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消失する「スケール」と「フォーカス」のトレードオフ
これまで長いこと、マーケティングや経営学の世界では「フォーカス」と「スケール」はトレードオフの関係にあり、これを両立させようとすることは一種の「ないものねだり」だとされてきました。
しかし今日、このトレードオフは性質を変えつつあります。その変化を促進している要因がグローバル化とテクノロジーです。
たとえば日本国内というローカル市場において、出現率が5%しかないニッチセグメントにフォーカスを絞っ
20世紀は「メディア」と「流通」がビジネスのあり方を決めた
18世紀の産業革命以来、「強いビジネス」とはすなわち「大きなビジネス」のことでした。巨大な資金によって垂直統合型のビジネスモデルを構築し、大量生産したものを巨額の広告費をかけて広範な流通網で売りさばく、という暴力的なビジネスこそが常に勝者であり、資金を集められないもの、大量に生産できないもの、巨額の広告費を捻出できないものは、日陰で細々と生きていくしかありませんでした。
そのような時代を長らく過ご
意味のパワー、まとめ
意味やモチベーションの話し、まとめです。
・生産性が向上しているにもかかわらず、労働時間が減っていない理由として、私たちの仕事のかなりの部分が、実際には意味のない仕事になっている可能性がある。その状況を示唆するように、各種の調査によれば、多くの人が自分のしごとに「やりがい」や「意味」を感じることができていない。
・人的資源には可変性がある。人の発揮する能力を静的なものとして考える傾向があるが、
戦争をなくすことを掲げる格安航空会社
21世紀に入って大きな存在感を示している会社の多くが「ミッション」を明確に定義しているのは、このような世界において才能のある人材を集め、彼らの潜在能力を全開させるためには「意味」が重要だということを、彼らもまた理解しているからです。
アップルやグーグルも明確なミッションを掲げています。
LCC(格安航空会社)として独自の存在感を放っている日本のピーチ・アビエーションを取り上げてみましょう。
全
モチベーションは現代社会の最大の資源
これから多くの組織において中核をなすことになるミレ二アル世代の人々は「意味」の有無に対して極めてシビアな評価視点を持っています。
イギリスのガーディアン紙によるミレ二アル世代を対象とした調査では、高い給料をもらうよりも人のためになる仕事をしたい=44%、勤務先が社会に貢献していると働く意欲が増す=36%となっています。
つまり彼らは職業選択にあたって「意味」を極めて重視している、ということです。
新約聖書は「意味のパワー」を示している
意味を与えると人は豹変する。これをよく示しているのが新約聖書福音書の物語です。福音書の物語にはさまざまな示唆がありますが、最も重大な示唆の一つとして「意味を与えられた人は豹変する」という点が挙げられます。
ペテロをはじめとしたイエスの12人の弟子たちは、イエスの生前においてはまったく見るべきところのない意気地なしの集団に過ぎません。イエスが処刑される際にも誰ひとりとして助けようとせずに逃亡してしま
人のモチベーションは可変量関数
意味を語らず、ひたすらKPIに代表される目標値を振りかざして部下を叱咤するオールドタイプと、目的と意味を語り、部下のモチベーションに訴えるニュータイプとでは、組織から引き出せるパワーに大きな差が生まれることになります。なぜなら、人のモチベーションの量は「意味」によって大きく変わるからです。
「報酬」ではないのですね。ここを勘違い(間違い)している人は多いですね。特に昔の経営者。
経営資源として
モチベーションが経営資源として希少化している
社員意識調査の大手であるギャロップ社によると「仕事に対して前向きに取り組んでいる」と答える従業員は全世界平均で13%しかいません。
また、日本のリクルートキャリアによる「働く喜び調査」でも、「働く喜び」を感じていると答えた人は全体の14%となっており、その他の調査も含めてまとめれば、およそ8割から9割の人は、自分の仕事を「どうでもいい」と考えており、「意味」や「やりがい」を見出せていないことが示唆
ケインズの予言は本当に外れたのか?
20世紀前半に活躍したイギリスの経済学者ケインズは、「将来の人は週に15時間しか働かなくなる」と予言しています。
技術が進歩するにつれて、単位労働時間あたりの生産量は増えるので、ニーズを満たすために働かなければならない時間は次第に減り、やがてはほとんど働かなくていい社会がやってくるだろう、と予測したわけです。
こんな予測は、外れてますよね。普通に考えたら。
ここで逆の思考をする事が大事なんですよ