カンガルー🦘

米国大学院生。経営哲学を培う旅の途中。「きっとみんなのほんとうのさいわいをさがしに行く…

カンガルー🦘

米国大学院生。経営哲学を培う旅の途中。「きっとみんなのほんとうのさいわいをさがしに行く。どこまでもどこまでも僕たち一緒に進んでいこう」と思っている。

記事一覧

大企業でイノベーションを推進する方法(その4)

ここまで、大企業でイノベーションを推進する上で、重要な考え方や方法論について解説してきた。今回は、イノベーションの源泉となる、「アイデア」の作り方、「発想法」に…

大企業でイノベーションを推進する方法(その3)

前回の記事では、「社内」のイノベーションについて、「課題」をどのように見つけ、解決すべき課題を絞り込む方法を解説した。今回はどのように解決策に繋げていくか記載し…

大企業でイノベーションを推進する方法(その2)

私は米国大学院でイノベーションについて学んでいる。前回の記事で、イノベーションの定義、種類について解説したが、今回は「社内」のイノベーションを推進する方法論につ…

大企業でイノベーションを推進する方法(その1)

私は大企業で10年間働いた後、今は米国大学院にてイノベーションについて学んでいる。どのようにしたら大企業でイノベーションを起こせるのか、日々考えるなかで見つけ出し…

VISAが5,000億円以上出してでも欲しかったスタートアップ「PLAID」とは何者か。

2020年1月、VISAはPlaidを$5.3billionで買収すると発表した。金融機関とアプリ開発者をつなぐプラットフォーム型ビジネスとして注目され、主な顧客にはVenmo、Square、Stri…

村上春樹の英語スピーチ。なぜ小説を書くのか。

村上春樹は2009年にイスラエルの文学賞「エルサレム賞」を受賞した。授賞式で彼は英語でスピーチをする。当時のイスラエルの置かれている政治的な状況も踏まえながら、「壁…

経営者にとって最も大切なこと(稲盛和夫の経営哲学にある圧倒的な奥深さ)

『ウォーレン・バフェットは何がすごいのか』を書いているうちに、経営者には、自らの「経営哲学」や「プリンシプル」が必要だと考えるようになった。ウォーレン・バフェッ…

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CEOのチェックリスト

1. Outsider CEOたち  ハーバード大学、スタンフォード経営大学院卒の投資家Thorndikeの『The Outsiders』という本を読んだ。原著で読んだが邦訳版(『破天荒な経営者たち…

ウォーレン・バフェットは何がすごいのか

1. ウォーレン・バフェットとはウォーレン・バフェットは投資の神様と呼ばれている。細かい説明はウィキペディア(「ウォーレン・バフェット」)に任せるが、とにかく運用実…

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なぜ経営者は自社株買いをしたがるのか

1. 自社株買いとは「自社株買い」とは、企業が手持ちの現金を使って、株主から自社株を買い戻すこと。近年、多くの上場企業が資本政策・株主還元政策として採用しているが…

大企業でイノベーションを推進する方法(その4)

大企業でイノベーションを推進する方法(その4)

ここまで、大企業でイノベーションを推進する上で、重要な考え方や方法論について解説してきた。今回は、イノベーションの源泉となる、「アイデア」の作り方、「発想法」について纏めてみた。

1. 前回のおさらいイノベーションの目的は、革新的なものを作ることではなく、「課題を解決すること」である。そのために、「課題」は何かを最初に考えることが大事。取り組むべき「課題」が見つかったら、「解決策」を考える。但し

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大企業でイノベーションを推進する方法(その3)

大企業でイノベーションを推進する方法(その3)

前回の記事では、「社内」のイノベーションについて、「課題」をどのように見つけ、解決すべき課題を絞り込む方法を解説した。今回はどのように解決策に繋げていくか記載したい。

1. 前回のおさらいイノベーションとは、革新的なサービスやプロダクトを作ることではない。それはあくまでも結果であり、イノベーションを起こす為には、「解決策」よりも「課題」を上手く捉えることが重要である。イノベーションの目的は「課題

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大企業でイノベーションを推進する方法(その2)

大企業でイノベーションを推進する方法(その2)

私は米国大学院でイノベーションについて学んでいる。前回の記事で、イノベーションの定義、種類について解説したが、今回は「社内」のイノベーションを推進する方法論について、具体的に解説したい。

