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おりたらあかんの読書ログ

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年間100冊を15年間続けてきました。でも、本当に知らないことばかり!というかアウトプットがまだ少ないなあと感じています。過去に読んだ本は「読書ログ」としてまとめてきたので、それ…
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2022年11月の記事一覧

フランチェスカ・ビアゼットン「美しい痕跡 手書きへの讃歌」みすず書房

フランチェスカ・ビアゼットン「美しい痕跡 手書きへの讃歌」みすず書房

著者はカリグラフィーの第一人者。ジュゼッペ・トルナトーレ監督『海の上のピアニスト』(1998)の題字、2006年トリノ冬季オリンピックのテーマ文字などを担当したこともある「手書き」の達人だ。

「手で書く」ことを生業にして生きてきた人のことだけあって、言葉の一つ一つが深く、重みと味わいがある。とても思いつかない表現の連続だ。デジタル化の中で忘れ去られようとしている「手書き」の価値を再発見させられた

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吉荒夕記「バンクシー 壊れかけた世界に愛を」美術出版社

吉荒夕記「バンクシー 壊れかけた世界に愛を」美術出版社

バンクシーに、はまった・・。知れば知るほど、ワクワク感がとまらない!

彼を生み出した土壌はイーストロンドン。いわばスラム街。ストリートアートやグラフィテイのあふれる「アンダーグラウンドでアナーキーな」街、プリストルで育まれた。多様性に溢れ、権力に媚びない街・・。そこを拠点に活動し続けた。だからこそ、バンクシーは覆面アーチストで居続けられるのだそうだ。「プリストルの英雄」バンクシーは市民が守ってい

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オリバー・バークマン「限りある時間の使い方」かんき出版(FOUR THOUSAND WEEKS)

オリバー・バークマン「限りある時間の使い方」かんき出版(FOUR THOUSAND WEEKS)

先月、久しぶりに紀伊国屋書店(富山店)にいったら、この本がベストセラーになっていたので、ペラペラとめくっていたら<ハイデガー>という無視できない人の名前が出ていたので、読んでみることにした。

エッセンスは下記の通り。まあビジネス本は、どうしてもそんな読み方になるかな?俺はこの本がきっかけで、ハイデガーの世界にしばし浸かることになってしまった。机上には分厚い「存在と時間」が・・(大汗!)。ああ、ま

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北川東子「ハイデガー」NHK出版

北川東子「ハイデガー」NHK出版

ハイデガーの「存在と時間」を前に途方にくれているのもつまらないので、入門書!ということで図書館でこの本を借りてきた。「シリーズ・哲学のエッセンス」の中の一冊だ。こういう入門書は大事だよなぁ^^!

「存在」の専門家がいてもいいじゃないか?

そんな問いかけから始まった。ハイデガーが試みた「基礎存在論」「現存在分析」。これで我々の存在をある程度考察できる。存在論とは「存在そのもの」について考える思考

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エルジェビェータ・エティンガー「アーレントとハイデガー」みすず書房

エルジェビェータ・エティンガー「アーレントとハイデガー」みすず書房

図書館でハイデガー関連書を検索していて、偶然みたこの表題に「え!?」思わず息をのんだ。ハンナ・アーレントとハイデガーが何の関係?いやはや驚いた。もう不倫ドラマなんてもんじゃない。あらゆる情念的なものを飛び越えた関係をこの二人を持ち続けた、半世紀以上も前に・・。

ハンナ・アーレントは映画化もされているが、「全体主義の起源」で有名な世界的な哲学者、思想家だ。ユダヤ人知識人としてナチスドイツのアイヒマ

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