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コロナ禍のなかで親族を看取る

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「各施設が新型コロナ対策をとる中での家族の急変、死去」という出来事の中で、緊急事態宣言区域内から地方都市へ出向く必要の出てきた遺族の体験談。実母以外にもいろいろケースが出てきたの… もっと読む
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もう一年、まだ一年

もう一年、まだ一年

画像のチェックしてるついでに過去ログを読んで驚いたんだけど、
義父、まだ一周忌きてなかったね。

今の上長が赴任してから亡くなってるから、ほぼ一年であってるんだけど、
早いな……ではなく、「まだ一年?」って感じで。すったもんだでもうすっかり遠い記憶になってました。
記録に残しておくの大事ですね。

私の吉夢、空気読まない

ちろっと愚痴記事で書いたけど、
上長の異動が判明する日の朝、こんな夢を見ま

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義父が退院するっぽい<6>

義父が退院するっぽい<6>

実はですね。
義父の火葬の日からの三日間、私は連休を取ってたんです。
例によって例のごとく、イベントなんとか割でテンションの上がった夫が、二泊三日の旅行を計画してしまったのですよ。この状態で。

義父が容態が悪化した、という連絡で、キャンセルしようかどうかという話になったモノの、キャンセル料は三日前からだったので、ちょっと様子を見ていたら、「命の危険は脱しました」連絡で、あら、大丈夫かなって思って

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義父が退院するっぽい<5>

義父が退院するっぽい<5>

安置も打ち合わせも死亡当日に一段落。
葬儀なし、預かり安置のいいところ、亡くなった人のために時間を割かれなくていいことです。

残された人に、後を追う隙を与えず、忙殺しながらも気持ちの整理をつけさせてくれる四十九日制度、とても素晴らしいと思う。表向きは亡くなった人のためだけど、葬儀も墓も、生きている人のためのモノだと思っている。
だからこそ、遺族の全てが、亡くなった人を悼んで惜しんでいるわけではな

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しまっちゃえ、義実家!<1>

しまっちゃえ、義実家!<1>

これまでのおはなし

とある町のとある公営住宅に、後期高齢者の老夫婦が住んでいました。
絵に描いたようなDQN夫婦でしたが、安くても安定した年金と安い家賃のおかげで、アルコール依存症の無職長男(初老)を養うことができました。
しかし、ある日、長男は心筋梗塞で突然死。
妻は認知症で介護病院へ入居した後、死亡。
残った夫は、ヘルパーフル活用で一人暮らしを満喫していましたが、ある夏の日、心不全で救急搬送

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義父が退院するっぽい<4>

義父が退院するっぽい<4>

眠れないだろうとは思ってましたが、それなりにうとうとできたようで、気がつけば七時半前。
早朝に到着しひっそりしていた病院の1階に、出勤してくる人たちの声や足音が響くようになりました。
通路を出ればすぐ受付があるので、そこの事務の方も来たようで、トイレに行くときに横を通ったらびっくりされました。

深夜、早朝の病院の1階ロビーなんて、入院患者でもあまりうろつけない貴重な体験なんですが、寒いのよ。裏口

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義父が退院するっぽい<3>

義父が退院するっぽい<3>

夫の朝は早い。
六時に家を出る人が、なぜか三時には起きて身支度を始める。
なにをするかといえば、身支度が終わった状態で居間の定位置に座り、暴れん坊将軍を見ている。

朝はギリギリまで寝ていたい私には全く理解できないのだけど、
おかげで夫は就寝時間も早く、人と生活時間が六時間ほどずれている私が家に帰る頃には既に夫は寝ていて、逆に私が寝ている間に出勤していくため、同じ家に生活していて顔を合わせない日が

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義父が退院するっぽい<2>

義父が退院するっぽい<2>

日曜日、夫を連れて病院へ。
……の前に、業務スーパーに行きたいとか言い出すので、じゃあ買い物したらまっすぐ病院に行くかと。ただ、病院側は来る前に電話欲しいって言ってたから、13時半頃行くって連絡してねと。

