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散文

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#詩

Rest

あなたの胸の奥にともる
小さな星のような光から
わたしは生まれたのです

あなたの腕のなかにある
陽だまりのようなぬくみから
わたしは生まれたのです

喜びにも 悲しみにも
わたしはつかれた

あなたの腕のなかに倒れ込んで
いつまでも いつまでも
目を閉じて休んでいたい

世界中のあかりを消して

地球の風がやむ日まで
惑星が静止するその日まで

あなたの腕にいだかれて
あなたの世界へ旅に出よう

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博愛

博愛主義のあなたはいつも
誰も彼もを愛するけれど
誰も彼もがあなたのように
人を愛しているとは限らない

だからあなたは幾度も
愛する人に愛されない

だからあなたは幾度も
愛する人に愛されない

見返りを求めないその悲しみを
知っているからなお愛しい

そんなあなたが見る世界
一度でも垣間見たならそのときは

あまりに悲しい幸福と
あまりに嬉しい孤独の光に
わたしは泣き崩れることでしょう

ひとりでいても 百人といても

ひとりでいても 百人といても

信じたくないものばかり信じていました
信じたいものを信じもせずに

あなたの足下に咲く花と
つきぬけるような青空と

小さな世界で生きるわたしに
心の世界は誰より広いと
あなたが教えてくれた朝

あの日のあなたと同じ気持ちで
いつものように歩いていたら

長いあいだかき消えていた
わたしの世界が見えたのです

あなたは本物の悪意を信じない
わたしは本物の絶望を信じない

信じるのは子猫の温もり

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海で目覚める

海で目覚める

朝、夢から目が覚めたとき、どうしようもなくやるせない気持ちになる。それはとても静かな気持ち。早朝の海辺の、湿った砂浜で、ひとりきりで目覚めたみたい。朝から感傷的になりすぎる。とにかくやりきれない。なにかがたまらなく恋しい。さっきまで一心同体でいたはずの、誰かの気配を感じる。寂しい、悲しいというよりも、苦しい。どこへ帰っても、帰りきれないようなホームシック。深刻な懐郷病。

本当に恋しいのはどっちな

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理由もなく ただ好きだと

理由もなく ただ好きだと

わたしがどんなにかっこよくふるまっても
かっこいいねってあなたは言わない

わたしがどんなにかわいい服を着ていても
かわいいねってあなたは言わない

ただ生きているだけでいいよって言ってくれる

わたしがどんなに優しい言葉を紡いでも
優しいねってあなたは言わない

わたしがどんなに立派なふりをしても
えらいねってあなたは言わない

ただ素敵な生き方だねって言ってくれる

あなたはかっこよくてかわい

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やりきれない

やりきれない

夕暮れ時の、あのやるせない、やりきれなさはなんだろう

なにかが間に合いそうで間に合わないような、もしかするとまだ間に合うような

いてもたってもいられない焦りと、静かな諦念がないまぜになって、せめぎあって、絶叫したくなる

ぼくはなぜいつもここにいるのだろう

世界から自分ひとりを引っこ抜きさえすれば
頭のなかは静かになるのに

安らぎと静寂が訪れるのに

ぼくはなぜいつもここにいるのだろう

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愛はいつも

愛はいつも

恋や夢に破れても

愛に破れることはない

愛はいつも叶うもの

わたしが信じているかぎり

決して裏切られはしない

愛はただ

独りでにほほ笑むものだから

わたしからあなたを憎むことは

永遠になく

わたしからあなたを失うことも

永遠にない

そう思うとこわくなかった

愛することも 孤独な日々も

ほほ笑んでいればこわくなかった

原始

原始

ただひとこと
許してくださいと言い残し
あなたは悲しすぎて鳥になった

わたしとあなたが
まだ白い小石だったころ
世界は静かで言葉もなく
つくりものめいたものはひとつもなかった

わたしとあなたが
まだ二輪の小花だったころ
風がすべてを渡らせて
あすを知りたがるひとはいなかった

あれから果てしない時間が流れ
切なく晴れわたった
初夏の静かな昼下がり

あなたの足が小石をプールへ蹴飛ばして
その指

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孤独な天使

2012年5月7日に、ぼくは自殺しました。そして目が覚めたら、ぼくは天使になっていたのです。いま、ぼくの背中には翼が生え、指の先まで内側から美しく光り輝いています。どうやらここは天国のようです。青空があり、心地のよい風があり、透明な太陽の輝きに満ち満ちています。朝があり、夜があり、もちろん美しい夕暮れもあります。ここにはみんながいます。両親や兄弟、友人や、大好きだったペットたち、あるいは、目も当て

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優しくなる

優しくなる

それでいいんだ

きみがどんどん大人になって

打算を覚えて ずる賢くなり

夢さえ忘れて 諦念を選び

無意味なことが

本当に無意味に思えても

それでいいんだ

もう素敵な詩が書けなくなっても

もう世界が青く見えなくても

あのころのきみの面影が

消えてなくなるわけじゃない

きみは優しくなるだけだ

なにもなかった孤独な世界を

はじめて照らした光のように

きみは優しくなるだけだ

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死にたいときは死にたいなりに

死にたいときは死にたいなりに

死のうと思って死ぬことができたら
あの人はほんものの人間だったんだって
だれかに認めてもらえるような気がしてた

小さなころから
ずっと前から

こんなに弱い人間だけど
これ以上はもう 強くなれない

だから天国で生きるんです

だれも悪くなかったあかしに
だれも恨んでなかったしるしに
死のうと思って死ぬことができたら
自分を許せるような気がしてた

「彼女は死んで幸せなんです」
「だから彼女はも

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夢のこころ

夢のこころ

あなたが泣いてる夢をみた

どんなにどんなに嫌われても

こんなにこんなに嫌いでも

夢のなかでは今もまだ

あなたを抱きしめたいわたし

天国のラジオ vol.2

天国のラジオ vol.2

毎週土曜日 AM9時
天国で放送中のラジオ番組

タイムチャンネル

あらゆる優しさと幸運が重なったとき
まれではあるが地上の人も
その放送を聞くことがあるという

窓辺のソファに腰掛けて
窓を流れてく雨を見ていた
通りを走る車を見ていた

悲しい夜 どうしようもない悲壮感

今日ぼくは
愛も金も夢も希望も失って
なにもかもを無意味に思う

だからこそいま
自分を棺桶にしまうみたいに
この店に足を

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希望

希望

希望を抱くことでしか
あたしには
世界と向き合う術がない

なにも終わらないでほしい

春も 夏も 秋も 冬も
なにも終わらないでほしい

満月も 新月も
雨の日も 晴れの日も
なにも終わらないでほしい

あの歌も あの映画も あの物語も
なにも終わらないでほしい

あまりにも多くの時間が
流れていってしまうから

あたしたちは
この一瞬のために息をして

はやくここへ来て

思い出になる前に

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