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仕事帰りに泣いた日

その日は前施設長と新施設長の某言動にストレスを感じた日だった。

 
リーダーは私の気持ちを察してくれて施設長のいない間に話を聞いてくれたけど
理不尽さを分かってくれたけど
心のしこりが完全になくなるわけではない。

 
そんな中、とある仕事をあと10分でやるように新施設長から言われた。
10分である。
その仕事は10分ではおよそ難しいもので
普段はリーダーがやる仕事だった。

 
「あれ?真咲さん考えてくれてるの?」

「いや、考えだしたばかりで…リーダーがもっといい考えがあれば、最優先で大丈夫です。」

「いや、俺もまだ考えがまとまってないんだよね。」

そんなやりとりを二人でした後
他の同僚が集まってきて
みんなの前で新施設長から仕事の件はどうなったか問われた。

 
私は10分の間で考えた意見を述べたが
ダメ出しをひたすらにされた。
何かを言うと何かを言われ

「○○の時はどうするんですか?」
「●●の時は?」
「それだと××だと思いますが、どうするつもりですか?」

そんな調子だ。

 
私は上手く返せなくて
「…今考えがまとまらないので、明日までに考えておきます。」
と答えた。

 
実際、その仕事は今日中に考えておけばいい話で
10分後までにまとめなくていい話だった。

 
責められてばかりで泣きそうになった。
定時の頃の話だ。
サービス残業が確定した瞬間だ。

 
リーダーは私が責められている間も
あーだこーだ考えている間も
じっと見ていた。
視線が痛い。

 
見ないでほしい。
泣きたくなる。
こんな情けない私を見ないでほしい。
ほおっておいてほしい。
大丈夫だから。大丈夫だから。
私一人でやるから、リーダーは忙しいんだから
自分の仕事をやればいい。

 
そう思っても
リーダーは私から目を離さなかった。
目は合わせなかったけど分かった。
だって、視線をずっと感じたから。

 
私の様子をしばらく見た後
リーダーは「……ここはこうしたらいいんじゃないかな?」と言った。

 
私は迷った。

新施設長は私に考えるように言った。
だから新施設長の前でリーダーを頼ってまた何か言われそうで怖かった。
もう少し自分で考えてからアドバイスを求めるならまだしも
こんな風に最初から頼りすぎるとまた言われそうで怖かった。

 
だけど
リーダーは多分分かったのだ。
新施設長からの言葉に対する私の受け答えで
私には無理な仕事だと分かったのだ。
手助けが必要だと分かったのだ。

だからずっと見ていた。 
心配だったから。

 
私が自分から助けを求められない、求めてこないから
手を差し伸べたのだろう。

 
結局は新施設長の近くで…会話が聞こえるほど近くで……リーダーと仕事の件を長々と相談し、決めて、新施設長の前まで行き、報告した。まるで茶番だ。

 
やはり最初からいつもと同じように
リーダーと新施設長で決めればよかったのだ。
私ではよく分からないのだから。

 
仕事が終わり次第職場を出た。
涙が後から後からこぼれた。

みんなの前で責められてばかりで辛い。
仕事ができなくて辛い。

 
明日仕事に行きたくない。

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