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2021年9月の記事一覧

【詩】ここにいていいのかな

【詩】ここにいていいのかな

僕はここにいていいのかな

もう今は君の足跡しか残っていない

この場所でその姿を探し続けている

自分が見知らぬ誰かになれれば

名前も姿も声もなにもかもが違う

別の誰かになれたのなら

また君はここに来てくれるのだろうか

きっと僕が僕だから今君はいないんだ

それでも

僕はここにいていいのかな

ちょびっとの悲劇(56日目)

【詩】どうして神様

【詩】どうして神様

どうして神様は

人の心をこんなふうに創ったんだろう

自分でもコントロールできない感情を持たせて

ねえそれとも

どうしようもなく感じてしまう苦しみより

どうしようもなく感じる喜びの方が

この世界にはあふれているんですか

ちょびっとの悲劇(57日目)

【詩】ひとつずつ

【詩】ひとつずつ

ひとつずつ君のことを知ってゆきたい

そう考えていたはずだったのに

知らない君のことを焦って知ろうとして

苦しめてしまっていたんだ

知らない君が現れるのが怖くなって

勝手に苦しんでしまっていたんだ

ひとつずつ君を知ってゆき

ひとつずつ僕を知ってもらう

そうしかできないとわかっているのに

ちょびっとの悲劇(58日目)

【詩】同じ風、同じ雨

【詩】同じ風、同じ雨

同じ風が通るこの世界で

君の隣を吹き抜けてきた

空気を感じてこぼすもの

どこか遠く 確かにそこにいる

僕にとって 唯一の君への想い

同じ雨が降るあの場所で

二つの肩を濡らしていた

冷えた心がこぼすもの

どこか遠く ここから離れてゆく

君の気持ち 解ってしまうからナミダ

ちょびっとの悲劇(59日目)

【詩】証

【詩】証

二人が一緒に笑顔になれた

それは今の僕にはあまりに幸せだった過去で

その残り香に微笑んでは

また痛みに移り変わる

これが失ったものがどんなに大きいかという

証なんだ

ちょびっとの悲劇(60日目)

【詩】手のひらになる

【詩】手のひらになる

この世界のどこかに

僕らは小さく生まれて

誰かの手で愛でられる

花は未だ咲かない

僕らは小さな蕾のひとつ

だけど時間をかけて花開き

誰かに包まれたように

誰かを愛すことのできる

ひとつの手のひらになる

ちょびっとの悲劇(61日目)

【詩】心から

【詩】心から

こんなに近くに感じて

それでももっと

近付きたいと思える人

心から

僕は君を好きなんだ

ただひとり

今までで一番

大切だと思える人

心から

僕は君を愛したいんだ

ちょびっとの悲劇(62日目)

【詩】風が吹く

【詩】風が吹く

心の中で君の方へばかり風が吹く

暖かい空気を運びたいのに

不意に風は強くなる

立っているのがつらそうな君を見ながら

想いを吹き付けて君を苦しめてる

この気持ちが消えてしまえばいいのに

どうして

どうしてなくなってくれないんだろう

ちょびっとの悲劇(63日目)

【詩】見ていたのは

【詩】見ていたのは

僕が見ていたのは

君の幻想で

もうこの腕に

抱けはしないよ

濡れたその瞳が

静かに僕を見据える

そんな情景さえ

記憶から浮かび上がって

苦しいんだ

ちょびっとの悲劇(64日目)

【詩】二人でいつまでも

【詩】二人でいつまでも

たくさんの感情が産み落とされるこの世界に

二人は別々の場所に生まれた

眩しいほどの青空の下かどしゃ降りの雨の中か

僕らは離れ離れに生まれ落ちた

だからこそ君が暗い何かを背負っているのなら

光になってそれを除いてあげたい

もしも僕が背負ってしまっていたのなら君が

月になってそれをとかして欲しい

支え合うのがとても大切なことだと知りながら

真実にそうはできないで来たけれど

すぐ隣に

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【詩】まさかなんて思わなかった

【詩】まさかなんて思わなかった

まさかなんて思わなかった

こんな時が来るのだろう

いつからか考えていたから

つらいとも思う

まるで押し潰されるように

でも僕らは前を向くんだ

もう泣かないと自分に聞かせるんだ

大きなものをここに貰ったから

せめてそれが

つよさになってゆけるように

ちょびっとの悲劇(66日)

【詩】青く青く、赤く赤く

【詩】青く青く、赤く赤く

この場所は特別だ

君が確かに居るから

青白い空さえ鮮やかで

映り込んだ涙が青く青く

この世界は欠けがえない

君が確かに居たから

例え二度と訪れないとしても

沈んでゆく陽が赤く赤く

ちょびっとの悲劇(67日目)

【詩】朝靄の中に

【詩】朝靄の中に

朝靄の中に

泣いている僕がいた

流した涙が

静かに雨になって

きれいな感情

ばかりじゃないから

いろんな想いを

その中に紛れ込ませて

ちょびっとの悲劇(68日目)

【詩】どっちにしても

【詩】どっちにしても

どっちにしても

君の中で僕という存在は薄らいでゆく

遠くない未来に

そうして消えてしまうのだと思う

だからせめて

ほんの少しでも会えるあいだ

僕は君のために在りたい

君が安らげる場所に

君が優しく居られる僕に

なりたいと思うんだ

ちょびっとの悲劇(69日目)