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ケインズの予言は本当に外れたのか?

20世紀前半に活躍したイギリスの経済学者ケインズは、「将来の人は週に15時間しか働かなくなる」と予言しています。
技術が進歩するにつれて、単位労働時間あたりの生産量は増えるので、ニーズを満たすために働かなければならない時間は次第に減り、やがてはほとんど働かなくていい社会がやってくるだろう、と予測したわけです。

こんな予測は、外れてますよね。普通に考えたら。
ここで逆の思考をする事が大事なんですよね。

筆者は考察します。「ケインズの予測は本当に外れたのか?」
確かに、表面的には先進国の労働時間はケインズの時代とほとんど変わっておらず、1日に3時間しか働かない社会が到来する、というケインズの予測は外れたように思います。しかし、このように考えることはできないでしょうか?
すなわち、ケインズの予測は実現した。有史以来、人間を悩ませ続けてきた「不満・不安・不便」を解消するために重要な労働は、1日に3時間程度で済むようになった。残りの時間は、実質的な価値を生み出さない「虚業的労働」に陥っている、という考えです。

この意見には賛同します。僕も朝、みんなが出社する前に集中して仕事をする様にしたら、時間が余る様になりました。
もう、帰ってもいい?みたいな(笑)

このような仮説は唐突に響くかもしれません。しかし、ケインズのこの論文を噛むようにして読んでいくと、当のケインズ自身もこの様な状況が発生することを予測していたように感じられるのです。抜粋を引きます。

~ しかし思うに、余暇が十分にある豊かな時代がくると考えたとき、恐怖心を抱かない国や人はないだろう。人はみな長年にわたって、懸命に努力するようしつけられてきたのであり、楽しむようには育てられていない。とくに才能があるわけではない平凡な人間にとって、暇な時間をどう使うのかは恐ろしい問題である。 ~

この文章を読むと、ケインズ自身も、1日3時間労働が実現すると、余暇に耐えられない多くの人々によって、余った時間を埋め合わせるための「実りのない仕事」が生み出され、そして多くの人は、それらの仕事のあまりの「実りのなさ」に耐えられず精神を病んでしまう、ということを予測していたように思います。

ここ数ヶ月、このような思いをした人は多いのではないでしょうか。
リモートだとは言っても、8時間ずっと仕事なんて、、、、無いですよね?雨降りで外へ出られなかった7月も辛かったですよね。仕事があるって、本当にありがたいことなんだと、痛感しております。

ここまで読んで頂きありがとうございます😊