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ちょびっとの悲劇
2021年9月1日 21:04
僕はここにいていいのかなもう今は君の足跡しか残っていないこの場所でその姿を探し続けている自分が見知らぬ誰かになれれば名前も姿も声もなにもかもが違う別の誰かになれたのならまた君はここに来てくれるのだろうかきっと僕が僕だから今君はいないんだそれでも僕はここにいていいのかなちょびっとの悲劇(56日目)
2021年9月2日 20:59
どうして神様は人の心をこんなふうに創ったんだろう自分でもコントロールできない感情を持たせてねえそれともどうしようもなく感じてしまう苦しみよりどうしようもなく感じる喜びの方がこの世界にはあふれているんですかちょびっとの悲劇(57日目)
2021年9月3日 21:20
ひとつずつ君のことを知ってゆきたいそう考えていたはずだったのに知らない君のことを焦って知ろうとして苦しめてしまっていたんだ知らない君が現れるのが怖くなって勝手に苦しんでしまっていたんだひとつずつ君を知ってゆきひとつずつ僕を知ってもらうそうしかできないとわかっているのにちょびっとの悲劇(58日目)
2021年9月4日 20:07
同じ風が通るこの世界で君の隣を吹き抜けてきた空気を感じてこぼすものどこか遠く 確かにそこにいる僕にとって 唯一の君への想い同じ雨が降るあの場所で二つの肩を濡らしていた冷えた心がこぼすものどこか遠く ここから離れてゆく君の気持ち 解ってしまうからナミダちょびっとの悲劇(59日目)
2021年9月5日 23:17
二人が一緒に笑顔になれたそれは今の僕にはあまりに幸せだった過去でその残り香に微笑んではまた痛みに移り変わるこれが失ったものがどんなに大きいかという証なんだちょびっとの悲劇(60日目)
2021年9月6日 22:46
この世界のどこかに僕らは小さく生まれて誰かの手で愛でられる花は未だ咲かない僕らは小さな蕾のひとつだけど時間をかけて花開き誰かに包まれたように誰かを愛すことのできるひとつの手のひらになるちょびっとの悲劇(61日目)
2021年9月7日 23:21
こんなに近くに感じてそれでももっと近付きたいと思える人心から僕は君を好きなんだただひとり今までで一番大切だと思える人心から僕は君を愛したいんだちょびっとの悲劇(62日目)
2021年9月8日 21:45
心の中で君の方へばかり風が吹く暖かい空気を運びたいのに不意に風は強くなる立っているのがつらそうな君を見ながら想いを吹き付けて君を苦しめてるこの気持ちが消えてしまえばいいのにどうしてどうしてなくなってくれないんだろうちょびっとの悲劇(63日目)
2021年9月9日 22:07
僕が見ていたのは君の幻想でもうこの腕に抱けはしないよ濡れたその瞳が静かに僕を見据えるそんな情景さえ記憶から浮かび上がって苦しいんだちょびっとの悲劇(64日目)
2021年9月10日 21:49
たくさんの感情が産み落とされるこの世界に二人は別々の場所に生まれた眩しいほどの青空の下かどしゃ降りの雨の中か僕らは離れ離れに生まれ落ちただからこそ君が暗い何かを背負っているのなら光になってそれを除いてあげたいもしも僕が背負ってしまっていたのなら君が月になってそれをとかして欲しい支え合うのがとても大切なことだと知りながら真実にそうはできないで来たけれどすぐ隣に
2021年9月11日 23:34
まさかなんて思わなかったこんな時が来るのだろういつからか考えていたからつらいとも思うまるで押し潰されるようにでも僕らは前を向くんだもう泣かないと自分に聞かせるんだ大きなものをここに貰ったからせめてそれがつよさになってゆけるようにちょびっとの悲劇(66日)
2021年9月12日 23:14
この場所は特別だ君が確かに居るから青白い空さえ鮮やかで映り込んだ涙が青く青くこの世界は欠けがえない君が確かに居たから例え二度と訪れないとしても沈んでゆく陽が赤く赤くちょびっとの悲劇(67日目)
2021年9月13日 23:58
朝靄の中に泣いている僕がいた流した涙が静かに雨になってきれいな感情ばかりじゃないからいろんな想いをその中に紛れ込ませてちょびっとの悲劇(68日目)
2021年9月14日 23:23
どっちにしても君の中で僕という存在は薄らいでゆく遠くない未来にそうして消えてしまうのだと思うだからせめてほんの少しでも会えるあいだ僕は君のために在りたい君が安らげる場所に君が優しく居られる僕になりたいと思うんだちょびっとの悲劇(69日目)