記事一覧

生まれてきたのもぜんぶたまたま。

5歳の甥がだんだんと家系図を理解してきた。 「C子ちゃん(私のこと)はお母さんの妹やろ?」「お父さんのお母さんは大阪のバァバやんな?」 ついこの間までは私のことをなぜ…

C子
1年前
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子どもとLGBTQ

4月、今年5歳になる甥宛にランドセルメーカー各社からDMが届いていた。何の気なしに「〇〇君、何色のランドセルにするんや?」と問うと、「えっとーぉ、〇〇はこれにするぅ…

C子
2年前
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非常時のためのドッグトレーニング

千葉県の動物病院からピットブルが逃げ出したと知った時はひやっとした。 ピットブルといえば土佐犬同様、闘犬として改良され、身体の作りから他の犬種とは一線を画す。筋…

C子
2年前
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思わぬ取引先からのメール

退社直前、このメールだけチェックして帰ろう、と思って開いた取引先からのメールの最後に「家族が御社商品を愛用しています。いつもありがとうございます。」と書かれてい…

C子
2年前
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四肢障害の君が17歳を迎えて

飼い始めて間もなく、「生まれつきのもんやから、この子は体も弱いかもしれへんで。」と母から言われたことを覚えている。ブリーダーのもとで生まれた時から右脚がなく、売…

C子
3年前
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みんなに話したい、姉のこと

姉は何があっても私の前で泣かなかった。中学の頃、同級生や先生からいじめを受け、母に相談していたとき、話を横で聞いていた私の方がショックを受けて大泣きしてしまい、…

C子
3年前
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バガボンドは完結しなくても良いと思ってる

バガボンドが好きすぎる。 高校3年生まで、一番好きな漫画を聞かれるとシティーハンターと答えていた。大学生になって初めてブックオフで大人買いしたのがバガボンドで、…

C子
3年前
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生まれてきたのもぜんぶたまたま。

生まれてきたのもぜんぶたまたま。

5歳の甥がだんだんと家系図を理解してきた。
「C子ちゃん(私のこと)はお母さんの妹やろ?」「お父さんのお母さんは大阪のバァバやんな?」
ついこの間までは私のことをなぜかよく家にいる女、としか理解してなかったのに。甥よ、成長したな。

そう思っているところに甥のこの発言である。
「僕のお母さんはお母さんやのに、なんでC子ちゃんのはバァバなん?

哲学的じゃないか甥よ。私は間髪入れずにこう答えた。

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子どもとLGBTQ

子どもとLGBTQ

4月、今年5歳になる甥宛にランドセルメーカー各社からDMが届いていた。何の気なしに「〇〇君、何色のランドセルにするんや?」と問うと、「えっとーぉ、〇〇はこれにするぅー」と満面の笑みで指差したのは近所を登下校する女の子たちが背負っているのをよくみる、パステルのラベンダーカラーであった。

甥は、お下がりでお姉ちゃんからもらった女児用水着を好んで市民プールに着て行くし、ショッピングモールには自ら希望し

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非常時のためのドッグトレーニング

非常時のためのドッグトレーニング

千葉県の動物病院からピットブルが逃げ出したと知った時はひやっとした。
ピットブルといえば土佐犬同様、闘犬として改良され、身体の作りから他の犬種とは一線を画す。筋肉質で体格が良く、もし何かあったときは大きな怪我を引き起こしやすい。

しかし保護された際のニュースの見出しはこうであった。「逃走の大型犬 警官のお座り従う」。さらに記事には警察官が網も使わず保護したと記載があった。
飼い主がドッグトレーニ

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思わぬ取引先からのメール

思わぬ取引先からのメール

退社直前、このメールだけチェックして帰ろう、と思って開いた取引先からのメールの最後に「家族が御社商品を愛用しています。いつもありがとうございます。」と書かれていた。

「嬉しいお言葉を本当にありがとうございます。とても励みになります。商品共々今後ともよろしくお願いします。」と返事をした。

会社の上層部にほとほと嫌気がさし、とうに愛社精神を無くした私にとって、励みになったのは喜んでもらえるように今

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四肢障害の君が17歳を迎えて

四肢障害の君が17歳を迎えて

飼い始めて間もなく、「生まれつきのもんやから、この子は体も弱いかもしれへんで。」と母から言われたことを覚えている。ブリーダーのもとで生まれた時から右脚がなく、売り物にならないからと手放され、獣医さんから引き取って帰ったとき、初めて抱っこした子犬の君が可愛くて可愛くてたまらなかった。以来、ダックスにとって県民病ならぬ"犬民病"であるヘルニアはもちろん、先天性の病気があるかもしれないからと、食事やサプ

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みんなに話したい、姉のこと

みんなに話したい、姉のこと

姉は何があっても私の前で泣かなかった。中学の頃、同級生や先生からいじめを受け、母に相談していたとき、話を横で聞いていた私の方がショックを受けて大泣きしてしまい、母が「みてみぃ、あんたの代わりに泣いてるわ」と言ったときも、口をへの字にしてバツが悪そうにしていた。生まれつき色素が薄く、髪の毛が茶色い姉は厳しい教師からずっと髪を黒く染めろと言われ、部活でも何かしら理由をつけては1人外周を走らされていた。

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バガボンドは完結しなくても良いと思ってる

バガボンドが好きすぎる。

高校3年生まで、一番好きな漫画を聞かれるとシティーハンターと答えていた。大学生になって初めてブックオフで大人買いしたのがバガボンドで、それ以来、理想の男が冴羽獠から宮本武蔵に変わった。

休日の電車移動、居酒屋での一人飲み、コロナのワクチン接種待ち時間など、ひとりの時間に没頭したいときはバガボンドを鞄にしのばせている。
美容室でのカラー中にバガボンドを取り出すと、「いつ

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