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詩「千年の樹」


動物達が行き交う獣道
車を走らせると辿り着く
何年もの昔
沢山の人々が
自分の足で歩いて訪れた場所

階段を昇る度 だんだんと私は小さくなる
枝が折れても尚 新芽を出している
千年のクスノキが葉っぱを大きく揺らしている
私は その葉っぱの一枚分にしか過ぎない
クスノキが何年も生きている間 何回か呼吸をしただけ
それだけ
そんな小さな私を受け止めてくれる
長い間 蓄え続けた力がそこにある

千年前と似た様な風が私達の横を通り過ぎた
私の頭上に無明な予感が落ちてくる

幾年の年月からみれば 一瞬の出来事
それでも私は再会を願った
今よりも優しさを積み重ねた私で

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