1. 前回のおさらいイノベーションを推進する上で大事なことは、「解決策」ではなく「課題」に注目することである。新しいプロダクトデザインなどの「解決策」作りにばかり気を取られると、本来の目的である「課題解決」を見

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大企業でイノベーションを推進する方法(その1)

大企業でイノベーションを推進する方法(その1)

私は大企業で10年間働いた後、今は米国大学院にてイノベーションについて学んでいる。どのようにしたら大企業でイノベーションを起こせるのか、日々考えるなかで見つけ出した方法論をここに記す。そもそも、「イノベーション」という言葉は聞こえは良いが、何を目指しているのか明確でないことが多い。まずは、イノベーションを推進する上で、何を目指すのかを明確にしよう。

1. イノベーションの定義
「イノベーション」

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VISAが5,000億円以上出してでも欲しかったスタートアップ「PLAID」とは何者か。

VISAが5,000億円以上出してでも欲しかったスタートアップ「PLAID」とは何者か。

2020年1月、VISAはPlaidを$5.3billionで買収すると発表した。金融機関とアプリ開発者をつなぐプラットフォーム型ビジネスとして注目され、主な顧客にはVenmo、Square、Stripe、Coinbase、Lending Club、Robinhoodなど、米国では超有名なFinTech企業が並ぶ。Plaidはどのように発展してきたのか、またVISA買収後の今後の見通しを考察したい

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村上春樹の英語スピーチ。なぜ小説を書くのか。

村上春樹の英語スピーチ。なぜ小説を書くのか。

村上春樹は2009年にイスラエルの文学賞「エルサレム賞」を受賞した。授賞式で彼は英語でスピーチをする。当時のイスラエルの置かれている政治的な状況も踏まえながら、「壁」と「卵」という比喩を用いて、彼が小説家として大切にしている考えを述べている。村上春樹が語った全文をざっくり意訳しながら彼の言葉を読み解きたい。

I have come to Jerusalem today as a novelist

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経営者にとって最も大切なこと(稲盛和夫の経営哲学にある圧倒的な奥深さ)

経営者にとって最も大切なこと(稲盛和夫の経営哲学にある圧倒的な奥深さ)

『ウォーレン・バフェットは何がすごいのか』を書いているうちに、経営者には、自らの「経営哲学」や「プリンシプル」が必要だと考えるようになった。ウォーレン・バフェットは、時代が変わっても、誰から何を言われても変わらない信念を持っており、周りに流されることなく前人未到の実績を残してきた。そうした「哲学」があるからこそ、彼の言動は、注目され、真似され、尊敬され、みんなが彼の考え方を聴きたがるようになった。

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CEOのチェックリスト

CEOのチェックリスト

1. Outsider CEOたち 
ハーバード大学、スタンフォード経営大学院卒の投資家Thorndikeの『The Outsiders』という本を読んだ。原著で読んだが邦訳版(『破天荒な経営者たち - 8人の型破りなCEOが実現した桁外れの成功』)も出ているらしい。本書では8名のCEOが紹介されている。日本語で言う「破天荒」っていう印象は全く無くて、どのCEOも、周りに流されず戦略の一貫性があっ

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ウォーレン・バフェットは何がすごいのか

ウォーレン・バフェットは何がすごいのか

1. ウォーレン・バフェットとはウォーレン・バフェットは投資の神様と呼ばれている。細かい説明はウィキペディア(「ウォーレン・バフェット」)に任せるが、とにかく運用実績が尋常じゃない。1965年にバークシャー・ハサウェーという紡績会社に出資してからM&Aを繰り返し世界最大の投資会社にしてしまった。2019年の総資産は約82兆円、売上高は約25兆円。当社アニュアルレポートの2ページ目に1965年から2

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なぜ経営者は自社株買いをしたがるのか

なぜ経営者は自社株買いをしたがるのか

1. 自社株買いとは「自社株買い」とは、企業が手持ちの現金を使って、株主から自社株を買い戻すこと。近年、多くの上場企業が資本政策・株主還元政策として採用しているが、経営者はその本質的な意味を理解しているのだろうか。単に株価対策として、もの言いはじめた株主や投資銀行からそそのかされて実施していることはないだろうか。改めて、自社株買いの意味を考え、資本政策の判断軸とその裏にある経営者の思想を読み解きた

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