ。
人手不足による仕事のカバーにより、また仕事が増えるし
人手不足による余裕のなさから仕事をしくじり、落ち込んでしまう。

 
先週も職員の急な休みや遅刻や早退が相次いだ。
そのカバー分、仕事はどんどんたまっていく。

 
休んだ職員を責められはし

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仕事帰りに泣いた日

仕事帰りに泣いた日

その日は前施設長と新施設長の某言動にストレスを感じた日だった。

 
リーダーは私の気持ちを察してくれて施設長のいない間に話を聞いてくれたけど
理不尽さを分かってくれたけど
心のしこりが完全になくなるわけではない。

 
そんな中、とある仕事をあと10分でやるように新施設長から言われた。
10分である。
その仕事は10分ではおよそ難しいもので
普段はリーダーがやる仕事だった。

 
「あれ?真咲さ

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公開処刑をされた日

公開処刑をされた日

その日は会議だった。
四時間以上に及ぶ会議だ。

 
色々な議題に沿って話を聞いたり、意見を言ったりした後
最後にその話はやってきた。

 
早く言えば、公開処刑だった。
私ともう一人の同僚はみんなの前で適切な仕事をしていないと認めるように迫られた。

 
「自分の仕事ぶりをどう思いますか?」と問われたので
「○○の時、●●をやるように務めています。」と言うと
「そういう問題ではなくて、××の時に

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鬼が笑う11月

鬼が笑う11月

その利用者は時計が読めない。
日付もよく分からない。

時間の概念が分からないから
あと少しとかまだま先ということも曖昧すぎて理解が難しい。

待つことが苦手で非常にせっかちだ。

 
11月1日
利用者は私に「来週は節分だね。」と言い出したのでずっこけた。色々飛ばしすぎている。

何か(10月)が終わったことやハロウィンが終わったことは理解しているのかもしれない。

 
そもそも、9月頭くらいか

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君の名は?

君の名は?

前の職場にはアイドルのような存在の利用者が二人いた。

その内の一人は○○ちゃんと言い、老若男女に大人気だった。
見た目の愛らしさ、愛嬌、笑顔、仕草、面白さから見る人見る人を虜にした。

 
転職先の施設にも同じ名前の利用者が二人いるのだが
その利用者もまたアイドルのような存在だった。

愛らしさ、笑顔、愛嬌、素直さ、仕草、天然な性格さえも老若男女を虜にした。
他施設の人や初めての人もその利用者に

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転職三年目のマラソン大会

転職三年目のマラソン大会

私の転職した障害者福祉施設では
週に二回運動の日があった。

近隣の公園のランニングコースを利用者が走り
それを職員がサポートする。
一緒に走ったり、タイムを計ったりした。

 
聞けば、コロナ禍になる前は毎年仮装してマラソン大会に参加していたらしい。
コロナ禍になり、マラソン大会が中止になってからも
いつ再開してもいいように走り続けているらしい。

 
私が社会人二年目の時
マラソン大会が久々に

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