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お仕事エッセイ

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お仕事エッセイ
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#エッセイ

【重要】ご報告とお知らせ

【重要】ご報告とお知らせ

いつもご覧いただきありがとうございます。
今日はご報告がありまして皆様にお伝えします。

【ご報告】

昨年秋頃から前職の勤務先でなんやかんやありましたが、この度、和解が成立しました。

弁護士を通じて元勤務先に対し、就業規則の変更・社外パワハラ相談窓口の設置などを要求した結果、全面的に会社側が僕の意向を反映することに。

当初、こんなにも早く解決できるとは思わず、元勤務先が第一案を認めない場合、

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アテ木

アテ木

20年くらい前にNHKのプロジェクトXという番組で薬師寺金堂を再建するドキュメンタリーが放映されていた。

その中で宮大工の棟梁の言葉が今でも印象に残っている。

「建物はよい木ばかりでは建たない。北側で育ったアテというどうしょうもない木がある。しかし日当たりの悪い場所に使うと何百年も我慢する、よい木になる」

木にさまざまな癖があるように、人間にも様々な人がいる。それがうまく組み合わさってこそ、

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一人前ではなく一流を目指せ

一人前ではなく一流を目指せ

一人前ではなく、一流を目指せ。
その瞬間、がつんと胸に響くものがあった。

大学卒業後、新卒で就職した会社を2ヶ月で退職し、将来への希望や目標もないまま、アルバイトをしていた。努力したって報われなければ頑張る意味などない、自分がしんどくない程度に適当に働いて金を稼いでいればいい、と斜に構えて過ごしていた。

そんな屈折していた時、祖母の知り合いの紹介で、ある建設会社の社長さんにお会いする機会ができ

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独学のすゝめ

独学のすゝめ

お恥ずかしながら人の話を聞いて学ぶことが苦手である。

子どもの頃、習っていた公文式は好きだった。
人から教えてもらわなくても分からないところは自分で調べて、どんどん先に進めるのが楽しくて仕方なかった。

一方で学校の授業は退屈だった。
というより先生が話していても右から左に流れ頭に入らないのである。
教科書に書かれてあることは読めば理解できるし、公文式で先の単元も学習していたから全く支障はないの

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人にやさしく

人にやさしく

生きていると思い通りにいかないこと、ままならないことに出くわすことがある。

子どもの頃が楽しかったのは周りの大人たちが、ワガママな幼い自分たちのために色々と配慮してくれていたことに、大分後になってから気がついた。

最近、書店で「繊細さんへの○○」といったタイトルの本が平積みされているのを目にする。
「繊細さん」とは他人から見れば些細な言動に敏感だったりする人のことらしい。

僕も意外と根に持つ

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心にヒーローをもとう

心にヒーローをもとう

以前、「目撃!にっぽん」というNHKのドキュメンタリー番組で「白血病ユーチューバー」と名乗り、抗がん剤の副作用や闘病生活の助言などをユーモアを交えて伝える方のことが放映されていた。

番組の中で辛い闘病生活を乗り切るためにも「自分の心の中にヒーローを持つことが大切だ」と語っていたのが印象に残った。

今日は「第5回 米百俵・縄文の丘マラソン大会」当日。
昨夜から降りやまぬ雨の音で朝、目が覚めた。

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Outrage beyond

Outrage beyond

運悪くクレームの電話をとりカスタマーハラスメントを受けた時、どのような対応をするだろうか。

表面上は丁寧な言葉づかいで相手の話を聞き続け、ほとぼりが冷めるのを待ちながら心の中では映画「アウトレイジ」のビートたけしのように
「ガタガタうるせぇんだ、バカヤロー!」とマシンガンを乱射したくなる気持ちも理解できる(笑)

自分が否定的な言葉を投げかけられた際に、相手をやり込めたり復讐することを考えたりし

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Blue birds

Blue birds

昔は地元がダサくて嫌いだった。

早く大きくなって、どんよりとした曇天の町から脱出しスマートなシティーライフを堪能したいと願っていた。
札幌の大学に入学後、出身地を当てるゲームに興じた際、東京や名古屋出身と言われるのが、垢抜けた印象を与えていると感じ妙に嬉しかった。

今振り返ると、そんな風に考えていた自分自身が一番ダサかった。

大学卒業後、不本意ながら地元にUターンして早8年もの月日が経った。

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苦労して微積分学ぶ必要ある?2018/2023

苦労して微積分学ぶ必要ある?2018/2023

「苦労して微積分学ぶ必要ある?」(2018/6/14朝日新聞朝刊)を読んである数学者のエピソードを思い出した。

微分積分学の理論的な構築に貢献したコーシーは厳密すぎる数学の講義を行ったため、学生の評判はよくなかった。コーシーが教鞭をとったエコール・ポリテクニクは技術者養成を目的とした学校だったので理論よりも実践的に役に立つ内容が求められていたのだろう。

抽象的で容易には理解することができない数

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稽古と修行

稽古と修行

大学生の頃、合気道部に所属していた。
ここ最近、再び合気道の稽古がしたくなり道場やスケジュール等の調整をしている。

合気道と聞いて思い出すのは内田樹先生である。

もちろん稽古にはきちんとした教育体系がある。それは「先達についてゆく」ということである。ただし、どこに行くのか、どういう経路をたどるのか、いつ何が身につくのか、何も情報が事前には与えられない。

ただ「先達」の背中を見ながら歩き続ける

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トイレの神様

トイレの神様

入社依頼、毎朝掃除の時間に会社のトイレ掃除をしている。

「トイレ掃除を毎日続けていれば、きっと良いことがあるよ。別嬪な彼女ができるかもしれないし」

掃除をしていると専務が声をかけた。

トイレの神様の受け売りかよ。
と、入社当時は真面目にとりあわなかった。

専務は昨年、退職してしまったが僕は相変わらずトイレ掃除を続けている。

河合隼雄・小川洋子の本に
「生きるとは、自分の物語をつくること」

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神様からひと言

神様からひと言

標題は荻原浩のサラリーマン小説のタイトルである。
仕事が面白くないなと感じている人に手にとって頂きたい一冊だ。

当初、読書録にしようと思ったが「お客様は神様です」という言葉に対し「では、神様のようなお客様とはどのような存在か?」を考えてみたくなったので、それを書くことにする。

以前の記事でクレームを言う「お客様」のことに触れた。

当社に落ち度があるのだからお怒りなのはごもっともであるが、

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僕の宝もの

僕の宝もの

一時期、ひどい自己嫌悪に陥って、3日に1回くらいの頻度で人間をやめて猫になりたいと切に願っていた。

外出することも億劫で鬱々とふさぎ込む日が続く中、部屋の整理をしていると古いアルバムが出てきた。

大学生の頃、地域の子どもたちのための学習支援ボランティアに4年間携わり卒業する時にプレゼントされた手作りのアルバムだ。

遊んだり、勉強を教えたりした子どもたちからのメッセージカードが写真と共に添えら

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読書録「すむ」ということ

読書録「すむ」ということ

図書館で普段は気に留めない「月刊武道」という雑誌を見つけた。

表紙画が朝ドラ「らんまん」の主人公の牧野富太郎と壽衛夫人だったので、思わず手に取ったところ、巻頭リレーエッセイが素晴らしかったので一部転記する。

「空すむ」「水すむ」は、秋の季語である。
秋になると、空高く大気が澄みわたり、水の流れにも清涼感を覚える。
「すむ」というやまと言葉には、①澄む(清む)、②済む、③住む、という三つの意味が

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