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『三千円の使いかた』月1読書感想文 3月
『三千円の使いかた』 原田ひ香 2018年中央公論新社
既に読んだ人も多いとは思うが、かなり話題になった本。
ちょっと出遅れて図書館に予約を入れたら、待つ事2年!更にまだ後ろに200人程の利用者が待っているという凄さ。
それもこれも、『人は三千円の使い方で、人生が決まるのよ』と本文にもある通り、貯金や節約、お金の使い方等、普段の自分の生活と重なる内容に読む前から期待が膨らむ。
貯金に目覚めた
月1読書感想文 1月 『傘下の花』
『傘下の花』 ーあのころの、ーより 彩瀬まる 2012年実業之日本社
女性作家6人による、女子高生をめぐる6つの物語。
夢や憧れ、嫉妬、悲しみ、不安、怒り…あのころ、の女子高生ならではの揺れ動く心や主人公たちを取り巻く環境や人々。「ああ、そうね、そんな感じだったよね」そう思いながら読み進めた。
その中から『傘下の花』について感想を書いてみたい。
シングルマザーの母親の仕事の関係で、転校を繰
月一読書感想文 12月 『ハンチバック』
『ハンチバック』市川沙央 2023年 文藝春秋 第169回芥川賞受賞作品
ハンチバック=せむしの怪物
主人公は難病のミオチュブラー・ミオパチーを患い、両親から残された莫大な遺産とグループホームで医療的処置と介護を受けながらでないと命を保つ事のできない重度障害者の女性。
彼女はネットに性的な記事や小説を納品し、グループホーム外の世間と繋がりを持ち続けている。日々壊れていく体に諦めるのは簡単だが、
『花に埋もれる』 月一読書感想文 10月
『花に埋もれる』 彩瀬まる 2023年新潮社
『女による女のためのR−18文学賞』受賞作『花に眩む』・英文芸誌『GRANTA』掲載作『ふるえる』が収録されたベストアルバム的短編集となっている。
恋人の身体よりもソファーの肌触りを愛する女『なめらかなくぼみ』
愛した女の首筋が翳っていくのを目にすると、美しい植物の茎を奥歯で噛み潰しているかのような、うす暗い官能が脳に広がって行く『二十三センチの祝