見出し画像

大企業でイノベーションを推進する方法(その1)

私は大企業で10年間働いた後、今は米国大学院にてイノベーションについて学んでいる。どのようにしたら大企業でイノベーションを起こせるのか、日々考えるなかで見つけ出した方法論をここに記す。そもそも、「イノベーション」という言葉は聞こえは良いが、何を目指しているのか明確でないことが多い。まずは、イノベーションを推進する上で、何を目指すのかを明確にしよう。

1. イノベーションの定義

「イノベーション」とは、ある「課題」を「解決」するための新しい手段・方法・道具を見つけ出し提供すること、と定義する。イノベーションと聞くと、一般的に新しいプロダクトや斬新なサービス等、「解決策」に目が向くだろう。しかし、それはあくまでも「イノベーション」の成功した結果であり、「解決策」だ。イノベーションを実現する上で最も大事なことは、そうした「解決策」ではなく、実は「課題」を捉えることである。

「解決策」ではなく、「課題」を捉えることが大事

2. イノベーションの種類

「イノベーション」を二つに分けて考えよう。ひとつは、社外。つまり顧客向けの新サービスやプロダクトの創出。もうひとつは、社内。業務プロセス効率化や、社内のサポートツールの創出や改善。前者の場合は、ローンチまでのプロセスに時間と労力が掛かる。一方で、後者の場合は、比較的短期間で実現しやすい。会社として何を目指すか明確にする必要がある。

イノベーションは、「社外」と「社内」に分けて考える

3. 「社外」向けイノベーション

「社外」向けイノベーションの場合は、R&Dなど専門部署を設置して、資本と人を配置して、比較的長期的な視野で(年単位で)プロセスを進めていくことになるだろう。ここで、問題になるのはR&D部署が必ずしも、「課題」に詳しくないということである。R&Dはプロダクトの開発に長けており、もの作りに拘ることになる。つまり、「解決策」ばかりに目が向かい、本当の「課題」を捉えることができない。結果として、時間とお金を掛けて顧客ニーズのないプロダクトを開発することにしてしまう。

「解決策」ではなく、「課題」=「顧客ニーズ」を捉えよう

次回に続く

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?