買い物をしている間に、T某からラインが入る。
「一時半に病院に行くんだっけ?」

やっぱり、このままスルーはさすがにまずいと思ったらしい。ちょうど夫が病院電話中で、
「二時がいいって言ってる」

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義父が退院するっぽい<1>

義父が退院するっぽい<1>

相変わらずなんの感慨も情緒も感じられないタイトルで申し訳ない。

普段は私、午後出勤なんですが、最近時間が変則で、お昼前に出勤ということが増えてきた。
午後出勤の時は、午前中ファミレスで文章書いてるんですが、早出だとそうもいかず。
リビングで、先日思い切って購入したパソコンで作業を始めようと思った矢先に、家の電話が鳴った。
たいていワンコールのよく判らない着信なんだけど、三回鳴ったので出てみたら、

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人の苦労は哀しいのです

人の苦労は哀しいのです

一週間ぶりくらいにKさんに会ったので、義父のことのその後とかをつらつら話していたら、初めて聞くことをきいた。

前に同じ職場にいたSちゃんのお母さんが、亡くなったそうだ。

Sちゃんは私よりひとまわり下の、ゲーム好きでオタク気質のあるとても楽しい子だ。「オタクに恋は難しい」を地で行く結婚をして、今はゲームで知り合った旦那さんと別県でくらしている。

そのSちゃん、末っ子だったんだけど、お母さんの事

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一年経ったわけで

一年経ったわけで

叔母の一周忌です。

お坊さんも呼ばず、みんなで集まってお墓参りする、シンプルな会です。
私と夫と、T某とで参加してきました。

叔母は二人の娘さんがいて、そのご家族の娘さん息子さん更にはその配偶者、三人の元夫つながりの元姪やら、とても付き合いの幅が広く、賑やかです。
その中、叔母にとっては養父母の兄妹関係者は、うちの三人と、たまたま近県に住んでいる叔母の義兄の息子。とてもアウェイ。
私なんか晩年

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頑張る気のない介護

頑張る気のない介護

夫は二人兄弟の次男で、長男は数年前に他界しました。
義母は去年亡くなりました。
義父は健在……というか歩きませんが、それ以外はたぶん八〇代後半の高齢者ながらかなり快適な生活環境にあると思います。

いつの頃からか知りませんが、気がつけば義父は、「膝が痛い」(足が痛いとしか言わないため正確な症状は不明)事を理由に、歩くことを放棄していました。
立ち上がって数歩の移動は出来ます。でも歩きません。今更ど

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大きなつづらと中くらいのつづらと

大きなつづらと中くらいのつづらと

久々、義実家に足を踏み入れてきました。

前回「町内会費が必要だ」と夫が呼ばれていったときは、わたしはばっくれたので、二ヶ月ぐらいぶりかな。
あいかわらずヘルパーさんのルーティンで快適に生活させて貰っているらしく、お金以外のことはなんにも言われません。
そのお金も、必要な経費はほぼ引き落としで済むようになり、渡すのはヘルパーさんに頼むお使い用です。
これだって、こんなに必要とも思えないけど、家から

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半年ぶりに

半年ぶりに

 実家に戻ってます。

 本当は、T某と一緒に三月くらいに一度顔を出すつもりだったんだけど、コロナは落ち着かない義母は亡くなる納骨はある叔母は亡くなるわで、機会を逃し続け。

 妹二人は間接的医療従事者なので、このオリンピックの連休は休みと言うし、私も一回目の接種が終わったのでその間隙を縫うタイミングで、新幹線を予約しました。

ICカードで楽々乗車 えきねっとで指定席を予約すると、タイミングによ

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叔母L子のケース5 コロナ禍での看取り<終>

叔母L子のケース5 コロナ禍での看取り<終>

 翌日。

 告別式はお昼からでした。

 夫は仕事で、今日はT某とふたりで参加。T某は斎場に車を置いて徒歩で帰ってきていたので(飲んでたし)、行きは徒歩です。

 告別式のあとは火葬の予定。

 参加者が少なければ同行しようかと思っていましたが、昨日は来ていなかったFさんのお孫さん達(つまり叔母のひ孫)も来ていて、会場の人数は昨日と変わらないくらいです。

 叔母は三度結婚し三度離婚したけれど、

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