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福祉の仕事

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仕事中に気づいた発見や喜びを書いています。
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2022年4月の記事一覧

車椅子を押して公園に行ったら

車椅子を押して公園に行ったら

車椅子の利用者とマイペースにゆっくり歩く利用者と三人で公園に散歩に行った。

 
日差しがまぶしい。
最高気温27度だ。

車椅子の方を押すと汗が流れるし
ゆっくりな方の手を引いても嫌がったり、道路真ん中側を歩こうとし
なかなかに同時に一緒に歩くのはしんどい。

 
ゆっくりな方は私の手ではなく、腕を掴みたがり
腕が痛い。

 
車椅子の方は100kgぐらいで
なかなかに体力を使う。

 
公園は

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焼おにぎりとカツ丼

焼おにぎりとカツ丼

その日の販売は
始まりからついていなかった。

 
まず、駐車場が空いていなかった。

 
警備員からは徒歩10分以上の場所に停めて
そこから荷物を運ぶように言われた。

荷物は大量なのに
そう言われた。

 
私は入口で降ろしたいと話したら
細かく駐車の位置を指定された。

荷物を一旦外に降ろし、その荷物を抱えて何往復かして室内に運び
私はそこで利用者に荷物番を頼んだ。

何故そこでイベントと決

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爪楊枝アート

爪楊枝アート

爪楊枝に色を塗り
それを刺していき
絵を描くというものを
工作の時間に行うことになった。

 
「真咲さん、見本作ってもらえますか?」

 
と、リーダーに言われ
私は地味な色で絵を描いていく。

 
爪楊枝に色塗りはめちゃくちゃ時間がかかるし
この工作は
一人あたりたくさんの爪楊枝を使う。

キレイな色の爪楊枝を
私ごときがたくさん使ってはいけない。

 
 
初めて爪楊枝アートを行ったが
とて

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エプロンを持参しようと決めた日

エプロンを持参しようと決めた日

…またやってしまった。

 
ハイターで洋服を白くしてしまったのが
入職して4回目。

 
気をつけていたのに
スピッツのTシャツやお気に入りのパーカーを汚してしまい
ショックで仕方ない。

 
前の職場はいつもエプロンをつけていたので
こんなことはなかった。

 
 
やはりエプロンをつけたい。

 
エプロンをつけない職場だから
Tシャツ等丈が短いと
動く時に色々見えそうで不安になってしまった

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踊りを見られた瞬間

踊りを見られた瞬間

ポスティング作業をしていた時
利用者の一人がポストに入れ
もう一人の利用者は待っていた。

 
楽しい気分になったらしくその利用者は踊り出した。
感情の起伏が激しく
踊り出すと、私まで嬉しくなる。

 
私は一緒になって踊った。

 
「あ、ほいっ♪あ、ほいっ♪」

 
調子に乗って二人で踊った。

 
 
すると、住宅から住人が出てきた。

 
「おはようございます!」

 
「あ、おはようござ

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障害者からのある電話

障害者からのある電話

ある日、電話がかかってきました。

 
「私、障害者なんですけど、そこ使えますか?」

 
当事者から利用希望の電話だった。手帳はまだ持っていないという。

まずは手帳を作ってからではないと施設は使えないことを説明すると
その人は電話を切った。

 
 
これは初めてのことじゃない。

前の職場でも電話はあったし 
アポなしで施設に来て「今日から利用できる?」と言ってきた人もいる。

 
だけどい

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「自分、空いていますよ。」

「自分、空いていますよ。」

コロナ禍により販売イベントが減少している。

 
県や市のイベントだけでは売り上げ目標が達成しないので
私は上から
一般のイベントを探し
申し込むように言われていた。

 
基本的には土曜日か平日のイベントを探すが
いいなぁ…と思うイベントが日曜日にあり
元彼に似た同僚に相談した。

基本的には、私と彼でイベント出店を決める。


「このイベント、いいですねぇ………近くでコンサートやったり、講座

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GHが嫌な理由

GHが嫌な理由

施設の近くに新しくグループホーム(GH)ができたらしい。

 
私の職場内にはGHや入所施設がない為
将来を見越して
何人かの保護者が利用者と共に見学に行った。

 
だが
某利用者は見学をすぐにやめて走ってきた。
どうしたのだろうか。

 
「あのGHは行きたくない!」

「なんで?」

「俺は一階がいいんだ!」

 
話を聞くと
その利用客は平屋に住んでいる為
GHも二階がない場所がいいらしい

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施設と駐車場が遠いとこうなる

施設と駐車場が遠いとこうなる

「お先に失礼します。お疲れ様でした。」

 
私は職場を出た。

 
うちの職場は駐車場まで徒歩5分かかる。

 
少し残業したこともあり
一刻も早く帰りたいと早歩きになる。

 
ようやく駐車場に着き
さぁ帰ろうと思ったら
車が開かない。

 
ロッカーに鍵をつけっぱなしだと気づいた。
私は車の鍵にロッカーの鍵をつけているのだ。

 
再び今来た道を歩き
職場に戻り
入り口に立つ同僚から鍵を受け

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泣き喚く利用者、苛立つ私

泣き喚く利用者、苛立つ私

私は某利用者とポスティング作業をする予定だった。

 
だが
その利用者は「行きたくない!」と泣き喚き
近くにある物を投げたり、叩き
私のことも叩いた。

 
それが30分続いた。

 
 
これは初めてのことではなく
しょっちゅうあることだ。

 
だが
近くにいても施設長が素知らぬ振りをしていたり
周りのグループはポスティングにとっくの前に行ってしまったことで
私はより焦っていた。

 
どう

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叩かれる母親、叩く子ども

叩かれる母親、叩く子ども

感情が不安定な時に誰かを叩いたり、物を壊してしまう利用者がいる。
薬は効かない。

 
一番攻撃をくわえている相手は母親である。

 
そしてその利用者を一番見ているのは母親であり
その利用者が一番好きな相手もまた
母親である。

 
ある日
興奮状態でその利用者が登所した。 
奇声を上げたり、車を叩いている。

 
母親は朝から疲れていた。

 
職員が母親に話を聞いている時
その利用者が母親に

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シミだらけの手

シミだらけの手

今の職場はほぼ毎日外出するため、シミができやすい。
私の腕にはだいぶシミができた。

私「シミが増えちゃったぁぁぁぁ。」

利用者「いいじゃないの~♪」

私「ダメよ~ダメダメ♪」

日焼け止めクリームを塗ったりして
今年も頑張ろう。

職員会議の日はコーデに気合が入る

職員会議の日はコーデに気合が入る

私の職場は二ヵ月に一回会議がある。

 
普段は動きやすい格好だし
髪は束ねるが
会議の日は自由だし
髪もおろしていい。

 
前の職場は
休みの日でもスカート類は禁止だったので
非常に驚いた。

 
職員会議は半日かかるし
ほとんど座りっぱなしで休憩もない。

 
職場内研修を私が担当することもあるし
早く終わればいいのになぁとよく思っている。

 
だけど

 
みんなの私服を見るのは楽しいし

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無言で頷いた同僚

無言で頷いた同僚

施設長が
「あの作業は職員何人必要なの?」と急に聞いた。

 
私は咄嗟で焦った。

「…私、Aさん、Bさん、Cさん、Dさん…………で、5人…?」

すると、同僚のAさんが私を見て無言でコクリ、と頷いた。
施設長からは死角だった。

「5人です!」

私はハッキリ言った。

 
ありがたかったし
ときめいた。

 
 
こうしてさり気なく助けてくれる男性って
素敵だよね。