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1日に映画館で映画を何本見られるか
イオンシネマが1日映画見放題のフリーパスを期間限定で発売していると知った。2,500円で何本でも見られ、しかもドリンクが飲み放題という太っ腹な企画だ(現在は終了)。筆者は以前から、映画は1日1本というのを原則としてきた。2本以上見てしまうと、最初に見た作品の印象が薄まってしまう。1つの作品を重んじ、その日はその作品のことを考えるためにも1日1本としてきた。
ところが、今回、映画見放題というあ
映画『一度も撃ってません』
シジミ汁が好きな売れない作家「御前零時」は一度成功したものの、その後は鳴かず飛ばずで、気付けば高齢者のど真ん中。親子以上に年の離れた新人編集者には、「売れない」「物語じゃない」とこき下ろされる。夜になると作家は、行きつけの酒場を回り「夜は酒が連れてくる」と長年の飲み仲間とくだをまいていた。だが、そんな落ち目の作家にはある噂があった。「あの人の小説は、殺人の描写が具体的すぎるんだ。まるでその場にい
もっとみる海を渡ったピンク 映画『壁の中の秘事』
1965年、ベルリン国際映画祭に衝撃が走った。日本代表のその作品は、上映開始直後から観客のストップの声や口笛が吹かれるなど大ブーイングが起った。故・若松孝二監督の『壁の中の秘事(ひめごと)』は、ピンク映画を手掛けて評価を得た監督が、若松プロとして独立後に製作したピンク映画だ。冒頭からスターリンの肖像をバックに、ケロイドを負った平和活動家の男と、人妻によるベッドシーンが展開される。
今でこそ、