マガジンのカバー画像

80'sの詩

277
80'sの詩をまとめてみました!!読んでいただけたら、嬉しいです☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆ 宜しくお願い致しますm(_ _)m♡♡♡
運営しているクリエイター

#note毎日更新

詩「365日」

詩「365日」

言葉に出来なかった感情は
清澄な文字で空気中に浮かんでいる
膨大な数の一部分を拾い上げて
意地でも掬って
無骨に表現して
僕は詩を書いた

ある時は 筆が進むままに
ある時は イメージが進行するままに
ある時は 感情のままに
ある時は 緻密に計算して
ある時は 過去の自分に手を引かれるまま
ある時は 誰かの言葉に胸が弾んで
ある時は 自分の人生と他人の人生が並行して
ある時は 落ちてきた文字を拾い

もっとみる
詩「クラゲ」

詩「クラゲ」

そこに 私は居ました
瞼が引っ付きそうな教室の片隅で
膝下のスカートを揺らして漂っていました
閉ざされた小宇宙を

見ようとしたら見えるし
見ようとしなければ意味も無い
あなたの瞳には誰が映ってる?
乳白色のクラゲじゃないね
此処には光るアクアリウムも無い
(私は いつも舞台に立てない。)
時間は泡よりも早く消える

海水に同化していくクラゲの様に
私も教室の壁に擬態する
着飾りもしない
毒も持た

もっとみる
詩「熱帯夜」

詩「熱帯夜」

自分じゃどうにもできない
狂いそうな熱も
沸き出す汗も
この焦燥も

うまくコントロールできたら良いのに
何もかも
湿った熱が 私の体に侵入する
その瞬間
ネオンに溶ける夢を見る

あなたは私の姿を捉えたのに無い者にした
ボタンを押さずに関係は終わる
輪郭を持たない亡骸の群れ
(友情なんて紙一重。)
私は ただ…

一言が熱の中に混じり合い溶け合った
言葉は輪郭も残さなかった
どうせ伝える感情も無

もっとみる
詩「息継ぎ」

詩「息継ぎ」

遥か遠く
あなたの背中は見えない
私は 荒い息継ぎを繰り返す

急激な水飛沫をあげ
あなたはイルカに還った
振り返る事もせずに

私は まだ幼くて
息継ぎさえ 拙い
不器用な呼吸の所為で 頭に鈍い痛みが走る
あなたは私の中で いつまでも遠いのです

私の手があなたの背中に届いた瞬間
空が変わらず青く見えます様に…

水を掻きながら
呼吸を繰り返した
水飛沫をあげ
私は泳いだ
滅茶苦茶な格好で
(空

もっとみる
詩「演奏」

詩「演奏」

濃密で繊細な音は
今日の朝の一音から始まる
誰も居ない教室の片隅で…
僕の耳に その音は鳴り続ける

広大な宇宙で まだ知らない惑星を探検するみたいに一人では出来ない事もあるのだと知った
強烈な光を放つ星の為に全体が一つに纏まる事もあるのだと知った
求められる表現を超えて まだ誰も確認されていない場所まで行きたい
僕は空気を振動させる
震えた一音に魂は宿ると信じて

