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詩「熱帯夜」


自分じゃどうにもできない
狂いそうな熱も
沸き出す汗も
この焦燥も

うまくコントロールできたら良いのに
何もかも
湿った熱が 私の体に侵入する
その瞬間
ネオンに溶ける夢を見る

あなたは私の姿を捉えたのに無い者にした
ボタンを押さずに関係は終わる
輪郭を持たない亡骸の群れ
(友情なんて紙一重。)
私は ただ…

一言が熱の中に混じり合い溶け合った
言葉は輪郭も残さなかった
どうせ伝える感情も無い
私の憂鬱が しけった夜を加速させる
頭の中で成立していない方程式を解こうとする
最寄りの駅で Xを落としてきたのかもしれない
あなたが前を向いた時に…

頭の中でyが蜃気楼を目撃する
Xが存在していた頃の…

脳が余計な熱を持つ
服が汗で体に張り付く
タオルケットを足で払う
湿り切った四角い部屋の中で

どうして

中途半端な夜を越えられないんだろう


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