優しくなる
それでいいんだ
きみがどんどん大人になって
打算を覚えて ずる賢くなり
夢さえ忘れて 諦念を選び
無意味なことが
本当に無意味に思えても
それでいいんだ
もう素敵な詩が書けなくなっても
もう世界が青く見えなくても
あのころのきみの面影が
消えてなくなるわけじゃない
きみは優しくなるだけだ
なにもなかった孤独な世界を
はじめて照らした光のように
きみは優しくなるだけだ
どんなふうに見えたとしても
きみは優しくなるだけなんだ
そうしてきみはいつの日か
きみのなかへと還ってゆくのだ
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