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『対立・葛藤』類語辞典 月1読書感想文6月

『対立・葛藤 類語辞典』上・下巻 アンジェラ・アッカーマンベッカ・パグリッシ2022年 フィルムアート社

書店の棚で偶然目にした書籍。
〇〇類語辞典というちょっと厚めの本が数冊並んでいた。
『類語辞典』と銘打っていのだから辞典なのだろうが、カラフルな色合いと表紙の雰囲気から、イマイチ辞典と思えずにその時はそのまま通過。

辞典を多数出版している出版社の類語辞典も数多くあり、文庫や新書サイズの割と手に取りやすい物は度々見掛けいたのだが、このシリーズは初めて。
後日Amazonで調べたところ、2015年に『感情類語辞典』が発行されて以降、創作をしている人たちの間ではかなりの話題になった書籍らしい。
シリーズは全9巻。
1冊が結構厚みがあるので、全巻揃えるときっと結構な存在感。本棚のスペースが必要。
各巻に有名作家等の帯が付いている。プロでも愛用者が多いという事なのだろう。

早速、図書館に予約を入れる。
で、図書館にあったのが、この対立・葛藤類語辞典。
確かに、恋愛小説だろうが、青春小説、純文学にミステリーにホラーも、全ての物語に対立や葛藤は付き物。対自分、対ライバル、対自然や社会。
対立や葛藤が全くない人などいないだろうし、その要素が全くない物語など面白くない。

ただ単純な辞典なのかと思いきや、冒頭かなりのページ数を使って創作に対してのHOW TOの部分が続く。
対立・葛藤をどうプロットに組み込むか、キャラクターやストーリーへの影響などの考え方だ。
そしてその後に、実際のケースに対しての様々な描写が見開き1ページ分ずつ続く。

人間、蓄えている語彙の量は限りがあるだろうし、特にわたしの様にせっかく読書をしても数冊前の内容はほとんど覚えていません、みたいなタイプでは語彙量はなかなか増えていかない。
特にそんな人は、他の人の中にストックされている語彙をピンポイントで狙って触れる事ができるのは「ああ、こんな表現、自分じゃ思いつかないな」 と目から鱗、になるのかも。
とは言ってみたが、かなり読み応えがある内容なので、実際の所まだ読んでいる最中。

実は以前、「語彙力少な過ぎ」という超ショッキングな言葉を浴びせられた事がある。
あまりのショックさに、CMのように「Hey!Siri 語彙力注文して!」と言いたくなったぐらい。
その苦い思い出を払拭してくれる事を、ひっそりと期待してみたり。

著者が海外の人なので、翻訳小説と同じ独特の読みづらさが気になる人もいるかもしれないが、内容的には興味深い部分が多いので辞典としてだけではなく読み物としてもしっかり読めると思う。

少しでも語彙力がアップする事を期待して、明日もページを捲ってみよう。


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