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詩「夏のはじまり」


季節が不規則に変化しだしてから
夏のはじまりを見失う
ノートに貼り付けていた
水色の付箋が落ちた

夏が来る前に
この街は何度も夏の顔を見せた
貼り付けているカレンダーの月が怪しく微笑う
熱に負けて半袖シャツに袖を通す
私が生きている間に少しずつ季節は狂っていた

夏の香りがしたけど
それは気のせいですか?
夏の号令を聞き逃すのは
私のさがですか?

氷を口に含み
汗を拭う
私は一人 あつくなった身体を抱えて
夏のはじまりに耳を澄ませていた





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