僕の想いは音となり周囲に伝わっ

もっとみる
詩「ひまわり」

詩「ひまわり」

泣いたことなんてないよ
そう笑って言うけれど
それが嘘だって
皆 言わなくても分かっている
そっと涙を零すんだ
誰も見ていない深い夜の闇に紛れて

光が出れば涙なんて渇いているだろう

光が出れば嫌でも上を向く
光が出れば嫌でも笑っている
そう それが君の生き方

僕の隣にいる時は そっと泣いてもいいよ
それでも君は笑うだろう
そう
それが君の生き方
僕が好きな君の生き方

詩「七夕」

詩「七夕」

逢いたい人がいるのです
涙の川を超えて
一目だけでも…
一年に一度の奇跡を誰もが願う

地上では短冊に願いごと
笹の葉が夜風に揺れて知らせる
此処に想いはあるのだと…
夜空を見上げて
願いごとの数だけ星は煌めく

今日くらいはスマホの光から離れて
アナログの世界を生きよう
人工の音と光を消して自然に還ろう

久しぶりに
下ばかり見つめる顔じゃない君が見たい

私の目を真っ直ぐに見つめて
一年に一度

もっとみる
詩「大河の様に」

詩「大河の様に」

茶色い濁流が波立つ
砂の一粒一粒が ぶつかり合いながら弾ける
白い泡を吹きながら 川はうねる
沢山の感情がぶつかり合う
(それぞれが自分が正しいと信じ それぞれが己が正義だと思っている。腹の底にナイフを沈めているから 迂闊には横切れない。)

事実と真実が交錯する
過去ばかりが尊重され 今を見失う
私達の感情さえ のみ込もうとする激しい流れ
ただ流されない為に 手を差し出す
(目を背けず 真正面か

もっとみる
詩「believe」

詩「believe」

私だけの輝く星は此処にあるから
例え世界が暗闇でも
私は歩き続けるよ

夜風が優しく前髪を撫でる
そっと目を瞑る
淡い光が中心から広がる
それは
ずっと忘れていた優しさの色
私の世界に広がる

冷たい夜が溶けてゆく
今夜は素直に信じられる
私は私と…

詩「ターコイズブルー」

詩「ターコイズブルー」

風の中に砂の匂いが混じる街
乾燥した目に影絵を映した
色彩は感じ取れなかった
私の目の中に浮かぶ黒
(弱さを認めるとこわくなる。もっともっと脆くなる。)

今までは自分以外
失うものは何もなくて…

私達を知らない場所へと飛ぶ
目の中に飛び込んできた
ターコイズブルーが私の世界に色を戻した
あの日
二人で見た海の色
(目の中に宿ったターコイズブルー。
 二人だけの色が
 私の体に夏を呼び込む。)

もっとみる
詩「蚊」

詩「蚊」

溜まった温い水から湧きでる命
あそこには生命の源が
たくさん たくさん沈んでいるのです
そうして ゆらゆらと揺れているのです
季節の熱と共に

私という個体は何十年も この世界を
生き永らえているというのに
ブルブルと小刻みに羽を震わす事も出来ない
お腹の中に痛みを抱えて うずくまっているのです
(灰色の硬い石像の様だ。)
世界は広くて自由だというのに
今日も小さく体を丸めて
その場に倒れ込んでい

もっとみる
詩「千年の樹」

詩「千年の樹」

動物達が行き交う獣道
車を走らせると辿り着く
何年もの昔
沢山の人々が
自分の足で歩いて訪れた場所

階段を昇る度 だんだんと私は小さくなる
枝が折れても尚 新芽を出している
千年のクスノキが葉っぱを大きく揺らしている
私は その葉っぱの一枚分にしか過ぎない
クスノキが何年も生きている間 何回か呼吸をしただけ
それだけ
そんな小さな私を受け止めてくれる
長い間 蓄え続けた力がそこにある

千年前と

もっとみる
詩「夏のはじまり」

詩「夏のはじまり」

季節が不規則に変化しだしてから
夏のはじまりを見失う
ノートに貼り付けていた
水色の付箋が落ちた

夏が来る前に
この街は何度も夏の顔を見せた
貼り付けているカレンダーの月が怪しく微笑う
熱に負けて半袖シャツに袖を通す
私が生きている間に少しずつ季節は狂っていた

夏の香りがしたけど
それは気のせいですか?
夏の号令を聞き逃すのは
私のさがですか?

氷を口に含み
汗を拭う
私は一人 あつくなった

もっとみる
詩「燕の子」

詩「燕の子」

生えたての羽根を微かに震わせて
その場から動けない
人生を立ち止まる私の姿と重なり
ふと足が止まる

あと一歩飛び出せば
翼をはためかせ
広い空へ行けるのに

旋回した仲間達が
こちらへおいでと
何度もぐるぐると廻っている

いつの間にか
燕の子は
空へ飛び立っていた…
一瞬で世界は変わる