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研修の飴

研修に出掛けた。

気になる内容だったので申し込んだが
内心憂鬱だった。

 
というのも
申し込んだのは新施設長だったが、申し込みが受理されたかどうかは主催者からなかなか連絡が来ず
研修行きが確定したのはなんと前日だった。
ギリギリすぎる。

更に、研修を申し込んだ頃は心身に余裕があったが
研修の頃は仕事がたまっていた時で、上から色々言われていた時期でもあり
やる気が低下していた。

研修に行くと報告書を書かなければいけないし
また仕事が増えるのが憂鬱だったのだ。

 
反面、施設にいるとなんやなんや言われるので気が楽でもあった。
研修に行ってしまえばあれこれ言われずに済む。

 
研修の日、私は初めてとある場所に送迎に行くことになった。緊張だ。

 
研修の頃、職員やその家族が体調を崩し、連日休んでいた。
それで仕事が立て込んでいたのもあるし
無理して研修は行かなくてもいいと思ったが(主催者から連絡もないくらいだし)
行けと言われたからには行くしかない。

 
人手不足のため、朝の送迎に行ってから研修に行くように言われた。
研修場所は初めての場所のため余裕をもって行きたかったが
上からの命令には従うしかない。

その送迎はいつも新施設長が行っていたが
送迎車停車位置はどこでもいい場所ではなかったらしく、保護者から指摘されて朝からゲンナリした。
駐車場所に指定があるなら最初から教えてほしかった。

 
送迎後、研修場所に行った。

前施設長が場所について詳しく教えてくれて
そのお陰で分かりやすかった。

更に、駐車場には研修の看板を持っている方がいて分かりやすかった。ありがたい。

 
研修は受付に保護者、司会も保護者、事例発表をするのも保護者……と、気を抜けない状況だったが
保護者はあれこれ言わないので、そういう意味ではやはり気が楽だった。

こじんまりとした研修で、障害者を子に持つ保護者や施設関係者が主な参加者だったらしい。

 
研修場所はあたたかく、ビックリした。
職場の施設はまだ暖房をつけておらず、肌寒いのでいっぱい着てきたが
会場があまりに暑くて私は上着を脱いで腕まくりもした。通常はこんなにあたたかいのか。

 
あたたかく、快適だった反面
会場は乾燥していた。

一度咳が出ると止まらない。
咳のしすぎで涙が出てしまう。

 
研修場所でみんながいる中咳き込むと申し訳なかった。
迷惑極まりない。
早く止めなきゃ、と思っても咳が止まらない。

前の席の見知らぬ方が「大丈夫ですか?」と声をかけてくれた。

 
休憩時間になり、前の席の方がチェルシーを二つ分けてくれた。見知らぬ方なのに、なんと優しいのか。ありがたい。

更に遠方の席の方も心配してトローチを分けてくれた。
みんな優しい。

 
早速トローチを舐め、研修中も咳き込んだ時に速攻でチェルシーを舐めた。
咳き込んでいる時はトローチや飴が本当にありがたくて、だいぶ楽になる。

研修後、トローチを分けてくれた方に改めてお礼を伝えた。
その方は前施設長の元担任と知り、驚いた。
私と前施設長の繋がりを知っていてトローチをくれたわけではなく
本当にたまたまだったらしいが
縁というのは繋がっているのだと思った。

 
なんやかんや言われることが日々多い中で
研修で新たな知識や事例に触れ
見知らぬ方の優しさに触れ
心は確かにあたたまった。
有意義な研修だったと言える。

 
私は小学校時代の担任の先生と卒業以来会っていない。
Facebookで見つけてフォローして
私が卒業してから数年後に退職し、学校で先生をやっていないことだけは知っている。

 
私も担任の先生と再会したくなった。
先生は私を覚えているだろうか。

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